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アレルギー症状/自分の背中を見れる人は少ない/なんだかよくわからないけど/館が汚くて許せません‼ /人一倍、見栄えを気にしている
しおりを挟む#46『アレルギー症状』
私は実在しない果物を妄想するのが好きだ
どんな形にしよう?
どんな色にしよう?
どんな匂いにしよう?
どんな味にしよう?
鮮明な妄想を積み重ね、私だけの果物が出来上がった
見た目を私だけ知っている
匂いや味を私だけ楽しめる
毎日妄想の中で、その果物を味わった
最近口の中が腫れて、イガイガしてかゆい
#47『自分の背中を見れる人は少ない』
私は人の背中にお金の幽霊が見える
お金の幽霊はその人が失って取り戻すことのできないお金
つまりは借金
それを私は幽霊として人の背中に見える
ただ借金をしても、返済能力があればお金の幽霊は見えない
私はこの力を存分に使い、婚活に挑む
こうして理想の相手と婚約までこぎつけた
これで私は幸せになれる
#48『なんだかよくわからないけど、ひどく心が奪われる』
友人が経営する雑貨屋に来た
店内にはよくわからない
でもひどく興味をそそってくる何かが並べられている
「新商品に行き詰まって、気の迷いで自分なら絶対いらない商品を追求したら、売れに売れてこのざまだ」
むしろこれしか売れてないと友人はため息をつく
僕は激しく同意した
「僕にも1つ売ってくれ‼」
#49『館が汚くて許せません‼ わたしが隅々までキレイにします‼』
我が家は悪評が広まっており
使用人の人数がいつも不足している
普通、約束の無い面談はお断りするものだが
我が家にそんな余裕はなく
私は女性の採用面談を行っていた
「最後になにかありますか」
「わたしに足はないのですが、構いませんか?」
我が家の悪評の原因
館に取り憑く幽霊を、私は使用人に採用した
#50『人一倍、見栄えを気にしている』
教室に置いてある銀色のバケツ
汚れても、凹んでも
翌日には綺麗な状態で教室に置いてある
直したのか、交換したのか
それは誰にもわからない
別の教室に置いてきたり、水を入れて廊下に出しても
翌日には教室のよく見える位置に、空のバケツは戻っている
今日もバケツは、銀色に輝き
皆の視線を独り占めにした
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