眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~~

地図

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 施設から役所行きの馬車に乗り、役所で降りると、隣に有る『リマ商会』へと向かった。
 とは言っても、『リマ商会』のヤナックさんに簡単に会えるわけではないので、案内所で面会可能か聞いてもらった。
 創立祭の手伝いに来ていた『ベイエル』のアレイ。と言うだけで、紹介状は無いが、僕達がどういう経緯でココに来たのか、すぐに分かってくれ、案内所の人もすぐに問い合わせてくれた。
 ヒナキさん達には、何処から来たのか訪ねられても、僕は信頼できる人以外には『クルーラ』の名前は出さない方が良いと言われていた。
 近くで誰が聞いているか分からないし、『森の聖域』である『クルーラ』から来た子供となれば、目を付けられかねないからだ。
 アレイが出身の熊族の『ベイエル』で有れば、行き来している人達も多いので、ソレほど違和感は無いと言うことで、事前に話し合って決めていた。

 リマ商会に、『折り魔紙』の覚え書きを作るのに欲しい『魔力紙』が有ったとしても、多分店頭には置いていない。
 貴重なモノだし、安いものではないので、ヤナックさんに聞いてみる方が確実だ。
 在庫が置いてあると良いけれど…。
 後は、施設の子供達が使える的当ての遊具。
 これは場所を聞けば、店内に有るだろう…。
 それと『グオルク』の地図。
 せっかく『グオルク』に来たので、いろんな所に行ってみたい。
 これも店内に有るかな…。
 
 案内所の人から、ヤナックさんは商談中で、一時間ほど後なら、面会可能になりそうだと教えてくれた。
 なのでその間、子供の遊具と地図が有る場所を教えてもらって、店内を散策する事にした。
 よく考えてみたら、初日に店の入り口付近を見ただけで、店内を散策してないや…。
 帰るまでに日にちを決めて、ゆっくりと見て回るだけでも、楽しいかも…。

 教えてもらった場所に行くと、子供達用の遊具はすぐに見つかった。
 家の中で的当ての練習をするのに、人気らしい…。
 小さい子供用の的当ては、丸くて三センチくらいの柔らかいゼリーの用なモノを、的に当てる遊び道具だ。
 的はそのゼリーの用なモノが、くっつきやすいように、表面はツルツルしている…。
 まあ…柔らかい小石を投げる感じだな…。
 あれなら身体に当たっても、ソレほど痛くはない…。
 学校に通う子供達用には、フェイが持っている、短い棒に羽根が付いたもの。
 だけど先端は、さっきの柔らかいゼリーみたいなのが、ちょこんと先端だけについている…。
 的に刺さると言うよりは、くっ付く…って、感じかな…。
 子供達の安全面を考えると、その方が良いかも…。
 ソレを二組づつ選んで、今度は地図が置いてあると言われた場所へ向かった。

 地図は紙なので、本を売っている店に有るのかな…とも思ったけれど、『リマ商会』にも置いているようだ。
 が、言われた場所に行って、思ったのと違うことがわかった。
 『リマ商会』に置いてある地図は、街全体の主要建物が配置されている場所と、公園、集会所の場所が、大まかに書かれた地図だった。
 道は、中央区の役所の有る場所を中心に、大通りと多分、各四区の巡回馬車の通り道が書かれていて、細かい道は書いていない…。
 馬車に乗って移動したり、初めて『グオルク』に来た人向けだ。
 街がどれだけ大きく、道が整備されているかが、一目瞭然にわかる。
 これはこれで便利だと思うが、僕達が知りたかったのは、市場や雑貨屋さん、『グオルク』の人達が良く行き来するような場所だ。
 そういった、場所が書いてある地図って無いのかな…。

 熊族の町『ベイエル』では、簡単な地図が有った。
 町中の市場やお土産屋さん、お菓子屋、雑貨屋、金物屋、木工屋などが一枚にギュッと詰められた地図。
 住宅地や工業地帯、農園、農場などの位置は全く書いておらず、お店を見て回るのには、アレが重要な役割を果たしていた。
 『ベイエル』にいる時間は決まっているから、気になる店の目星をつけておいたり、気に入った店を地図に書き込んだりしていた。
 その辺も、ヤナックさんに聞いてみて、無かったら、おすすめの場所を聞いて行ってみよう!

 そんな話をしていると、さっき案内所の所にいた人がやって来て、ヤナックさんの手が空いたから、呼んでるよ。と、教えてくれてので、遊具の的当てだけを購入して、二階のヤナックさんの執務室へと向かった。

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