ゆうみお

あまみや。旧

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6章 三学期。

203.本音

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(美優side)



「………やだなぁ、もっと双葉ちゃんと一緒にいたかった。」



………どうしたんだろう。



「明日香さん……私と、志望校違うんですか?」
「うん、双葉ちゃん言ってたじゃん………、三坂西でしょ?」


三坂市の西の方にある高校。



「……明日香さんは、三坂総合でしたよね?」



明日香さんはこくんと頷いた。






……………え……っと、







「明日香さん………あの、すみません」
「え……?」




つい笑ってしまった。




「三坂西と三坂総合は同じ高校ですよ?」






………




…………




……………






「………え、どゆこと?」


明日香さんの声はかなり上擦っていた。



「だから、先生言ってたじゃないですか。来年から三坂西と三坂東が統合するんです。それで新しい校名が三坂総合。」


来年から今澪が通っている高校と三坂市の西の方にある高校が統合することになってる。



私の志望校はそこ………。





「え……?え?」
「つまり、高校も一緒です。まぁ受かればですけど。」



あの時の明日香さんのきょとんとした表情が忘れられない。




「てことは………卒業しても双葉ちゃんと一緒?」
「はい。まぁ受かればですけどね?」




………途端に明日香さんの表情が嬉しそうな感じになった。


表情筋が筋肉痛になる程表情の動きが激しい人………




「…う、嬉しいけどぉ~………え、めちゃくちゃ恥ずかしい………」



本当に恥ずかしそうだった。

しゃがみこんで両手で顔を抑えている………




(ていうか……志願書同じ教室で書いてたじゃないですか)




………馬鹿、なのかなぁ。







でも、それ以上に私と離れることをここまで気にしていたと思うと………可愛いと思ってしまった。



「ま、例え別の高校になったとしても友達のままですから!」
「嫌な事言わないでよ~…!」





ずっと明日香さんは真っ赤なままだった。








ーーー

(李世side)


「USO楽しーー!!」



馬鹿になりそーーーっ☆




「元気だね……李世」
「ほら、黒木も!乗りたいやつ言って!」



友達は「絶叫系以外で……」とだけ言った。



ちなみにUSOは3人以下はグループが認められないので1人連れてきた。



「USO絶叫系以外なんてあるかな~……真冬は?」
「……」食事



食べたいだけか………




「どうせ食べきれない癖に食い付きだけは立派だね」
「……」




それ食べてるのボクなのに………

とりあえず、なにか探してみることにした。



ーーー


チュロスを買った。


「………」モッチモッチ
「…あ、ごめん俺トイレ行ってくる!」


ベンチで食べてたら黒木がトイレに行った。


2人で待っていると………



「それにしても楽しいねー、USO!」
「……」モチ…


笑っていたら、真冬が食べるのをやめた。



………そして、





「………そういうの、いらない。」




ようやく一言目。





「いらないって…なにが?」
「………笑わないで」




………そんな事言われても、




「楽しいなら笑うの当たり前じゃん」
「………っ」



なんでだろう、睨まれてる。





「………楽しくなんてない癖に。」




………?


何言って………




「どうしたの?真冬」
「………」



長話でもするのか真冬がいつものようにペンとメモ帳を取り出した。



「………」



何を書いてるんだろう。


………ボクには直接口で言ってくれてもいいのに。




『いつも思ってた
楽しいなんて思ってないくせに楽しいって言われるの嫌だ』



やっぱり理解出来なかった。


楽しいから楽しいって言ってるのに。





「………ボクが楽しそうに見えないってこと?」


真冬が頷いた。
少し躊躇ってから、いつもよりも深く、頭を下げる。





「………ふぅん」



またなんか書いてる。




『本音で話してって言ってるのに』



そういえば言われてたっけ。




………依存していいとかも、言ってたな。






「………あ、っそ。まぁ…頑張るよ」







『この人間性皆無』


うわ露骨な悪口………





「そんな事言うなら真冬にも猫被るよ?」
「……」フルフルフル




その後は黒木が来るまでずっと真冬をからかって遊んでた。






ーーー


李世がちょっと冷たくしてくるのは割と本音で接してくれてる証拠です。

美味しそうにもちもちチュロス食べてた癖にいきなり真面目な顔する真冬。




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