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獣人の街グオルク ~~
好奇心 1
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施設でユナに教えてもらいながら、折り方の説明書を作って、明るい時間の最終の乗り合い馬車で帰ることにした。
夕食を食べていくと良いと言われたが、帰りの馬車の時間が遅くなりそうだったので、「また来ます」と、別れを告げて乗り合い馬車に飛び乗った。
この後だと暗くなってしまうし、あまり遅い時間に慣れない街を、子供だけで歩いているのは危険だ。
作った折り方の説明書は施設に置いてきて、また来ることを約束した。
ユーリさんが、結界が張られる部屋に置いておくと、言っていた。
そこまで重要じゃないと思うけど…。
『折り魔紙』で折ることで、何に変化するか分かんないからね。
宿に戻って食堂で夕食を食べた。
毎日、お薦めメニューが変わるから、飽きが来ないし、いろんな料理が食べれるので、連日この食堂がほとんど満員なのが分かる気がする…。
部屋に帰って、シャワーを浴びて、オルガはちょっと気になったので、カバンから『折り魔紙』を一枚取り出した。
交代でフェイがシャワーに入り、アレイはベッドで寝転がって本を読んでいる。
ちょっとだけ…。
本当は迷ったんだけど、やっぱり気になるままでは、夜、眠れない…。
リーンさんには『クルーラ』に帰ってから…とは言われたけれど、なんだかね…予感がするんだよな…。
当たりの予感…。
オルガは部屋にある、小さな机の上で『折り魔紙』を折り始めた。
『ツル』とよく似ているので、ゆっくりと思い出しながら『アヤメ』を折りだすと、それほど時間がかからずに折れてしまった。
『アヤメ』の外側の花びら部分を外に向かってカーブさせるように広げる。
この花びらの広げ方でも、折り線は変わるんだろうか…?
これも検証の一つだな…。
気になる事を紙に書き込み、後日、試して見ることにした。
存分に『アヤメ』の形を眺めて、次は魔力与えて変化を見ることにした。
オルガは風と水魔法を使えるので、いつものように水の魔力を与えると、いつも通りに青色に染まる。
そして先端を持ち、ゆっくりと『アヤメ』を眺めた。
花の中心部分の細長い所が『コップ』のように受け皿になっているので、予想では水が溜まるはず…。
青色の『アヤメ』も綺麗だよな…。
普通の紙で折っただけだと、色は付いていないからだ。
問題はここから…。
魔力を込めて、予想通りになるのか…。
そう思っていると、ちょうどフェイがシャワーから戻ってきて、交代でアレイがシャワーを浴びに行った。
なのでフェイにお願いして、魔力を込めてもらう事にした。
予定では『コップ』と同じ様に、水が溜まるはず…。
フェイに『アヤメ』を渡して、魔力を入れてもらう。
すると、ぼんやりと青く光、『アヤメ』の中に水が涌き出てきた。
『コップ』よりも、真ん中の水が溜めれる場所の容量が小さいので、水の量は少ない…。
『クルーラ』だったら、水の量を測るコップに水を入れて、どれだけ水の量が有るのかを、計測するのだけれど…そんなわけにはいかない…。
「…なぁ。オルガ、コレ、なんかヤバそうなんだけど…」
フェイが何か動揺しながらそう言う。
ヤバそう?
フェイがそんな言い方をするのは珍しい…。
オルガがフェイの持つ『アヤメ』を見るが、花の中の出っ張りの所まで、水が一杯になっているだけにしか見えない。
「光ってる…」
フェイが戸惑いながら言う。
光ってる?
オルガは、フェイの持つ『アヤメ』の水の中を上から覗き込んだ。
アッ…光ってる…。
水が光に反射してほんの少しキラキラと銀色に輝いている。
「「…。」」
コレって何だ?
見覚えが有る…。
聖魔法の癒しの水…回復する水…みたいな…。
フェイの魔力を使ったから、もしかして、ほんの少しある聖の魔力が反応した?!
オルガはフェイと顔を見合わせる。
なんかヤバいぞ…。
予想以上の事が起こってしまった…。
また、やらかしたかも…。
夕食を食べていくと良いと言われたが、帰りの馬車の時間が遅くなりそうだったので、「また来ます」と、別れを告げて乗り合い馬車に飛び乗った。
この後だと暗くなってしまうし、あまり遅い時間に慣れない街を、子供だけで歩いているのは危険だ。
作った折り方の説明書は施設に置いてきて、また来ることを約束した。
ユーリさんが、結界が張られる部屋に置いておくと、言っていた。
そこまで重要じゃないと思うけど…。
『折り魔紙』で折ることで、何に変化するか分かんないからね。
宿に戻って食堂で夕食を食べた。
毎日、お薦めメニューが変わるから、飽きが来ないし、いろんな料理が食べれるので、連日この食堂がほとんど満員なのが分かる気がする…。
部屋に帰って、シャワーを浴びて、オルガはちょっと気になったので、カバンから『折り魔紙』を一枚取り出した。
交代でフェイがシャワーに入り、アレイはベッドで寝転がって本を読んでいる。
ちょっとだけ…。
本当は迷ったんだけど、やっぱり気になるままでは、夜、眠れない…。
リーンさんには『クルーラ』に帰ってから…とは言われたけれど、なんだかね…予感がするんだよな…。
当たりの予感…。
オルガは部屋にある、小さな机の上で『折り魔紙』を折り始めた。
『ツル』とよく似ているので、ゆっくりと思い出しながら『アヤメ』を折りだすと、それほど時間がかからずに折れてしまった。
『アヤメ』の外側の花びら部分を外に向かってカーブさせるように広げる。
この花びらの広げ方でも、折り線は変わるんだろうか…?
これも検証の一つだな…。
気になる事を紙に書き込み、後日、試して見ることにした。
存分に『アヤメ』の形を眺めて、次は魔力与えて変化を見ることにした。
オルガは風と水魔法を使えるので、いつものように水の魔力を与えると、いつも通りに青色に染まる。
そして先端を持ち、ゆっくりと『アヤメ』を眺めた。
花の中心部分の細長い所が『コップ』のように受け皿になっているので、予想では水が溜まるはず…。
青色の『アヤメ』も綺麗だよな…。
普通の紙で折っただけだと、色は付いていないからだ。
問題はここから…。
魔力を込めて、予想通りになるのか…。
そう思っていると、ちょうどフェイがシャワーから戻ってきて、交代でアレイがシャワーを浴びに行った。
なのでフェイにお願いして、魔力を込めてもらう事にした。
予定では『コップ』と同じ様に、水が溜まるはず…。
フェイに『アヤメ』を渡して、魔力を入れてもらう。
すると、ぼんやりと青く光、『アヤメ』の中に水が涌き出てきた。
『コップ』よりも、真ん中の水が溜めれる場所の容量が小さいので、水の量は少ない…。
『クルーラ』だったら、水の量を測るコップに水を入れて、どれだけ水の量が有るのかを、計測するのだけれど…そんなわけにはいかない…。
「…なぁ。オルガ、コレ、なんかヤバそうなんだけど…」
フェイが何か動揺しながらそう言う。
ヤバそう?
フェイがそんな言い方をするのは珍しい…。
オルガがフェイの持つ『アヤメ』を見るが、花の中の出っ張りの所まで、水が一杯になっているだけにしか見えない。
「光ってる…」
フェイが戸惑いながら言う。
光ってる?
オルガは、フェイの持つ『アヤメ』の水の中を上から覗き込んだ。
アッ…光ってる…。
水が光に反射してほんの少しキラキラと銀色に輝いている。
「「…。」」
コレって何だ?
見覚えが有る…。
聖魔法の癒しの水…回復する水…みたいな…。
フェイの魔力を使ったから、もしかして、ほんの少しある聖の魔力が反応した?!
オルガはフェイと顔を見合わせる。
なんかヤバいぞ…。
予想以上の事が起こってしまった…。
また、やらかしたかも…。
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