眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~~

街の散策 1

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 翌日、『リマ商会』のヤナックさんの所に『クルーラ』へ送ってもらいたい手紙を持っていってお願いして、街の散策のために教えてもらった、役所の案内所へやってきた。
 案内所には、創立祭の時、一緒にいた羊族のテイルさんがいたので、再び街中の事について聞いてみた。

 『グオルク』は、五つの区画に別れていて、一番賑やかな市場や露店が並ぶのは、北門で、南区と北区の境界線の通り。
 北門からは、人族が住む国へ行くことが出来るため、人族ゆかりのモノや、いろんな種族の商品が並ぶのだとか…。
 人族の国か…。
 ちょっと興味はあるが、まずは『グオルク』だ。
 ちなみに僕達が『グオルク』に来た時に通過した門は東門。
 魔素の濃い、森の奥地の『クルーラ』に向かう門とは、正反対の場所だった。

 手頃な日用品や雑貨、お菓子屋などが有るのは中央区と西区の間の周辺。
 ココは比較的治安も良いし、ちょっと高級な店も並んでいるそうだ。
 僕達が行くのなら、西区の周辺かな…。
 
 南区は金物、魔道具など、金属、木工系の店が多く、東区はどちらかと言えば、高級住宅街。
 ヤナックさんに教えてもらったお勧めのお菓子屋さんも西区だ。
 テイルさんに西区のお勧めの通りが書かれた地図をもらい、道を教えてもらう。
 役所の前の道を真っ直ぐに西区に向かって進めば、境界線の大通りに出るから、道を渡った向こう側の西区が、地図の場所だと教えてもらった。
 ちなみテイルさんのお勧めのお菓子屋さんは?と聞くと、ちょっと東区寄りのチーズケーキ屋さんだそうだ。
 店内でも食べれるので、休憩にでも、寄ると良いよと教えてくれた。
 はい!
 寄って食べてきます!

 ついでに古本屋さんの場所を聞くと、境界線の手前の中央区の左側周辺に固まってあるそうだ。
 本が好きならと、役所前の広場の向こう側に、図書館があるので、時間が有るときに見てきたら。と、言われた。
 良いね!
 図書館!
 どんな本が置いてあるのだろう…。
 ちなみに、一階の一般書の閲覧は無料だが、二階以降の専門書になると、入館料と個人の証明書が必要になるから、行くときには『リマ商会』で、滞在証明書を書いてもらうと良い。とも教えてくれた。
 入館料…必要なんだ…。

 それと、日中は大丈夫だか、暗くなると治安が悪くなるから、早めに帰ってくる事。
 オルガは暑いかも知れないが、なるべくフードを被る事。を、約束させられた。
 はい…。
 人族の子供って、目立つもんね…。
 

 中央区の境界線までは、ソレほど遠くないらしいので歩くことにした。
 巡回馬車に乗れば直ぐだけど、なんとなく…なんとなく…乗り間違えそうで…。


 『リマ商会』を出て、馬車通りを西区に向かって道沿いに歩く…。
 この辺りは年期の入った、役所と同じような大きな建物が並び、街って感じだ。
 人の出入りはソレほど多くなく、何の建物かな…と、思わず覗きたくなるくらい…。
 少し歩くと建物と建物の間に、木々に囲まれた小さな広場が右手に有り、中央に水飲み場があって、木陰に木で出来たベンチが点在している。
 その中に広場の入り口付近に屋台が二件並んでいた。
 もしかして、屋台でお昼ご飯を買って食べるのだろうか…。
 天気が良い日には、木陰でのんびりベンチに座って、お昼ご飯も良いかも知れない…。
 小さな広場を過ぎると、今度は二階建ての小ぶりな建物が続き、飲食店やガラス細工の店、机や椅子、棚などの木工用品店など、商店がちらほらと並びだした。
 そして大通りが見えてくると、通りの向こう側に人が多く歩いているのが見えた。
 こっち側とは全然違うや…。
 オルガ達は、行き交う馬車に気を付けて大通りを渡り、西区に入った。

 大通りを渡った西区は、少し道が狭くなっていて、ザワザワと人が行き交い、道の両脇に店も多く並んでいた。
 お菓子屋、服屋、アクセサリー屋、カバン屋、靴屋、食べ物屋、雑貨屋、布屋、パン屋…。 
 『ベイエル』の商店街のように、何でも有りそうだ。
 三人はキョロキョロと見回しながら、気になる店に入って、見て触って、良さげな物を買って楽しんだ。

 
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