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プロローグ
しおりを挟む「澪おはよーっ!今日も可愛いね結婚しない?!」
「は…?やだ」
今日も友達が求婚してくる。
「えー…なんで?」
「…そもそも僕達未成年だし、
…………ていうか『男同士』じゃん…!!」
男子高校2年生。
そんな僕達が結婚なんて出来るわけない…………
「…愛に歳も性別も関係無いだろ?」キョトン
「…………」イラッ
ーーー
「おはよ!澪、優馬!!今日もいいBL日和だな!」
鳳未来斗、腐男子。
「未来斗おはよー」
「おはよ……未来斗。」
「おはよーーっ!!……あ、そうだ!澪!これあげる…!」
そう言って未来斗は、鞄から僕の大好物のメロンパンを取り出した。
「…!それ、数量限定のコンポタ味メロンパン……!!」
「あはは、朝買ってきたんだけどもう食べられないから………澪にやる!」
…………神様だ。
「ありがとう……好き。」
「な"…ッ!?お、俺だって餌付けくらい………」
「何張り合ってんのウケる」アハハ
ーーー
「おはよ……」
「…!!おはよ~~っ…!!海斗!」ぱぁぁ
少し眠そうな海斗、彼を見た瞬間未来斗が犬のように嬉しそうに駆け寄って行った。
(ほんと……仲良いな)
「…ん、あぁ……おはよう、未来斗」
海斗はまだちょっと眠そう。
目を擦って寝ぼけ気味な海斗を見て、未来斗が明るく微笑んだ。
「あはは…っ!海斗は今日も天使みたいに可愛いな!」
...
「……………、………はぁぁ!!?/////」
それでが覚めたのか、顔が真っ赤になっていた。
「……澪、今日も天使みたいにかw「うざいきもいしね」」
ーーー
1時間目、体育。
「皆おはよ~」
桜木郁人。1人だけクラスが違うけど体育の時は合同だから一緒。
ちなみに僕と未来斗と幼なじみ。
「澪は今日も相変わらず可愛い…!ジャージ似合ってる!」
優馬も郁人もなんで僕にばっか「可愛い」って言ってくるのかな………
「小さくて柔らかくて可愛いから!!」
「心の声読むな!!」
………可愛いって言われるの、嫌いなんだけどな。
「澪可愛い……ほんと可愛い………可愛すぎて、
………部屋に閉じこめて2人だけでずっと、ずっとずっと死ぬまで一緒に………ふふ、」
「きもいんだよう○こ!!!」
小学生か。
「優馬くんきったなーい、てか幼稚すぎ」
「黙れおたんこなす」
「うるさい童貞」
明らかに小学生の喧嘩と同じレベルだった。
ーーー
「海斗ーっ!パースッ!」
「任せろ……!……うあ"っ」
珍しくイキった海斗の頭上にバレーボール(固め)が落下した。
「ごめん海斗ー、保健室行く?」
「い、行かなくていいから少しここで休ませて欲しい………」
「郁人ー、ほらパス」
「っ!…あ、……っと、………い"だッ!!」
ぼーっとしていた郁人に向けて、いきなり優馬のスパイクが飛んでくる。
「~~~っ…!!足にぶつかったんだけど!!」
「よそ見してるからだよば~~~か!!」
人間の底辺なクズだ………
「優馬………」
「はーっはっはっはっは!!ばーかばーかばーかばー」
「……最低」
「う"ッ」
ショック死した。
ーーー
それからしばらくしてお昼休み。
お気に入りの2年生エリアの前のベランダ。
柵に寄りかかってうとうとしていたら、
「おはよーございますっ、先輩…!」
「……わっ」
耳元でいきなり大きな声がした。
「目、覚めました?こんなところで寝てたら危ないですよ……?」
「り……李世さん………」
1つ下の後輩、高山李世。
「ここで寝てたら柵を乗り越えて中庭に落ちちゃいますよ?……って、ああ!
そもそも乗り越えられるほど身長高くなかったですね!ごめんなさいっ」
うわぁ○したい。
「李世さん僕より小さいじゃん……」
「たった1センチ差ですしボクは1年生ですから!」
こいつだけには抜かされたくない………!!
……………あ、
「李世さんがいる、ってことは………」
次の瞬間、李世さんの後ろから小さいものがひょこっと飛び出した。
「………」じ…
李世さんの友人の………雪島真冬さん。
こっちの子は滅多に喋らなくて、伝えたいことの通訳は毎回李世さんがしている。
「……」ごにょごにょ
「うんうんなになに……?ああ、
『後ろから見たら物思いにふけてる人みたいで面白かった』だそうです!」
...
「……そんなつもりは……「あ、あと『友達いない人に見える』だそうです!」」
...
「友達くらい…いる…「あ、あと『恋人に振られて自殺しようとしている人』だそうで……」流石に言い過ぎだよ…!!」
メンタルがお亡くなりになりました。
「あっ、いたー!澪!…とりせまふ!!」
李世と真冬でりせまふ。
「う…え"、みくと"ー………」
「わ、ミ○ドみたいに名前呼ぶなよ………、…って、なんで泣いてんの…?」
李世さん真冬さんがビクッとした。
「………お前らの仕業?」
「…ち、違います!!これは……その「はぁ…もう、澪のメンタルは豆腐なんだから優しくしろ!!」」
メンタル豆腐………
「ひぇっ…、は…はーい……すみません」
「お前らは俺の大事な後輩だけど……けど……!澪は少しからかっただけで3時間泣き続けるくらいメンタルが「未来斗」はい」
ーーー
そのまま話していたら見知った人がこっちに来た。
「……あ、西原先輩!」
李世さんが一番早く反応する。
「皆お揃いで何話してんのー?」
西原純也、3年生…生徒会長。
未来斗の従兄弟。
「特に意味の無い日常会話です!未来斗先輩ってばひどいんですよー
澪先輩のことちょーっとからかったら怒るんですから……」
李世さんがわざとらしく未来斗の肩に体重を乗せるように手を置いた。
「…先輩?」
何も言わない未来斗。
「……」
何故か西原先輩に冷たい視線を向けてる。
(未来斗は先輩のこと嫌いなんだよね……)
ちょっと昔色々あって嫌ってる。
何も言わない未来斗に李世さんは少し混乱してて、西原先輩は苦笑いしてる。
「悲しいなぁ……可愛い従兄弟にこんなに嫌われてるなんて………、あの時のことは謝ったじゃん
俺のどこが嫌いなの?」
「……その全部作ったような猫かぶりな性格」
...
「えーひっどーーい!!」ゲラゲラゲラ
西原先輩は大分猫かぶりが得意な本性ドクズ………らしい。
「……やっと見つけた、」
「あ、りゅーき!」
先輩の友達が来た。
「お前はまたやる事やらないでこんな所で油売って………副会長が困ってたぞ」
「だって仕事多いんだもん………、って、あ"、ちょ、腰持ち上げないで」
もう1人の先輩によって西原先輩は無理矢理連れてかれた。
「……あ、チャイム鳴りますね。真冬、帰ろっか」
「……」コク
「俺達も帰ろー!」ニパッ
「あ…うん」
ーーー
夕方。
一応美術部に入ってるけど、たまにしか行ってない。
「ただいま……」
両親は既に他界していて、今は妹と2人暮らし。
「あ……そっか、今日遅くなるんだっけ」
ていうことは1人か………
「……」ソワソワ
昨日のあまりのカレーを食べて、色々済ませた。
(寂しい………)
1人が苦手で、ソファに寝転んでクッションをつまんだりしていたけど、落ち着かない。
その時だった。
「……!」
携帯が鳴って、優馬から電話が来た。
………出ると、
『ねぇ、次の土曜日どこか行かない?あと澪だけなんだけど………』
遊びの誘いだった。
「うん、その日は大丈夫」
『了解!』
……………それだけ、か
(……)
そわそわする。
『……?………あ、
俺、今すっごい暇だから、澪が良ければもう少し話さない?』
………!
「っ……、しかた……ないなぁ………」
『やった!…あ、それでさー……』
あっという間に時間は過ぎていった。
「………澪……ただいま、って、」
(楽しそうに電話してるし、邪魔……しない方がいいですね。)
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