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1章 一学期。
53.考えてること
しおりを挟む「はー、疲れた~」
「優馬何もしてないじゃん……」
「………」
体育が終わってきがえている間も、澪は何か考えているようにぼーっとしていた。
「……澪?」
「…何?」
いつも通りに見えるけど………
(何だろ、違和感……)
「………」
「澪、ボタンかけちがえてるよ?」
「えっ、あ…うん、ありがと……」
……様子、おかしいよな………
「………あれ…、あれ……」
「な、何やってるの……、」
何度やってもボタンがかけちがえてるから、郁人が直してあげると、
「………あ…ありがと………」
やっぱり、少し………
ーーー
「様子が、おかしい?」
「うん……」
澪にトイレに行くと言って郁人と抜けてきた。
「なんかぼーっとしてるっていうか………」
「ああ、確かに………いつもぼーっとしてるけど、今日のは筋金入りでぼーっとしてたね。」
………
「……聞いてみた方いいんじゃないっ?」
……!
後ろから、久々に聞くような声がした。
振り向くと……そこにいたのは、
「……あっ、莉音だ」
桃髪の……男。
「………えっ」
この前の女装男子……その面影はあるけど、髪は短いし、赤いフレームの眼鏡をかけている。
「り…莉音……?!」
「……え、」
莉音は初めは俺に気付いていなかったのか、俺と目が合って……
「っ…!ゆゆゆ優馬……さん…!!?」
かなり動揺していた。
「い……いると思わなかった……えと、その………」
郁人の後ろに隠れて、小さな声で話し始める。
………人見知り、なのかな。
「優馬、莉音は学校では普通に男子の格好してるから。それに少し人見知りにもなるけど……そこ理解しててくれると嬉しいかな。」
「そ、そっか、分かった。」
てか……
(うちの学校って人見知り多いなーー)
未来斗の後輩の真冬さんとか、あと澪も少し人見知りだし……、
「人見知り率高いな、ここ」
「そう、だね……?」
作者の趣味っ(・ω<)
ーーー
「えっと……、その、」
「てか、いつもの格好でここにいたとしたらなんか面白そうだな!」
女装してる時。
そう言うと……莉音は少しだけぱぁ、と明るくなった。
「………ふ、普段の格好が……女の子の格好してる時の方……そっか、…ふふ、そっかぁ………」
……?
まあ、幸せならいいか。
………………さて、
ーーー
『莉音に貸したもの返してもらいに行ってくるから、先行ってて。』
ってわけで郁人と莉音と別れて、教室に戻った。
「……おかえり」
「ただいま、澪。」
まだ少しぼーっとしてるけど………
「……熱でもある?」
「えっ?……な、ないと思う……けど」
じゃあ、どうしたんだろ………
(心配だな……)
…………澪は、じっとこちらを見つめていた。
「……?」
顔になにかついてるかな。
あ、俺がかっこいいから見とれてる……?
「……あ、あの、ゆう…「ただいまーっ、何話してるのー?」あ……」
郁人がもどってきた。
「澪は天使だって話。」
「そ、そんなこと話してないし………自分で自分の話なんてしないよ」
…………
(…………なんだろ、もやもやする)
澪は………何を考えてるんだろ。
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