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2章 夏休み。
104.最後
しおりを挟む「………あっ!いた!」
花火が終わって人がいなくなって、僕達を見つけた莉音が駆け寄ってきた。
「……!莉音……!郁人も………」
莉音のところに向かおうと思った時、優馬に引きとめられた。
「あの……これに指輪通したらネックレスみたいになるから、ブレスレットにしてもいいから……」
「わ…わかった」
つけて欲しいってことか。
まあ………せっかく綺麗だし、つけないのは勿体ない…よね。
チェーンが入っていた紙袋と指輪の箱は丁寧にしまって、莉音の元へ向かった。
ーーー
文字数が少ないのでおまけです。
(西原side)
「りゅーきりゅーきっ!花火すごかったねー!」
「ああ、そうだな」
でもまあこいつ、隣でずっと食べてただけだけどな………
「……ところで、純也」
「はい?」
一足先に歩いていた足を止めて、振り向いて龍輝を見た。
「俺も愛してるよ、これでいいか?」
………
……………
………………
「はぁ!!?」
いきなり何……………!?
「お前言ってただろ、花火中に。『愛してるよ』って」
………!!!
確かに……………からかい半分で言ったけど、
「聞こえてたの!!?」
「お前の声なんだから当たり前だろ」
~~~ッ!!!
「ち、ちが……!!それは、聞こえない事にするもんでしょ?!馬鹿!!りゅーきの馬鹿!!おたんこなす!!!」
「……?俺の事、愛してないのか?」
...
「それ……天然?それとも狙って?」
「………」
……………………
「愛してるよこの鈍感野郎!!!」ド--ン
ーーー
(美優side)
「あ……花火です、始まりましたよ」
「わぁー!すごい綺麗!!」
「すごいです!花火です!!」
花火を前にはしゃぐ明日香さんとうたさん。
なんだか、癒される………
「すごいです!これが福島の花火なんですね!!」
「福島関係あるんですかね……」
「うたちゃんは確か大阪から来たんだよね、1人で?」
ちなみにこの3人で遊ぶことはよくあったから、明日香さんとうたさんも仲良くなった。
「はい!うたはお兄ちゃんが嫌いすぎて優馬の方のお兄ちゃんの家に来たんです!」
実の兄が………苦手。
それは初めて聞いたかもしれない。
「なるほど……1人で怖くなかったの?」
「あいつと顔合わせたくなさすぎて恐怖は全くありませんでした!ちなみに交通費はお年玉です!」
ーー
「そうなんだ……って、わぁ…!見て、あの花火……!なんか、明日香達の色みたいだねー!」
朱色、水色、赤紫。
「双葉ちゃんもおいで、ほら」
「………はい……!」
差し伸べてくれた明日香さんの手を取った。
ーーー
(春樹side)
「澪達……大丈夫かな」
「大丈夫だろ、俺の弟を信じろッ!」
……………心配だ。
「……あ、花火」
そんな事を考えていたら、花火が始まった。
「陸斗、花火始まったけど……いつまで食ってんだよ………」
陸斗って、少し澪に似てる……………
「日本の食事なんて向こうに帰ったら出来ないんだから………今のうちに食っとかなきゃだろ!」
「まあそうなんだけどさ………」
「春樹も食べろよ、ほら」
「……わ、ちょ…、……ん、…あ、美味しい……」
食べかけを無理矢理口に押さえつけられて、ほぼ無理矢理食べさせられはしたけど………案外美味しかった。
「これ、何?」
「チーズドッグ、ちゃんと噛み切れたんだな………噛みきれなかったらチーズがついて結構エr」
周りの女子(一部)から何故かすごく注目を浴びていた。
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