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2章 夏休み。
59.李世と真冬
しおりを挟む「…………おまたせ……って、あれ…………」
適当におにぎりを作ってもっていってあげると、澪は机の上に頭を伏せて眠っていた。
時刻は既に11時40分。
「そっか、薬なしでも寝られるようになったんだ。」
それなら良かった………
(日中、外に出してあげておいて良かった………あれ、澪の為だったんだけど気付いてない…よね?)
とりあえず、おにぎりは1人でもしゃもしゃたべました。
ーーーーー
(李世side)
「んー……」
暇だ。
(母さん達仕事だし、家にいてもすることない……でも外に出たら補導される)
12時になる少し前、あまりにもすることがなかったボクは、真冬にLimeを送った。
李世:まふゆー!
すると……思ったより早く既読がついた。
真冬:?
李世:暇だから遊び行ってもいいー?
勿論冗談………
じょう、だん…………
真冬:別にいいけど
まじか
李世:了解!!すぐ行く!!!
驚いたけど、嬉しかったのでスタンプを送ってすぐに家を出た。
ーーー
「おまたせー!お邪魔してよかったの……?」
すぐに真冬の家に向かうと、家の前で真冬が待っていてくれた。
「……」コク
どうやら……今日は親が出掛けてて1人らしい。
「でもこんな遅くに外に出てたら危ないよ?なんでいいって言ってくれたの?」
「1人…寂しかったから……」
ちょっときゅんとした。
「……」トテトテ
真冬は家の中に入って、手招きをした。
「おじゃましまーす」
入っていいってこと、真冬は言葉を話さない分ジェスチャーが分かりやすい。
ーーー
「泊まっていい?どうせ明日も休みだし……」
「……」コク
真冬が台所で紅茶をいれてくれた。
ーーードサドサドサ。
「ちょ……真冬…!真冬、砂糖いれすぎだから!!」
「……」
角砂糖を5個くらいいれられた………
(ボク……甘いの苦手なんだけど………)
真冬が隣に座って、自分用にくんだカフェラテを飲み始めた。
「…………それで…………なんの用」
用なんて特になかったけど………
(少しからかってやるか……)
「そんなのないよ、ただ真冬と一緒にいたかっただけ」
「…………馬鹿じゃないの」
真冬って素直になれないのか知らないけどいつも暴言ばっか言ってくるよね。
「馬鹿じゃないよー、大好きだよ?真冬」
“友達”としてね?
「………………それ以上からかうなら燃やす」
「もやさないでよー、ひっどいなーー!」
流石にからかってると理解していたらしい。
ソファの上に体育座りになって、ジト目で前を見ていた。
(怒ってるな……)
「真冬ー、ごめんって」
「…………うるさい」
…………む……
「ひっどいなー…流石のボクも拗ねちゃうよ?」
そう言ってボクも拗ねてますと言うようにあざとく片頬を膨らませた。
「…………知らない、糞豚」
本当なら怒ってもいいんだろうけど……真冬こう見えてメンタルガラスみたいにもろいし………
泣かれると困るのはこっちなんだよね………
(扱い、大変なんだよな……)
「はいはい、どーせボクは糞豚ですよー」
わざとらしく、あざとく拗ねる。
これが一番だ………
「……李世……?」
「………」
真冬はボクが怒っていることに気が付いたのか、少し不安そうな顔をしてこちらを見てきた。
「…………ご…めん……」
……!
珍しい……真冬が謝ってくれるなんて。
(いつもはこういう時でも無視を決め込むのに………)
なんか……ボクが馬鹿みたいじゃん。
「……な、なーんて!なんかテレビでも見ようよ!」
気まずくなって、ついテレビをつけてしまった。
「…………」
『今人気のダイエット商品がこちら!』
(つまんな……)
「……今の時間、おもしろいの……やってないよ」
「まじか………」
つまらなかったので、テレビを消した。
「…………」
「…………」
無言……
(何か言った方いいかな………)
「…………り、せ。」
「んーー?」
ぼーっとしていると、真冬が何やら袖をくいっとつかんできた。
「なに?」
「……勉強、教えて」
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