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生徒会
もしもの生徒会3
しおりを挟む【準カプ】
西原×瞬
「会長、この予算案目を通しておいてください」
「はーい、………うん、いいんじゃない?」
瞬の前では真面目に生徒会長する。
「会長は仕事が早くて正確で羨ましいです!」
「…!まあ…これくらいは当然だよっ」
猫かぶりな方の性格を使っていたけど、つい調子に乗ってしまって口角が緩んだ。
「何か困ったことがあったらなんでも言ってよ」
「はい!………あ、会長」
「なに?!」
相談かと思って一瞬嬉しそうに顔を上げた西原に、瞬は微笑んで
「いい天気ですね………」
「……っ、あ…うん…ソダネ」
頼られたのかと思って喜んだのがぬか喜びで恥ずかしくなった。
………
3年1組教室
瞬の友達。
「なあ瞬!この前俺が教えたミンスタ、どう?」
「はい!とても楽しいです。」
瞬が友達からミンスタを勧められた。
「ちょっと見せてよ」
「はい、いいですよ!どうぞ」
ミンスタに載せられた投稿を瞬に見せてもらった。
「おー…!犬の写真だ!」
「うちで飼ってるトイプードルとゴールデンレトリバーが可愛いんです!」
大体ミンスタにあげてるのは飼ってる犬の写真とか。
「ふむふむ………、……あえ?」
「どうしました?」
友達が瞬に画面を見せた。
「これ……、…瞬って自撮りとかするんだな」
見るとそれは会長と撮った自撮り写真。
「ああ……しようって誘われたのでしてみたんですけど、会長って本当に美形ですよね…羨ましいです。」
(え、そこじゃなくて………)
ちょっとだけ会長に嫉妬する友達。
「あ……他にもありますよ!」
「お!?」
瞬が画面をスクロールしていく。
「これは後輩とノリでV系ライブごっこをした時の写真です!」
「……え"っ」
全力でヘドバンし過ぎてブレまくりな瞬と李世。
「そしてこれは後輩が友人にプロレス技を決めた時ので………」
「わあすごく楽しそう…?」
真冬が星奈にソバットを決めた写真(勿論ブレた)
「これは生徒会室をクラブ風にした時の写真です!」
「生徒会って遊ぶ部活なんですか…??」
サングラスをかけてパリピ風のダボダボTシャツを着てとりあえず盛り上がってる写真(盛り上がりすぎてブレた)
「そしてこれは写真嫌いな二階堂さんを写真に入れようと会長が奮闘するところです!」
「お前らほんと平和だな!!?」
嫌がって顔を隠す二階堂さんと全力で腕を引っ張る会長、僕は自撮り兼撮影役。
「そしてこれもちゃんとブレてる………」
「ほとんどブレてるんですよねぇ………」
生徒会に友達を取られたのが悔しいと思ったのが友達が、
「よし瞬!!俺らもブレッブレな写真撮りに行くぞ!!」ガタン
「え…もう授業始まりますよ?」
そのあとめちゃくちゃ写真撮った。
ーーー
放課後、生徒会室。
「なるほどー、それでこの写真があがってたわけね………」
「えへへ……、…あ!これまでの写真と比べると最高記録でブレてませんか!?」
ブレすぎて何だかわからない。
「ふーん………でもやっぱり、俺と瞬の写真が一番だなっ」
美形と美形の組み合わせの自分達の写真に満足する会長でした。
ーーー
李「ていうか真冬……プロレス極めなよ」
真『R18の方に支障が出るから無理』
李「……え、その単語はこっちじゃ言わない約束………」
真『非力で抵抗出来ないキャラ設定だから無理』
ーーー
星奈×真冬
「あれー?瞬は?」
「純也と飲み物を買いに行ったぞ」
瞬と西原がいない生徒会。
「そーなんだ、……あっ、真冬………」
暇で真冬に目を付けた星奈が目を細めてにやりと笑う。
「……」フイ
真冬はいつものようにスルーしてBL小説に夢中になっている。
「えー、真冬ー?」
「先輩……真冬不愉快そうです」
ただ声をかけただけなのに真冬の隣に座る李世にそう言われた。
「冷たいなぁ………まあそんなとこもそそるんだけど。」
真冬はもう完全に耳を閉じた。
ーーー
(星奈side)※規制無しちょいエロ
次の日。
「今日も来たよー」
今日も生徒会に遊びに来た。
「……!」
「え…あ、ごめん!」
真冬が1人だけいて、着替え中だった。
まあ……6時間目が体育だったとか…そういうのだと思う。
すぐにドアを閉めて一旦待機する。
けど、すぐにドアは開いた。
「あ…終わ……ってないな」
『別に入ってもいい』
筆談だった。
というかまだ着替え終わってないしシャツの前のボタン外れてるしその格好絶対危n
「着替え終わってからでいいよ?ていうかその格好危ないから早く閉め『気にしない』いや気にしなよ……」
一応女の子…「あっ」
「そうか真冬って男子だった………」
「……は?」
めちゃくちゃうっかりーーー☆
「へへ…じゃあお邪魔しまーす」
普通に入った。
けどそこから真冬が筆談でも喋ってくれることは無く、
「……」
淡々と着替えていた。
(李世達どこ行ったんだろ………まあいっか)
なんとなく、いつも李世が座っているところに座ってみた。
真冬が癖で隣に座ってくれるんじゃないかって。
スマホで女の子達にLimeの返信をしてから、もう一度真冬に目をやる。
(肌が白いなぁ……)
とか変態臭いことを思っていたら着替え終わったのかこっちを向いた。
「……」
座ろうと思った席の隣に俺がいたからかすごく嫌そうな顔をした。
こっちはご機嫌そうに「隣おいでー」とか言ってみたけど、ソーシャルディスタンスで座られた。
「ひどいなあ……」
「……」フイ
そういえば、
「李世達どうしたの?」
「……」ツ-ン
無視か………
どうしたら構ってもらえるのか考えて、後ろから真冬の本をのぞき込んだ。
「えーと…なになに…?」
読み上げてやろうと思ったけど、………濡れ場、というものだったらしい。
(わあ読みにくい)
めちゃくちゃ読みたくない文ばっかりだった。
「……」バッ
「あ、……ちぇ」
………
どうしても話してみたかった。
「……えい」
「……っ!」
髪の毛に触れてみた。
(うわ……柔らかい)
どんなにケアを頑張ってる女の子達にもこれくらい柔らかい髪質の子はいなかった。
そのままうっかり耳に指が触れた。
「………ひっ」
………!
「あ…やばい俺やっぱり男もいけるわ……」
「……!!」ゾワッ…
……………でも、
「これに……この作品に全年齢対象のタグがついてるうちは……これ以上やばいことすると明日全身関節痛になる呪いがかかる………」
「え……」
ソーシャルディスタンスを3倍にした真冬が何それ…と言わんばかりの表情でこっちを見ていた。
すると、
「ただいまー!真冬、コンビニでお菓子買ってき………真冬?」
他の生徒会委員が帰ってきた。
「は…?お前何でいんの?」
「あ…えと」
真冬がソーシャルディスタンスしていてくれたおかげでさっきまでのことはバレない……そう思ったけど、
「ん?どしたの真冬」
「……」ブツブツ
「……は?」
勿論チクられた。
「星奈先輩……」
「お前やっぱりクズだな………」
「ちょ、ちょっと待って自制したし!!」
容赦なくボコられました。
ーーー
このカプにイチャイチャというものは存在しません。
ーーー
(李世side)
二階堂×李世
「……疲れたなぁ」
にこにこするのに疲れてテラスで休んでいる時のこと。
「李世、大丈夫か?」
「……!二階堂先輩。」
甘いキャラメルラテの缶を持って、ボクの隣に立つ。
「ほら」
「…!くれるんですか?」
ボクの苦手な甘いもの。
まあこの先輩に伝えてはいなかったし、ボクは見た目的にも甘党だと思われてそうだからな………
「苦手だったか?」
「あ…、いえ!そんなことないです、いただきます!」
疲れていたけど心配かけずと頑張って口角を上げた。
「………」
「美味しいです…!ありがとうございます…!」
本当は苦手だった甘ったるいキャラメルラテ。
それをバレないように飲み干して、お礼を言った。
「先輩、寒いですし戻りましょうか。」
「ああ、もう大丈夫なのか?」
「はい!」とまだ回復しきれていなかった気力を無理矢理消費して笑った。
ーーー
次の日。
「李世、どっちか選んで欲しい」
「え……?」
先輩が持っていたのは、甘いキャラメルラテと苦いコーヒー。
自販機で買ってきたのかまだ暖かそうな缶をボクの前のテーブルに置いた。
「え……と」
勿論コーヒーの方が好きだけど、昨日言ったことを思い出してキャラメルラテを選ぼうとした。
………けど、
「素直に好きな方で選んで欲しい、………お前の……、
……李世の好みは、ちゃんと知っておきたいからな。」
………
…………
頭に小石を軽く当てられたような感覚。
「…………先輩」
ほんの少しだけど嬉しかった。
コーヒーを選んで、
「ありがとうございます…っ、二階堂先輩…!」
そう言って微笑んだ。
ーーー
夏の日。
「あっつい"!!」
西原先輩が机に頬をべた…とつけて嘆く。
「会長……冷房、つけませんか?」
瞬先輩がエアコンのリモコンに手を伸ばしたけど止められた。
「無理だよ、今故障中」
「えぇ……」
梅雨明けしてから一気に暑くなったな………
今日の気温は30度を超えている。
「はぁ……じゃんけんして負けた2人がコンビニでアイス買ってきて」
突然の提案。
「えぇ………嫌です」
「勝てばただでアイス食えるからいーだろ!ほらやるぞ!」
無理矢理皆集められた。
「……あ、3番目に負けた人のおごりなっ」
「え"、嫌ですよ金欠です…!!」
なんて言ったけど通るはずもなく、
「「あ………」」
なんと一発目でボクと二階堂先輩が負けた。
「い…嫌だ……」
「りーせ、我儘言わなーい、さて……次は」
その次のじゃんけんでは西原先輩が一発目で負けてた。
「う"ぉッふ………」
「会長、ご馳走様です…!」
「……」ペコ
………というわけで、
ーーー
「あ"ーー……暑いですねぇ………」
やっぱり外は暑かった。
校門を出て1キロくらいある日向の道を先輩と歩く。
「平気か?まずいと思ったらすぐに言ってくれ」
「はーい…ありがとうございます……」
もう言いたいくらいきつい。
(汗が……気持ち悪い………)
日差しが眩しい。
半袖で露出した肌に容赦なく当たって、それにまた不快感が増す。
「あとどれくらいですかね………」
「ここを真っ直ぐ行くだけだ。……苦しいなら学校に戻ってるか?」
そんなこと出来ない。
「い…いえ、先輩に迷惑かけられませんから」
ーーー
………暑い、暑い、暑い、苦しい
「はぁ…、……は、」
「………李世」
フラフラする………
「ッ………」
やっぱり、倒れてしまいそうになった。
倒れそうなところを二階堂先輩が抱えて、すぐコンビニへの道をそれて日陰のベンチに座らせられる。
「………ぅ」
「李世…!意識は、……俺が誰だか分かるか?」
頭がぼーっとするけど、二階堂先輩のことは分かる。
「……二階堂先輩」
「…そうか、……あ、李世…汗」
ひどい汗だった。
もう少し外に慣れなきゃな………なんてぼーっと考えているうちに…意識が戻ってくる。
「す…すみません、もう大丈夫です」
「そうか…?まだ「いえ…!コンビニも近いですしとりあえず涼しい場所に行きたいです!」」
日陰でも冷房の効いたコンビニにはかなわない。
とりあえずコンビニまで急いで、コンビニの中に入ったらかなり落ち着いた。
「ふぅ……あ、なんのアイスにします?走って帰らないと溶けちゃいますね。」
チョコもいいしフルーツ系も捨て難い………なんて思ってもいないことを流暢に話していく。
「そうだな………純也は確かこれが好きだったな、…これなら種類も沢山あるし」
「じゃあそれにしましょう!」と言って笑った。
もう1箱選んで、会計に行こうとすると………二階堂先輩に止められた。
「なんですか?」
「いや……会計は俺がしてくる、待っててくれ」
なんでだろう
首を傾げて二階堂先輩を見た。
先輩は言いにくそうに………ボクの着ているワイシャツを指さす。
「その………汗で透けてる……から、あんまり人前に出したくない。」
………汗、透けてる
それに気付いた途端すごく恥ずかしくなって、
「う…嘘!嘘だ!!」
「本当だ…!こんな冗談言うわけないだろう…!」
………最悪……………
「へ……あぁぁ………」
「大丈夫だ、客も少ないし………」
そういう問題じゃないんですけど………
二階堂先輩が会計をしている間、ずっと落ち込んでた。
ーーー
「おかえりー、遅かったじゃん」
帰りは全力疾走してきたんだけど。
アイスは無事だった。
「……」ぴちゃ
「美味しいです…!」
ボクは大恥かいたけど、まあ美味しいならよかった。
………なんて、ハッピーエンドかと思ったけど。
「じゃあ余ったやつ冷凍庫に……………
………あれ?」
かなりの量余っているアイス、
「………どうしたんですか……?」
すごく嫌な予感がする。
冷凍庫を開けた西原先輩は震えた声で言った。
「れ……冷凍庫、………故障してる………」
………
「待って下さい僕の飲み物は…!?」
「真冬の非常食(ホワイトチョコレート)は無事ですか…!!?」
全部駄目になってた。
「……よし、これ今日食べよう、すぐ食べよう」
お腹壊すギリギリまでアイス食べ放題しました。
ーーー
【海】
暑い夏の日。
「皆さんで海に行きませんか?」
瞬先輩からお誘いが来た。
「え……何も持ってきてないよ?」
「明日から夏休みなのでジャージは持って帰りますよね?」
ジャージか………
それならあるけど、
「……あ、…出来たらでいいんですよ?でも……夏休みになったら皆さんと会えなくなりますし………」
………え
「ボクはいつでも遊べますよ…?夏祭りとか行きたいです」
「俺も行きたいかなー、生徒会で夏祭り行こうよ」
瞬先輩は唖然として、
「あの………皆さん、夏休みは生徒会の集まりはないですよ……?」
………この先輩、集まりがない時しか集まれないと思ってるのか。
「瞬、どうして俺達が連絡先を交換してるんだ?」
「えっと………最低限の連絡かと……「違いますよ!友達だからです」……え?」
腑抜けた声を出した。
可愛いかよ………
「というわけで夏祭り行きましょうね、………それで、海ですか?」
「あ……はい!海です!」ぱぁ…と明るくなった。
「せっかくなので………皆さんと思い出作り、したくて……」
「よし行くか」
西原先輩決断が早い。
今日は早めに生徒会室を閉めて、学校を出た。
ーーー
海沿いの学校なので歩きでも30分程で海に着く。
「暑いですねー!」
「……」ホカホカ
うわ真冬温まってる
「すごーいレンジで1分半チンした温かさ」
「それなー」
………ん?
今の声って、
「星奈先輩……?!」
「もうそんな驚かなくていーじゃん、どうせたまに現れるんだからっ」
………まあ、そうなんだけど。
勿論西原先輩も嫌そうな顔をしてたけど、瞬先輩が皆で思い出が作れると嬉しそうにしていたので何も言わなかった。
「というわけで早速着替えてるわけだし遊ぼ!」
「気が早いですね先輩………ていうか知ってたんですか?」
予め制服の下にジャージを着ていた星奈先輩。
「んーん、瞬がLimeで教えてくれた!」
「あ…はい!教えました!」
なるほど。
1人だけジャージが違くて目立つ。
「瞬のジャージ姿最高………」
「どうしてそれを本人じゃなくてボクに言うんですか………ヘタレですね。」
ボク達も制服を脱いで中に着ていたジャージになった。
白に青いラインが入ったジャージ。
ちなみに星奈先輩は紺色のジャージだった。
「うっわ!つめた…」
「思ったより冷たいですね……」
先に水の中に足を入れた西原先輩と瞬先輩が冷たさに驚いて足を離した。
「そりゃここ日陰ですからね………」
日陰の水は冷たいけど、だからといって暑いのは嫌なのでここにいたい。
「……」ぱちゃ
「真冬ー、どう?冷たい?」
「……」コク
ふと顔を上げると、
「……ここ…上に何かあるんですか?」
「あー、灯台があるんだって」
西原先輩が教えてくれた。
「へぇ………」
ーーー
「星奈、あんまり遠くに行くなよ」
「はーいわかってまーす」
膝上くらいまでのところで遊んでいると、瞬先輩がこっちに来た。
「双子みたいな貝殻を見つけたんです…!李世、真冬。どうぞ。」
そう言って似た形似た色の貝殻をボクと真冬それぞれにくれた。
「わぁーっ…!可愛い!ありがとうございますっ……瞬先輩…っ!」
大袈裟なくらいに喜んで、とりあえずポケットにいれておく。
「………」
真冬は隣で顔には出さないものの嬉しそうにしていて、真冬もまたポケットにしまった。
(ふふ……、無くさないようにしないと)
また、真冬とお揃い。
真冬と持ち物をお揃いにするのは正直嫌いじゃない。
「ねぇねぇ純也」ニコニコ
「は?何」
「見て見てタコ!」
「……はぁ?!」
星奈先輩一体どこまで行ってきたんだろ………
「ッ…海に返してこいよ!!」
「分かってるよー、ねぇ純也………今の、俺が子供の頃に純也にやられたやつだからね?」
ふと星奈先輩の目に光がなくなった。
「よぉーく覚えててね………今のこと」
「ああもう…!分かったから!悪かったから早く返してこいよ!!」
そのやり取りに他の人は皆苦笑いやら心配そうな顔をしていて、そんな時、
「………ッ!何だ…?!」
「ふふ……、僕も悪戯です…!」
ノリにのった瞬先輩が、後ろから二階堂先輩に手ですくった分の水をかけていた。
「そうか……なら俺もやらせてもらうぞ?」
「わ……っ、やりましたね……!」
楽しそうだな………
すると、
「………ひぃあ"ッ!!」
こっちも後頭部から突然冷たいものを浴びせられた。
「真冬………」
振り向くと真冬が無表情ながらもきらきらした様子でこっちを見ている。勿論手が濡れてる。
「頭とか酷くない…!?ねぇ!!?」
「……」スタコラスタコラ
やり返す前に逃げようとしてたけど、
「……っ」
膝上まである水の中を走って上手く走れるわけがない。
水に足を取られて転んで、全身びしょ濡れになった。
「あーあ………何やってんのほんとに………」
「...」びちょ…
まあ……でもここまで来たら、
「もう全身濡れるまで遊ぶしかないですね…!」
「ですね……、ほら真冬立って!」
全員びしょ濡れになるまで遊びました。
「純也!俺にも水を………、…ッあーー!」
「ほら水」
途中冷え切った視線で星奈先輩を水の上で蹴り飛ばしている西原先輩がいたけど、見なかったことにした。
ーーー
もうすぐ景色が朱色になってくる頃。
「あはは……っ、二階堂先輩容赦ない………、…………あれ?」
ふとポケットに手を入れた時、
(瞬先輩から貰った貝殻は………?)
どちらのポケットにも、貝殻が無い。
辺りを探したけどそれらしいものはなくて、
(え………嘘)
なんで、
(落とした………?嘘、やだ、そんなはずない)
せっかく瞬先輩がくれた、真冬とお揃いのもの。
嫌だ
「………ッどこ」
夢中で水を掛け合う先輩や真冬達から少し離れて、貝殻を探した。
水の中だから簡単に見つかるわけないって、分かってたのに、
だんだん水位が腰の上にまで上がってきて、それでも夢中で探していたからどんどん水位は上がっていって、
気が付けば胸のあたりまで水があった。
(………あ、)
これ以上は無理、方向転換して戻ろうとしたけど、
「……………あ"ッ!」
足がつった。
(嘘…どうしよう、どうすれば)
このままじゃ溺れる………
ずっと遠くに、先輩達がいた。
「た…たすけ、たすけて、…せんぱいッ」
苦しい………
(どうしよう、力が………)
体力が限界だった。
………意識が薄れていく。
……………………
ーーー
(西原side)
そろそろ日が暮れてきたのであがることにした。
「ふー!…って寒!!」
夏で暑いとはいえ、流石に上がった直後は寒い。
「りゅーきタオル………」
「俺はタオルじゃないぞ。……ほら」
「星奈、タオルどうぞ」
「っ…う、うん……ありがと……」
そこで真冬が当たり前のように李世が貸してくれると、斜め後ろを向いた。
「……………李世……?」
俺が李世がいないことに気が付いたのは、その少し後。
「あ、ねー李世、さっき言ってた灯台………、………真冬?」
当たり前のように真冬の傍にいると思っていた李世の姿が無い。
その代わり海の方を見て青ざめている真冬と、俺と同じタイミングでそれに気付く星奈。
(………まさか)
次の瞬間、
「……………………ッりせ!!?」
取り乱し気味な声は真冬のものだった。
「まさか…海に」
「ッ…嘘、李世!!?」
どれだけ呼んでも返事は無い。
辺りはもう朱色に染っていて、もう時期暗くなってくる。
かなり取り乱している真冬が、李世を探そうと海の中に入ろうとした。
「真冬…!無理です、真冬じゃ危な「…ッはなして、おねがい"はなして」」
こんな真冬を海に入れられるはずがない。
瞬が止めて、龍輝がすぐに李世を探しに海に入った。
「俺も探してくる………2人とも、真冬をお願い!」
「分かりました………気を付けてください」
暴れる真冬は瞬だけじゃ抑えきれなくて、2人がかりで必死で落ち着かせた。
ーーー
(李世side)
誰かに体を掴まれた。
冷たくない、温かいもの。
けど何故か、目が開かない。体が動かない。
(どうしたんだろう………ボク)
目が開かないのに、「李世」って何回も呼ばれた気がして、
「…………ぁ………」
その声でようやく、目が開いた。
頭がぼーっとして………何が何だかわからない、けど、
(真冬が………苦しそう)
近くにいて当たり前の存在。
今近くにいるのも当たり前だと思っていた。
(なんで……そんな、)
そんなに苦しそうなんだろう。
分からないけど、
汗だくになってボクの横で息を荒らげる西原先輩
少し離れたところから不安そうにボクを見る瞬先輩と星奈先輩
髪まで濡らして少しだけ荒い息を整えている二階堂先輩
段々理解できるようになった。
「………ぼく、……おぼれてました?」
力無く笑った。
皆意識が戻ったボクを見て、一瞬だけ表情が安心していた。
けどそれも一瞬、
「まふゆ……?」
「ッは……は、…っ、ふ…、ひ、ひぅ」
真冬が過呼吸を起こしていた。
「真冬…どうしたの……?どう…して、苦しいの……?」
「ーーッぁ"……、…ぉ"……あ、ぃ"、………ぃで」
真冬は何か言っているようだったけど聞き取れない。
(お願い、置いていかないで)
けどなんとなくそう言っているような気がして、
泣いていたから、安心させようと思った。
「真冬…なんで泣いてるの…?ぼくは、」
体力を全て使って笑った。
………けど、
「ッ…なんで真冬が泣いてるか分からないんですか…!?」
そう怒鳴ったのは瞬先輩だった。
「ぇ"………?」
この人が怒鳴るなんて、
一方真冬は……まあ、泣いているのはおまけで、過呼吸の方が酷かったけど。
星奈先輩が背中をさすっていて、ようやく真冬が落ち着き始めた。
「…あのさ、怒ってる訳では無いんだけど………あんまり、こういう時に笑わない方がいいと思うよ?」
落ち着いた口調の西原先輩に注意されて、ようやく意識がはっきりしてきたので体を起こした。
「……ごめんなさい」
瞬先輩が怒鳴ったのはそういう事だったのかと思って、真冬を見る。
「………ごめんね、真冬。」
ーーー
その後、
「気付かなくてごめんね、俺先輩なのに……」
「いえ…ボクが悪かったので」
皆から大袈裟すぎるほど謝られた。
「ていうか……なんで溺れてたの?」
「あ…えっと、瞬先輩にもらった貝殻を落としてて」
「……え」
瞬先輩の方を見て訳を話す。
「ていうわけで………すみません……」
「っ…あ、…そ、それ僕が悪いじゃないですか…!!」
それは無い。
「なんとお詫びすれば………」
「いいですよー…そんなの……」
「でも、と…友達なんですから…!ちゃんとしないと………」
………!
さっき友達って言ったからかな………、………なんか、
(ぐうかわいい………)
心臓がきゅっとしました。
ーーー
翌日。
今日は西原先輩の家で皆でゲームをしてる。
「お父さん本当に夜まで居ないんですか?」
「うん、あ、りゅーきジュース持ってきてー」
パシリに使われた二階堂先輩は不服そうに冷蔵庫から出したペットボトルを後ろから西原先輩の頬に当てた。
「ッ…冷たい!!」
「はは………」
滅多に見ない二階堂先輩の爽やかな笑み。
(二階堂先輩も西原先輩に負けないSだよなぁ………)
なんて考えていたら真冬がゲーム機片手にボクに寄りかかってきた。
「どーしたの?」
「………負けた」
「あ……ほんとだ」
ていうか真冬………この前の海に行った日からやけに甘えてくるような。
「…だいじょーぶだよ真冬ー、ボクは真冬のこと置いてかないし死ぬ時は一緒に連れてくから」
「……は?何?」
あ、ツンモードだった。
……と、その時。
家のチャイムが鳴った。
「あ……瞬先輩達ですね、ボク出てきます!」
ーーー
「こんにちは……李世!」
「こんにちはー」
私服姿の瞬先輩と星奈先輩。
「瞬先輩の私服初めて見ます………」
プライベートで生徒会で集まるのは初めてだし、星奈先輩はこの前二階堂先輩が犬を拾った時に見たけど………
「そうですね、土日は習い事をしていて出かける機会もないですし………」
習い事か………
「なんの習い事ですか?」
「茶道です!」
和風尊いやつだ。
「なので土日はほとんど和服なんです、制服みたいなもので………」
……え、見たい超見たい
腐男子にその情報はきつかった。
ーーー
冷房の効いたリビングに入ると、先輩2人が揃って表情を緩ませた。
「涼しい……」
「ですね……」
まあ……外30度越えだしな………
「瞬、何飲みたい?りゅーきが持ってきてくれるって」
「ちょっと待って俺の存在忘れないで純也」
明らかに西原先輩は瞬先輩しか見てない。
「えっと……じゃあヘプシがいいです!」
「炭酸好きなんだね………りゅーき持ってきて」
西原先輩の二階堂先輩への扱いがひどい………
「先輩、お父さんは何時に帰ってくるんですか?」
「んーと、8時くらいかな」
じゃあそれまでに帰らないと………
西原先輩のお父さんは厳しい人なので遊んでるとかなり怒られます。
今使ってるゲーム機だって、真冬の家から持ってきたものだし。
「……さて、じゃあ皆揃ったしやろっか…!夏休みの計画!」
今日のメインはこれです。
西原先輩がカレンダーを大きくプリントした紙を出した。
「この赤いバツの日は父さんがいるから俺の都合が悪い日ね、あと他に都合悪いとこあればこれでバツつけて」
皆で集まれる日じゃないと駄目らしい。
「じゃあ僕は土日は難しいかもしれないです……すみません」
「俺この日はあいりちゃんとデートだから無理ー、あとこの日はひなちゃんとデートだから「お前はいいよ誘わないし」ひどい」
「俺はこの日は母さんの介護があるから難しい」
「二階堂先輩お母さんの介護してるんですか?」
「ああ、父さんがいない時だけだが……」
………なんか、
(プライベートで集まることによって……先輩達の知らなかったことが沢山知れてしまう………)
なかなかそれも面白いけど。
「……」キュッキュッ
「真冬、その日なんかあった?」
「……」コク
………なんだろう………
一応真冬の予定は知り尽くしてるはずなんだけど。
「あ、ボクは特に無いです!」
そうやってバツがつかなかった日は、5日間くらいだった。
「思ったより少ないなー……あ、でも夏祭りの日は空いてる!」
……!
「良かった良かった……じゃあこの日は夏祭り、っと」
ようやく予定が1つ出来た。
「あとなんだろう………」
「何かあった時に取っておきましょうか、予備日ってことで!」
予備日になった。
意外にあっさりと終わって、することがなくなってしまう。
「じゃあ……またゲームしよっか」
ーーー
ゲームをして…飽きて、それぞれ好きなことをし始めて、
宿題をする瞬先輩と西原先輩。
女の子に連絡し始める星奈先輩と、散らかったゲームやらお菓子やらを片付ける二階堂先輩。
ボクも適当にスマホをいじって、真冬は本を読んでいる途中で眠ってしまっていた。
夕方までゆっくりと時間が過ぎていく………と、思ったけど、
「……ん?なんか、車の音が」
「え…?」
車の音がした。
(おかしいな………優馬の家に車は無いし、この近くの家にこの時間に帰ってくる人は………)
………嫌な予感がする。
「父さん……帰ってきたかな」
「え」
その場にいる全員(寝ている真冬以外)が青ざめた。
「や…やばい!!急いで片付け!っていうか隠れないと!!」
ゲームにお菓子………そしてボク達。
父親が帰ってくるとまずいことしかない。
とりあえずゲーム達は二階堂先輩が片付けてくれていたお陰でその心配はなかったけど、
「えっと……台所の勝手口から………」
「待って瞬!その勝手口、駐車場から見える場所にあるからそれはまずい………」
外には逃げられない。
「とりあえず俺の部屋……2階に行って?場所はりゅーきが知ってるから」
リビングの階段から2階に行って、二階堂先輩が奥の部屋に連れていってくれた。
久しぶりに入る西原先輩の部屋。
広いのにベッドと勉強机、勉強の本が入った本棚だけ。
「とりあえずここに隠れてるしかないねー、純也のお父さん怒ると怖いし」
なかなか起きなくて背負って連れてきた真冬をベッドの上に寝かせて、ボクも隅の方に座った。
………下の玄関の扉が開く音がして、帰ってきたんだと理解する。
暇だったので本棚の本を見ていた。
「なんですか?これ」
「北海道大学の過去問だな」
「へぇー……」
受かったら北海道に行くんだ………
「受験頑張ってくださいね!」
「ああ、伝えておく」
二階堂先輩との話に夢中になっていたら、
「……」パチ…
真冬が起きていたことに気付かなかった。
「……」キョロキョロ
また女の子に連絡し始めた星奈先輩もそれをじっと見ている瞬先輩もそれには気付かず、
(本が無い)
状況を飲み込めていない真冬は、さっきまで読んでいた本を探していた。
まあその本はさっき急いでいたからリビングに置きっぱなし。
「………」
本が無い真冬は目に光が無くなる。
「……」バタン
「…え?」
部屋の扉が閉まってようやく気付いた。
真冬がいない………
「ッ………あぁぁッ!!やばい!」
やらかした……!!!
急いで追いかけて、なんとか真冬は廊下をふらふら歩いているところだった。
(危なかった……)
なんとか静かな声で呼び止める。
「……李世」
「うん?」
「………本」
「あ…えと」
真冬、本が無いと機嫌悪くなるんだよね………
「ごめん……ちょっと待っ、…ッいったぁぁ!!!」
爪で引っかかれた………
「ッ……猫かお前は!!」
「シャ--ッ」
あ駄目だ威嚇してる………
「フ-ッ…」
「ああもう………」
騒ぎになっても困るし………とりあえず、
「ちょっとごめん…ねっ」
「ッ……!」
鳩尾に一発くらわした。
まあ引っかかれたし………これでお互い様だろう。
「李世……大丈夫か?」
「あ、はい大丈夫ですっ!」ニコ
ーーー
(西原side)
「お前…勉強はしてるのか?夏休み明けに考査が……」
「してますよ……ちょっと休憩してただけですー」
ちょっとやそっと手抜いても1位取ることに変わりはないしねー☆
「そうか……、…ん?なんだこれ」
父親の足元に1冊の本があった。
「……あ」
カバーはしてあったけどまずいやつなことに気付いた。
「……父さん、それは」
「………」ペラ
あ、やばい。
「これは………お前の私物か?」
すごい過激なBL漫画。
「あ……あの、えと」
父親の目線が明らかに引いてる………
(でも……真冬のだって言ったらバレるし)
もうやけくそだった。
「そうです俺のですッッッ!!!」
クソがーーーーー……☆
ーーー
どうやら忘れ物を取りに来たらしい。
「じゃ…じゃあ、行ってくる……」
「あ…はい………気を付けて……」
最後までドン引きした表情を崩さず、また父親との間に溝が出来た。
ーーー
おまけ…西原両親
「なあ……千沙」
「はい…?なんです?」
夜、夫婦でお酒を飲みながら話している時。
「俺は……息子の事が分からなくなってきた」
「あらあら……」
父親は酔うと素直になるタイプです(母親は強い)
「どうすればいいんだ………もし…純也が、お…おと、男の恋人なんて連れてきたら………」
「なんでもいいじゃありませんか、本人の自由で。」オホホ…
そのフラグがいつか回収されることになるとは、あの頃の父親は全く思っていませんでした。
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