1話30秒で読める140字小説集

醍醐兎乙

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依存性が非常に高い/自称貴族の異世界人/磁石な関係/しつこくて、断れなくて/前職は異世界を救った勇者です

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#51『依存性が非常に高い』

男は「幸せの石」を求め、故郷を離れ旅をしている
「幸せの石」は遠い異国で発見された、砕くと幸せになれる石
輸出は禁止され入手するには異国を尋ねる必要があった

男は故郷で旅人の持つ「幸せの石」を砕かせてもらい

職を捨て
家族を捨て
国を捨て

異国を目指した

「幸せの石」は砕くと幸せな気分になれる石



#52『自称貴族の異世界人』

俺が1人になると、こいつは俺に文句ばかりぶつけてくる

「立ち姿が美しくない」

「歩き方が優雅ではない」

「所作が醜い」

「立ち振る舞いが不快」


「貴殿の動きを真似ることしかできない、私の身にもなってもらいたいものだ」

声は足元、俺の影から聞こえてくる
先月、俺の影はいきなり話をするようになった



#53『磁石な関係』

あいつは私と顔を合わせるたびに、口喧嘩になる
理由は特に無くて、お互いに気に入らないからだと思う

でも、嫌い合っているわけじゃない
あいつが落ち込んでたら力になりたいし
私が困っていたらあいつは助けてくれる
あいつとは好みも同じで趣味も合う
嫌いになれない


それでも私は
今日もあいつと反発し合う



#54『しつこくて、断れなくて』

彼女の、手を後ろに組んでハニカム仕草が好きだ

僕が一目惚れをして、何度も口説いて交際にまでこぎつけた
そんな彼女が大好きだ


ある日彼女の親友に声をかけられた
「あの娘なにか悩みがあるみたい」
僕は彼女の悩みに心当たりがなかった
「彼女嫌なことを我慢するとき、いつも手を後ろに隠すから心配なの」



#55『前職は異世界を救った勇者です』

異世界の存在を発表した学者がいた
その異世界には魔法があり、人間と対立する魔族がいて、異世界を創造した女神がいる
学者は次々と異世界の情報を公表していった

しかし、1年後

学者は異世界に関する全ての発表を撤回する

「襲ってきた創造の女神を返り討ちにしたところ、異世界が消滅してしまいました」

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