眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~~

記録

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 結界が張られた部屋で秘密の話をして、あと、ユナが折る紙の形を記録に残したいのだけれど、やっぱりこの部屋で作業をした方が良い?と、聞いてみると、普通の紙で作る分には、談話室でも支障はないそうだ。
 魔力紙マリョクシを折った場合は、魔力に反応して、何か起こってしまうから、『クルーラ』に帰ってからにするように言われた。
 やっぱりな…。
 談話室では普通の紙を使って、遊び感覚で折れば良いとの事。
 良かった…。
 学校からユナが帰ってきたら、皆で紙を折って遊ぼう!


 その後、リーンさんに気になることをいろいろ聞いて、結界が張られた部屋を出た。
 思ったよりも時間が過ぎていたようで、お昼寝してい年小組のいる談話室へ向かうと、お昼寝は終わっていて、起きた五人は美味しそうにおやつを食べていた。
「戻ってきた!」
「「遊ぼう!」」
「絵本読んで!」
「ボール投げしよう!」
 僕達を見て、急いでおやつを食べようとする。
「ゆっくり食べなさい。まだ、帰らないから!」
 ユーリさんが子供達に、落ち着いて食べるように声掛けするが、子供達はソワソワとおやつを食べる。
 そんな様子を見て、思わず微笑んだ。
 遊びたいだろうけど、おやつも大事。
 
 そう思っていると、学校組の子供達も帰ってきた。
 廊下をバタバタと走る音がして、階段を上がっていくと、しばらくして階段を下りてきて、談話室の扉が開いた。
「「「ただいま!」」」
 相変わらず元気だ。
 
 学校に行っていた子供達の、今日のお手伝いは無いそうなので、おやつを食べて、そのまま一緒に遊ぶ事になった。
 フェイは学校組の子供達に誘われて、的当てに行き、アレイもボール投げをしたいと言っていた子供達と一緒に外の広場に向かっていった。
 もちろんユーリさんが一緒に付いて行っている。
 オルガは熊族のユナと羊族のモモと一緒に紙を折って、オルガが作り方の記録をする事にした。
「ユナが一番好きな形の折り方を、教えてもらえるか?」
「うん!」
 オルガがそう言うと、パタパタと小走りにユナは走っていき、奥の棚に並べてある折ったモノの前に行って、う~んと唸って悩んでいる。
 モモはオルガが出した紙を好きなように折って、何やら分からないものを折っている。
 普通はこうなるよね…。
 悩んでいる姿を、ラビオリと一緒に眺めていると、ユナは決めたようで、テーブルの方に一つ持ってきた。
 それは花のような形をしていて、『アヤメ』とユナが言った。
 オルガはこの間買った紙をカバンから取り出した。
 文字の練習に使う、ざらりとした紙だ。
 紙は縦長なので、まずは正方形にしなくてはいけない。
 オルガは紙の角を持って、一辺が重なるように三角に折り、重なっていない部分だけを三角の方に折る。
 その後から折った部分をペーパーナイフで切り取り、三角を広げると、いつもの正方形の形になった。
 それを五枚繰り返して作り、準備は整った。
 そしてユナに教えてもらいながら、オルガとラビオリは紙を折った。
 まずは角を合わせて三角に折って、また三角に折る。
 三角を広げて四角に折り、反対側も四角に折る。
 ここまでは『ツル』と一緒だ。
 次は紙の正方形の中心の折り線に向かって、両脇から折るけれど、『ツル』とは反対側を折った。
 それを元に戻して折り線に沿って広げてたたむのを四ヶ所…。
 今度はそれを横に半分に折って折り線を付けると、開いて『ツル』の先のように折り畳み…。
 ちょっと複雑な折り方になってきて、ユナにゆっくりと順番を見せてもらう。
 一ヶ所折ってしまえば、残りの三ヵ所は同じ折り方なので、まだ覚えやすい…。
 でもこれが折れるって事は、『ツル』は大丈夫だろう…。
 そして最後に、折った花びら部分を外にカーブして曲げると、ユナが持ってきてくれた『アヤメ』になった。
「すごいな…」
 オルガは思わず、そう口にした。
 ユナは嬉しそうに花の下の部分をもって、クルクルと回した。 
「今度は、途中段階を作ろう!」
 オルガはいつもみたいに、折る途中のモノを作る。
 『ツル』と一緒の部分は飛ばして、折り方が違うところから…。
 折った紙を、長方形の紙に貼って、矢印を書いて「こっちに折る」と書き込み、折り方の説明書を作り上げていった。
 うん。
 コレは何かに使えそう…。
 
 その後も、時間が許す限り、ユナに教えてもらって、説明書作りを進めた。




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