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残り50年/不発/手術せずに素養を開花させる人類誕生まで、あと20年/なんでもやります!/ん?これ作リ始めたの助手じゃろ?
しおりを挟む#101『残り50年』
男が亡き祖父の蔵を整理していると、中身のない砂時計を見つけた。
周りに砂はなく、不思議に思い、砂時計を手に取る。
すると砂時計の片側に砂が一杯に詰まり、ゆっくりと流れ出した。
落ちては消え、なにも残らず。
逆さにしても、減り続ける。
前の持ち主は祖父。
祖父になく男にあるものが流れて消える。
#102『不発』
暗闇の中、彼らは自分たちの出番を落ち着きなく待っていた。
あるものは気分を高揚させ、あるものは美しい光景を夢想する。
その中で、唯一冷静なものがいた。
そのものは冷めた目つきで嘆息する。
「これから打ち上がるというのに情けない」
湿った火薬はつぶやき、他の火薬にも落ち着きが広がる。
#103『手術せずに素養を開花させる人類誕生まで、あと20年』
最新の研究により、人類の5人に1人は浮遊能力の素養があると判明した。
素養を持つ者は、簡単な手術で浮遊能力を獲得できた。
浮かぶ高さは個人差があり、それは生涯変わらない。
現在、何人かの被験者が空中で生活している。
標高5メートルに浮かび、専用施設で介護される男は語る。
「後悔しています」
#104『なんでもやります!』
男は今の時代、面倒事を他人に任せる代行業が儲かると考えた。
しかし重要なのは、何の代行業をするのかということ。
家事代行や退職代行はすでにあり、今からの参入は難しい。
なんとかビジネスチャンスを掴みたい男は、頭を悩ませ続けた。
悩みに悩み、錯乱した思考の結果。
男は開業した。
『代行業代行』
#105『ん?これ作リ始めたの助手じゃろ?』
博士と助手は、自分たちが作り出した物を見ていた。
「鎖ですね」
「鎖じゃな」
「長いですね」
「長いな」
「……柔らかいんですけど」
「……そうじゃな」
「…………えっ!博士これ伸びるんですけど‼️」
「…………なにそれ、ワシも知らないんじゃが」
「………………博士。なにを作ろうとしたんですか?」
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