1話30秒で読める140字小説集

醍醐兎乙

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アレルギー症状/自分の背中を見れる人は少ない/なんだかよくわからないけど/館が汚くて許せません‼ /人一倍、見栄えを気にしている

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#46『アレルギー症状』

私は実在しない果物を妄想するのが好きだ

どんな形にしよう?
どんな色にしよう?
どんな匂いにしよう?
どんな味にしよう?

鮮明な妄想を積み重ね、私だけの果物が出来上がった

見た目を私だけ知っている
匂いや味を私だけ楽しめる

毎日妄想の中で、その果物を味わった


最近口の中が腫れて、イガイガしてかゆい



#47『自分の背中を見れる人は少ない』

私は人の背中にお金の幽霊が見える

お金の幽霊はその人が失って取り戻すことのできないお金
つまりは借金

それを私は幽霊として人の背中に見える

ただ借金をしても、返済能力があればお金の幽霊は見えない


私はこの力を存分に使い、婚活に挑む
こうして理想の相手と婚約までこぎつけた

これで私は幸せになれる



#48『なんだかよくわからないけど、ひどく心が奪われる』

友人が経営する雑貨屋に来た

店内にはよくわからない
でもひどく興味をそそってくる何かが並べられている

「新商品に行き詰まって、気の迷いで自分なら絶対いらない商品を追求したら、売れに売れてこのざまだ」

むしろこれしか売れてないと友人はため息をつく

僕は激しく同意した

「僕にも1つ売ってくれ‼」



#49『館が汚くて許せません‼ わたしが隅々までキレイにします‼』

我が家は悪評が広まっており
使用人の人数がいつも不足している

普通、約束の無い面談はお断りするものだが
我が家にそんな余裕はなく
私は女性の採用面談を行っていた

「最後になにかありますか」

「わたしに足はないのですが、構いませんか?」

我が家の悪評の原因
館に取り憑く幽霊を、私は使用人に採用した



#50『人一倍、見栄えを気にしている』

教室に置いてある銀色のバケツ 
汚れても、凹んでも
翌日には綺麗な状態で教室に置いてある
直したのか、交換したのか
それは誰にもわからない

別の教室に置いてきたり、水を入れて廊下に出しても
翌日には教室のよく見える位置に、空のバケツは戻っている
 
今日もバケツは、銀色に輝き
皆の視線を独り占めにした

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