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2章 夏休み。
80.うちの子と澪
しおりを挟む「……ん……、」
「優馬、起きてる?」
珍しい……
「僕も眠い……」
「澪も寝てていいよ…?これから体力使うし……」
いつの間にか、未来斗も海斗も寝てる。
「………郁人……は?」
「駅逃すと駄目だから………起きてられるよ」
………
「でも郁人……寝てないんでしょ?」
「うん……でも、大丈夫だから。」
郁人は何故かいつもあんまり寝てないらしいけど、体も弱いのに………十分に寝てないと、心配になる。
「………」
でも、僕も寝たいし………
(こういう時使える優馬も今は寝てる…………)
……………
……仕方ない
(普通に寝ててって言っても聞いてくれなそうだし……)
「郁人……これ飲んで」
「ん?ありがと……」
まだ飲んでないホットココアの中に、たまたま持ってた睡眠薬をいれた。
「……なんか、眠く…………」
「おやすみ~」
よし…………
(僕が、ちゃんと起きて皆のこと守らなきゃ……!)
いつもいつも守られる側だけど…………出来る、よね……!多分!
ーーー
「……」
ガタン、ゴトン
(特に…………すること、無いな)
でも、段々人が増えてきた。
まだ立ってる人とかはいなかったけど…………
「……」
することがなさすぎたから、郁人の髪で遊んでた。
ーーー
「あ……あの、前……いいですか…………?」
……!
「は…は、…はい…………!」
びっくりした………
振り向くとそこにいたのは、
(えっと……)
思っていたことは、話しかけてきた子も同じだったようで…………
「「じょ……女子……?」」
ーーー
とりあえず向かいの優馬の隣に座らせた。
「す……すみません、後ろ姿が男子に見えたから……女子で驚いてしまって……って、すみません…!失礼ですよね……!」
「いえ……ていうか僕男子なので別に………」
「なずな」と名乗る子は、触覚が長くてショートカットの……
「………あ、僕も男です……!」
男らしい。
(こんな可愛い子が男なんて………この世界どうなってんだろ)
思えば、未来斗も李世さんも真冬さんも………結構、可愛い男の子が多いような……………
(世界の男子の人口の6割は可愛い男の子なのかな。)
作者の性癖ワールド。
「あ……僕、一応次の次の駅で降りる予定で……短い時間ですけど、よ、よろしくお願いしま……しゅ」
すごい静かに噛んだ………
「う……うん」
けど、あいにく僕も人見知り。
会話が……………難しい。
「え……えっと、なずなさんは、いくつですか?」
とりあえず思いついた質問をしてみた。
前にあまり話したことない知らない人がいて、楽しい会話が出来るほど僕も喋り上手じゃない。
「え、えと、ええと………こ…?……高2です!!」
なんでそこ詰まるんだろ。
「ってことは………1つ下か……」
「あ……はい!あなたは、1年生なんですね……!」
……………
「3年生だよ」
「うわぁぁぁごめんなさいほんとごめんなさいあぼぁぁぁあ」
(1年と3年の見た目くらい見てわかるでしょ、普通)わかりません
「……あ、僕は澪、さんずいに雨って書いて令和の令みたいなやつの澪」
なずなさんは分からないのかぽかんとしていた。
「さんずいに………れーわの、れー………」
「あ……うん、無理に理解しなくて大丈夫だよ」
頭……………悪いんだな。
「み……澪さんは、これからどこに行くんですか?」
「えっと……こ、コミケです」
「い、いいですね……!」
ぎこちない会話が続いた。
「……ところで…………皆寝てますけど、」
「朝早く起きたから皆眠いみたいで…………僕も眠かったけど、なずなさんが話しかけてくれて目が覚めました」
「えっ!!?ぼ、僕のせいで貴重な睡眠時間を…………ほ、本当に、申し訳ございましぇ「うんもう大丈夫…」」
被害妄想激しすぎだろ…………
「その…今から隣町の本屋で漫画を買おうと思ってて…………」
しばらくの沈黙の間、なずなさんが話題を作りたいのかそう話してきた。
「へぇ……なんの本?」
「でていけペン太郎の漫画です!最近ペン太郎の弟のペン吉が主役のSwitchゲームも発売されてて……!」
……?
「な、なんか……急にかたり始めたね」
「っ……!す……すみません……!!」
………
「ぺ…ペン吉は友達も好きで、」
失礼だけど、この子にも友達いるんだ………
「シロって言うんです!もし見かけたら………」
「いや名前だけ言われてもわかんないよ……!!」
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