ゆうみお

あまみや。旧

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2章 夏休み。

76.伝わって欲しい。

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(未来斗side)



電気を消して、布団についた。




「海斗……もう寝てる?」




寝る前に漫画を読んでいたからか、先に布団で横になっていた海斗は寝ている。……そう思ったけど、

 



「………起きてるよ」



少しだけ、浅く眠っていたのか…少しして返事が返ってきた。



「電気ついてると寝れないから……」
「そっか、ごめん………」





暗くて顔が見えないけど、沈黙の後、しばらくして………





「その……未来斗の両親、優しいんだな。」



そんな言葉が、聞こえてきた。




「……うん、俺…恵まれてたと思う。」
 


「……………いいなぁ」








海斗……







「………なぁ……俺、どうすればいいかな……」






弱々しいその質問に、思わず苦しくなってしまう。 
 


「跡継ぎとか、同性同士とか、もう……苦しい」






普段悩みなんて言わない、「完璧な人」な海斗が、こんなに弱ってしまう程に追い詰められている。




直接言葉に出さなくても、分かってしまう。 






……………俺には、どうすることも出来ない。




けど、それでも……少しでも、







ほんの少しだけでも、伝えられたら。








「海斗……今、体起こせる?」
「……?うん………」






今の俺には、これしか思い付かないけど、







「………、……っ…!!み、未来斗…………?!!」







強く、抱きしめてあげることしか出来ない。






いつも明るさだけで誤魔化してる不器用な俺が………綺麗に言葉でまとめようとしても、きっと失敗してまた傷付けてしまうから。





綺麗事じゃなくていいから、この人を救いたい。







 「辛い時は…泣けばいいと思う、苦しい時は俺に頼って欲しい……、我慢しないで、自分の気持ち、吐き出した方が……楽だから」






上手く言えないけど………伝わって欲しい。







「俺の前ではどんな海斗でも受け止められるから、友達でも……それ以外でも、俺が…海斗のこと、支える。」







どうか、伝わってくれますように。
 









………………   




……………………




…………………………









「…………う"………」






どれくらい時間が経ったのか分からないけど………しばらくして、小さな嗚咽が聞こえた。




抱きしめた彼の小さく肩が震えていて、段々嗚咽もはっきりと聞こえてくるようになった。





「ぅ"……、あ"…っ、ひ……く、……………う"ぇ…………」







出来るだけ声を殺して…………




「我慢しなくていいよ」と囁いて頭を撫でてあげると、苦しそうな嗚咽から……段々小さな子供のような無邪気な声に変わってきた。






「っ……お"…おれ、……つ……ぁく"て、……う"ぇ、………ッく…」

「分かった……無理して話さなくていいから」






海斗が今まで辛かったのも、苦しかったのも……全部分かってる。





父親からのプレッシャーに、世間からの偏見に。



ずっとそばにいたから…………分からない…はずがない。 
















「ッ…う"……あ"、ぁあ"ぁぁ"あぁぁ………!!」
























ーーーーー







「…………ごめ……ん…………変なとこ見せちゃって」
「ううん…!頼ってくれて嬉しかった!」




あれから数時間して…………ようやく落ち着いた頃には、目も慣れて……相手の顔がよく見えるようになっていた。




「海斗……目真っ赤」
「う…うるさいなー……!いいだろ……別に」



海斗は1回あざとく睨んできて、それからふにゃっと笑った。





「……!」




今の………………





「……?何?」
「海斗って……笑うと子供みたいで可愛い」 




素直に思っていることが口に出た。




「っ……はぁぁ!!?褒められてる気がしないんだけど!」
「ちょ、海斗……静かに……隣で明日香達寝てるから………」
「あ、ごめ……」



…………





「ところで………明日香さん、どうしてあんなこと聞いたんだろ?」

さっきの、夕飯の時の事かな。

 

「明日香、美優さんのこと好きだからなー、俺はいいように使われた」



『私と未来斗』……俺は、兄弟ってことでいいように扱われたんだと思う。





「そっか……てっきり…………、……いや……なんでもない。」
「んー?……まあ、あの2人もなんだかんだで仲良いし!大丈夫だろ!」







ーーー

(明日香side)


 

「ねー双葉ちゃん、ぎゅーっとしてもよろしいでしょうか?!」
「何言ってんですか」



……あらま。





まあ…………無理矢理にでもしちゃうけどねっ☆





「……っひゃ…!……って、何するんですか!!」
「双葉ちゃんかーわいい…!もふもふ~」





まだまだ明日香の気持ちは伝わりそうにないけど…………きっと、いつか伝えてみせる……から。











ーーーーー
 
おまけ
メインキャラの両親の同性愛への考えまとめ

(澪,美優)
母→全然いいと思う!
父→元同性愛者だから悪いとは思わない

(優馬)
母→私には関係ない
父→……

(未来斗)
母→幸せならOKです!
父→何処の馬の骨か分かるならいいぞ☆

(海斗)
母→少し偏見はあるけど子供の為なら
父→絶対認めない、俺の子じゃない(ラスボス)

(郁人)
母→別に全然構わないよ
父→……ほんの少し、嫌だな





今のところのCPの関係性まとめ

(優馬×澪)すれ違いカプ
優馬…演技じゃなくて本気で好き
澪…ようやく少しずつ気付き始めた

(未来斗×海斗)もどかしいカプ
未来斗…やっと頼ってくれて嬉しい
海斗…友達から抜け出せない、なかなか言えない

(莉音×郁人)片思いカプ
莉音…桜木にはどんな未来でも幸せになって欲しい
郁人…まだ少し澪が好き、莉音は友達

(李世×真冬)友達カプ
李世…ボク達はただの友達だから
真冬…大好きだけど素直になれない

(明日香×美優)一途カプ
明日香…気持ち伝われ!!!
美優…馴れ馴れしい人……でもいい子






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こんな長ったらしい話を読んで下さり本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!\( °∀° )/イェイ




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