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2章 夏休み。
58.追いつきたい
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(澪side)
「そっか……ゆっくりでいいんだ………」
「うんうん、……あ、兄さん達帰ってきた」
……………
「……ぷは、これ美味しいー!」
「ほんと?一口飲ませてよ」
………
「仕方ないなー、陸斗は甘えん坊だよね?」
「そ、そんな事ないし!」
……
「……?澪?海斗?なんでそんな死んだ目で見てくるの?」
「「いや……恥ずかしくないのかなって」」
よくこんな公衆の面前で………
「……?あー、そっか、日本の人って繊細だよねー!あっちでは皆こうだったから………」
そんな平気で人の前でいちゃいちゃ出来るんだ……
「……思春期の子達にはハードだった?」
周りがこちらをちらちら見てる。
「そういう問題かな……ていうか俺達青年期だし……」
「変わんない変わんなーい、2人とも中学生にしか見えないよっ…!」
……えっ、
「………ち、中学生……!僕中学生に見えるの?!」
「澪…!それ喜んでいい事じゃないから…!!」
海斗が隣にいるから少しだけ大人に見えたらしい。
ーーー
「じゃあ……そろそろ帰ろっか、俺達一旦顔合わせたかっただけだし」
そんな数時間に何度も顔合わせないと気が済まないのかこの人達………
「じゃあ、またな!澪!」
「うん…またね。」
(けど……いい事も知れたし、まあ良かったかな………)
ーーー
その夜……
未来斗:コミケ行く日!来来週の水曜日!!
優馬:了解ー金貯めとく
郁人:僕も貯めとく!楽しみにしてるね
海斗:『かいと 了解ビシッ』スタンプ
(………来来週か。)
ご飯を食べ終わってお風呂の順番待ちの間ベッドの上でスマホを見ていると、グループLimeの通知が鳴った。
澪:了解
澪:てかお金ってどうやって貯めるの?
気になってた。
みんな、バイトとかしてないのに………
未来斗:俺は親からの小遣いです!
海斗:父さんから貰えるよ
優馬:前借りする!
なるほど……海斗と未来斗は分かってたけど、前借りって手もあったか………
郁人:僕は内緒
えぇ……
「澪、次入っていいよ」
「あ、分かった。すぐ入るね。」
そう言ってスマホを机の上に置いて、着替えを持って部屋を出た。
(前借り……)
交通費くらいなら余裕で足りてる。
買い物はあんまりしないだろうし……いいと思うけど………
(念の為、ちょっとだけ………もらっとこ)
ーーー
数時間後……
(春樹side)
「澪ー、もう寝てる?」
「春樹兄さん…?起きてるけど……」
11時過ぎ、澪の部屋に入ると澪は机の上で何かしていた。
「何してるの?」
「何って…勉強だけど……」
……!
「え、偉い……」
「頭良い大学に通ってる兄さんが何言ってるの……」
こんな夜遅くまで勉強してるってことは、何かやりたい仕事で見つかったのかな……?
だとしたら、すごく嬉しい……!
「何かやりたいことでもあるの?」
「……と、特にはないんだけど………少しでも学力身につけておいた方が、やりたいことが見つかった時にいいでしょ?」
なるほど。
「僕……周りの友達より出来ることが少ないから、せめて少しでも追いつきたくて。」
たしかに澪は、運動もコミュ力も普通よりは劣っている。
生活に支障をきたす程ではないけど……昔からそれは心配だった。
「1人じゃ何も出来ないような大人にだけはないたくないからさ。」
「そっか、我が弟ながら偉い!」
1人~…の所にどこかよく分からない怒りを感じたけど、きっと気の所為だと思う。
「何か夜食作ってこようか?」
「うん……ありがと、兄さん。」
できることは、してあげないと。
「そっか……ゆっくりでいいんだ………」
「うんうん、……あ、兄さん達帰ってきた」
……………
「……ぷは、これ美味しいー!」
「ほんと?一口飲ませてよ」
………
「仕方ないなー、陸斗は甘えん坊だよね?」
「そ、そんな事ないし!」
……
「……?澪?海斗?なんでそんな死んだ目で見てくるの?」
「「いや……恥ずかしくないのかなって」」
よくこんな公衆の面前で………
「……?あー、そっか、日本の人って繊細だよねー!あっちでは皆こうだったから………」
そんな平気で人の前でいちゃいちゃ出来るんだ……
「……思春期の子達にはハードだった?」
周りがこちらをちらちら見てる。
「そういう問題かな……ていうか俺達青年期だし……」
「変わんない変わんなーい、2人とも中学生にしか見えないよっ…!」
……えっ、
「………ち、中学生……!僕中学生に見えるの?!」
「澪…!それ喜んでいい事じゃないから…!!」
海斗が隣にいるから少しだけ大人に見えたらしい。
ーーー
「じゃあ……そろそろ帰ろっか、俺達一旦顔合わせたかっただけだし」
そんな数時間に何度も顔合わせないと気が済まないのかこの人達………
「じゃあ、またな!澪!」
「うん…またね。」
(けど……いい事も知れたし、まあ良かったかな………)
ーーー
その夜……
未来斗:コミケ行く日!来来週の水曜日!!
優馬:了解ー金貯めとく
郁人:僕も貯めとく!楽しみにしてるね
海斗:『かいと 了解ビシッ』スタンプ
(………来来週か。)
ご飯を食べ終わってお風呂の順番待ちの間ベッドの上でスマホを見ていると、グループLimeの通知が鳴った。
澪:了解
澪:てかお金ってどうやって貯めるの?
気になってた。
みんな、バイトとかしてないのに………
未来斗:俺は親からの小遣いです!
海斗:父さんから貰えるよ
優馬:前借りする!
なるほど……海斗と未来斗は分かってたけど、前借りって手もあったか………
郁人:僕は内緒
えぇ……
「澪、次入っていいよ」
「あ、分かった。すぐ入るね。」
そう言ってスマホを机の上に置いて、着替えを持って部屋を出た。
(前借り……)
交通費くらいなら余裕で足りてる。
買い物はあんまりしないだろうし……いいと思うけど………
(念の為、ちょっとだけ………もらっとこ)
ーーー
数時間後……
(春樹side)
「澪ー、もう寝てる?」
「春樹兄さん…?起きてるけど……」
11時過ぎ、澪の部屋に入ると澪は机の上で何かしていた。
「何してるの?」
「何って…勉強だけど……」
……!
「え、偉い……」
「頭良い大学に通ってる兄さんが何言ってるの……」
こんな夜遅くまで勉強してるってことは、何かやりたい仕事で見つかったのかな……?
だとしたら、すごく嬉しい……!
「何かやりたいことでもあるの?」
「……と、特にはないんだけど………少しでも学力身につけておいた方が、やりたいことが見つかった時にいいでしょ?」
なるほど。
「僕……周りの友達より出来ることが少ないから、せめて少しでも追いつきたくて。」
たしかに澪は、運動もコミュ力も普通よりは劣っている。
生活に支障をきたす程ではないけど……昔からそれは心配だった。
「1人じゃ何も出来ないような大人にだけはないたくないからさ。」
「そっか、我が弟ながら偉い!」
1人~…の所にどこかよく分からない怒りを感じたけど、きっと気の所為だと思う。
「何か夜食作ってこようか?」
「うん……ありがと、兄さん。」
できることは、してあげないと。
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