ゆうみお

あまみや。旧

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1章 一学期。

52.距離感

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(優馬side)

「あーあ……何してんだろ……あの2人」

プールサイドに座りながらガチ切れしてる郁人と、その下で土下座する未来斗と海斗。

澪とデッキブラシで床を磨きながらその様子を見ていた。



「………澪?」
「優馬、見てこれ。」


……?
なんだろ………


「え……」


何故か澪が持っていたのは………




「だ、誰からもらったの……?それ」
「先生…!」



高圧洗浄機。



何故かそれを持つ澪はドヤ顔だった。


「使っていいのかな……」
「いいって言ってたよ」


………っ



「お、俺に向けないで!!」
「…?」


そんなもんかけられたりしたら……死ぬ



「あ」ブシャァァァ
「ぉうぐッッッ!!!!」



話聞いてーーーー☆





「…!あははっ!優馬もびしょ濡れだーー!」

未来斗が気付いて、楽しそうに笑っている。
俺は死にそう☆


「ちょ、腹、痛い……っ、澪!!」
「ごめんごめん………」


っ…これは……



「澪にも同じ目にあってもらわないとな!!」
「え"っ」




まあ流石に高圧洗浄機は1ミクロンくらいの俺の良心が駄目だと言うから………



「っわっ……!」


とりあえず…押し倒した。

そして、いつもの………


「うっ…ひゃ、は、あはははは……っ!ちょ、やめ……」


水が少しだけ足元を流れていたから、押し倒されたことによって澪もびしょ濡れ。

結局……皆濡れたな。


いつもみたいにくすぐりまくっていると………



「おいお前ら……」

「あ…」



先生と……目が合いました。





ーーー


「ちぇー、もうちょっと澪のこといじめたかったのにーー」
「優馬って考えること最低だよね……すごい濡れた………」

日陰のベンチに澪と座らせられて、濡れたから長袖を脱いだ。


「………ていうか、暑い」


今日の気温は26度……
晴れててしっかり太陽も出てるし、日陰にいても、暑い。


「暑いなー、澪って肌白いし……日焼けしたらまずい?」
「インドアなだけだから……別に焼けても大丈夫だよ」


……白くて綺麗で羨ましい。



「そっか、でもせっかく綺麗なんだからもっと大事にしなよ?」
「んー…いや…そういうのいらないから……」
「そうじゃなくて……」




肌もだけど、一番は……体。


(薬……飲んでないといいけど)




「あれ、2人とも何してるの?」
「先生から怒られて見学させられた。」


プールサイドでサボっていた郁人が来た。
澪がふてくされながらそう言うと…郁人はくす、と苦笑いした。


「お前こそなんでサボってんの?」
「……ん?まあ濡れると風邪ひいちゃうカラ……」


忘れた頃に病弱設定。



「まあほんとは……水とか好きじゃないんだよね、泳ぐの苦手で。」
「プール掃除は泳がないと思うけど?」



嘘下手だな。




「………うーー」

暇なのか、澪は体をのばしたりして暇つぶししていた。

「…可愛い」
「!お、俺の方が先に可愛いって思ってた!!」

何を張り合ってるんだろ………


「ほんとかなーー?」
「ほんとだよ!!っ…糞童貞!!」
「はぁぁ!!?お前だろ童貞は!!」


(………仲、いいな。)



「はぁ……お前ってそういうとこあるよなーー、知りもしないで俺の事童貞童貞って……」
「先に言ったのはそっちじゃん!!僕そもそも童貞じゃ…………」



………



「童貞じゃ……?」
「………ど、童貞です……………」


逆にそうじゃなかったら驚くんだけど………






「……………優馬も郁人も、仲いいね。」
「えっ、そんなことないよ…!!こんなのと仲いいわけないって!」
「お、俺も!こんな屑と仲いいわけない!!」 


そう意味もなく張り合っていると、澪は少しだけ………さっきの郁人みたいに、苦く笑った。






「……………?」






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