ゆうみお

あまみや。旧

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3章 二学期(1)。

112.絶対に…

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「ね、お友達になろ?」
「うん……」




小さな頃からそうだった。




「真冬くんって可愛いね!女の子みたい!」
「……違う」

 

友達になろうって、言ってくれた子は皆、最初だけだった。




「……」
「ねー健人君、ぼくと遊ぼー」




いつの間にか、僕はその人から空気だと思われるようになって、




「……あ………」
「行こ、健人君!」





最後には、僕の周りには………誰も残らない。





ーーー



(どうすれば………いいんだろ)



小学生の時には、毎日泣いた。



必死で、周りから人がいなくならないように考えていた。




………………でも、それは自分自身が変わらないといけない。





どうしてもそれが、出来なかった。







ーーー




中学生になって、



「ねえ、君なんて名前?」
「…………ぁ……、ぁの…………」




上手く、声が出なくなった。



無理に出そうとすると音量がバラバラになって、途切れ途切れ聞こえなくなる。


声を出しすぎると、喉が締まる。


そのせいで話したくても話せなくて、







友達どころが………僕を見てくれる人は、1人もいなくなった。





2年生の頃に唯一出来た友達も、




(この子だけは離しちゃ駄目、絶対に……嫌われたくない)




その想いがいきすぎて、





「真冬ってちょっとメンヘラっぽいよな」




 
なんて言われた時…………初めて気がついた。







1つの事に執着して、しすぎて………その1つに、拒絶されてしまう。







それで分かった。






(何にも執着しちゃ駄目だ、何も………執着するものを、作ったら駄目なんだ。)





    



友達依存する人を作るのは、やめよう。












ーーー





「ねー、何読んでるの?」



高校1年生の1日目。



久しぶりに…………声をかけられた。





「……!」
「BL?ボクも好きだよ!」





ーーー




依存してしまう前に、離さなきゃいけないと思った。



僕といたら絶対にストレスが溜まる、それなのに、






「ずっと一緒に居るからね」







そんな事を言われたら…………









「……っ」





駄目だ








(駄目だ、だめ、駄目駄目駄目駄目駄目………)




「あ、ボクさっき前の席の黒木君に呼ばれたから、ちょっといってくるね!」




それを聞いて、





「………………だ、





駄目……………………」







言ってしまった…………







(あ……嫌だ、やだ、嫌われる、嫌われたくない……嫌だ、嫌だ嫌だ)




執着してるってバレたくない。



嫌われたくない。






そう思ってしまう癖は昔から、変わらない。




変わりたくても変われない、自分自身が成長出来ない、コンプレックス。




そういうのが…………周りから見たら、気持ち悪かったんだと思う。








「……真冬?」

「ぁ…………」







けど、李世は違った。


嬉しそうに……笑った。








「何それ……、ボクそんなに好かれてるの?…ふは…っ、嬉しいなぁ……!」





そんな風に言ってくれる人、初めてだった。






(そんな事、言われたら………)









好きにならないわけ、ないのに。





ーーー




「あうっ!!」
「……死ね、糞豚。」




生意気な態度を取らないと、




感情が抑えきれなくなりそうで…………





ーーー




「そんな事があったんだ……、」



中学時代のことも話した。




友達が出来なかったこと、上手く喋れなくなった理由、せっかく出来た友達は皆いなくなったこと。



「…………李世は、似てた。中2の時に仲良くなった子に、少しだけ。」



その子はもう、いないけど。




たまにその子に当てはめてしまうことはあった。





「ボクはね、その子とは違うよ。

言葉だけじゃ軽く聞こえちゃうけど、真冬の事は裏切らない、それに………離れたりしないから」





にも、同じ事を言われた事がある。






けど…………結局、







「…………」

「……じゃあ離れたらボクのこと、閉じ込めてよ。」




閉じ込めて、一生そこから出さなくていいから。





「何したっていいから、壊しても、殺しても、いいよ」





どうして、そこまでして僕といてくれるのか、






「……李世、拒絶するなら今だよ…「なんでそこまで信用してくれないの?」…っ」




「ねえ真冬、ボクを真冬の今までの友達と一緒になんてしないで、怒るよ……?」


「…………でも………」




普段何をしてもあざとい李世に、本気で怒られた。






ーーー





(こんな…………ずっと無表情の気持ち悪い奴に、なんで……)





なんで…………そんなに、






「ボクと友達になって、それ以下は絶対嫌だ」





ほぼ…………無理矢理だけど、





友達になった。









ーーー




「真冬……笑えない、の?」

「……」コクン






ずっと友達がいなかったせいで、笑うことも泣くことも無くて、気が付いたら無表情だった。

どうして人間は笑うのか、みたいな哲学みたいなことを考える程には……


「こうやってねー、指でここ、あげてみて?」


李世が口角をあげて、作り笑いした。



「ボクはいつも笑顔で先輩方に挨拶してるからねっ!こうして…………



おっはよーございます…っ!真冬先輩!」ニコニコ-ッ






…………まあ、李世は少しうざいところもあるけど……………












ーーーーー


真冬の無表情について話したかったのに結局2人のいちゃいちゃになりましたテヘゲロッ
真冬はツンヤンヤンしてますッ







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