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獣人の街グオルク ~~
投てき場 2
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風魔法で、右に左に上に下…。
無造作に的を動かして、フェイがその的に投げナイフで狙いを定める。
五本の投げナイフを投げ終わると、的を引き寄せ投げナイフを抜く。
と、背後から、
「「「すごい!」」」
「「「カッコいい!」」」
と、子供達の声が聞こえてきて驚いた。
いつの間に…。
練習に集中していて、気が付かなかった…。
子供達がいるのは、塔の向こう側…。
気配も遮断されているのか、魔道具の外側から眼をキラキラとさせて見学していた。
洗濯をしていた四人と、お昼寝をしていた四人だ。
その後ろにユーリさんとラビオリさんもいる。
「いつも、そんな感じの練習をしているの?」
ユーリさんが聞いてきた。
「場所が有れば…」
「道具にもよるよね」
「久しぶりに、身体を動かせた」
しばらく身体を動かしていなかったから、なんかスッキリとした気分…。
それに、小さい子供達に、キラキラした眼で見られると、ちょっと照れ臭い…。
そして、せっかくだからと、子供達とボール投げをして遊ぶ事になった。
ボールは、魔道具の塔の下側にある、扉の中に入っていた。
わざわざ物置小屋まで取りに行くよりも、良く使うボールだけはここに置いて有るそうだ。
オルガとアレイは弓矢をまとめて塔の側に置き、年少組の子供達とボール投げを始めた。
少し肩慣らしをして、柵に的を掛けて、近くから的に向かってボールを投げる。
的に当たったり、当たらなかったり…。
転がっていくボールは、オルガとアレイが風魔法で拾ってくる…。
何気なく使う僕達の風魔法に、ユーリさんが苦笑いする。
「そうね、そう言う使い方でも良いのよね…」
えっ…。
何か違った…?
もしかして、風魔法を使ってボール拾いはしないのか?
ユーリさんが言うには、ボール拾いは、子供達の体力をつけるために、なるべく自分で拾いに行かせているそうだ。
でも、遠くに転がった分は、風魔法でも良いよね…。
と、言うことは、今、僕達が拾ってあげるのは良くないのか?
オルガが不安になって聞くと、それは僕達の風魔法の練習なのだから良いそうだ。
納得。
普段とは違うことを子供達に説明するのに、理由が必要だもんね…。
僕達は、年少組とボールで遊ぶ事を楽しんだ。
学校組の子供達は、フェイの投げナイフに興味を持ったようだ。
さすがに子供達に投げナイフを扱わせるわけにはいかないので、オルガ達が使っていた弓矢の矢だけを使うことにした。
ボールで遊ぶ年少組とは離れて、的を柵に掛けると、矢の根本を持って、的に向かって投げる。
シュッ!
と、音を立てて的に矢が突き刺さる。
「「「「おおっ…!」」」」
子供達の驚きの声が響く。
「本来はこんな使い方をしないけれど…」
と、ラビオリさんが苦笑いして、フェイに言う。
「側に有るもので、応用するのも必要だから…」
フェイがそう言うと、ラビオリさんは頭を押さえた。
フェイが、何を言いたいのか分かったのだろう…。
いざと言うときが来ない方が良い…。
だけど、目の前に有るもので、応戦しなくてはいけないとき、矢は有っても弓がないから戦えない…では、生き残れない…。
フェイは学校組の子供達に、矢の持ち方を教えて、的当てを始めた。
的当てを終え、投てき場から、子供達が住む建物まで戻る間、疲れているだろうが、子供達は思う存分遊べて嬉しそうに、ニコニコと歩いている。
コレだけ喜んでもらえると、遊びがいが有ると言うか…教えがいが有ると言うか…。
毎日とはいかないが、『グオルク』にいる間、『折り魔紙』の事で、何度もココに来ることになるだろうから、一緒に遊びを兼ねての的当ての練習をするのも良いかも…。
オルガがそっとアレイとフェイに相談すると、二人とも楽しかったらしく、賛成してくれた。
なので、ユーリさんにその話をすると、喜んでくれた。
普段、代わりばえのない生活だから、たまに違うことをして、刺激を与えてあげたいので、「是非とも!」と、言うことだった。
それなら…と、フェイが室内で出来る小さな的当てを持ってきても良いかと聞いていた。
雨が降っていても出来るし、気分転換にもなるし、良い練習にもなるからと…。
『リマ商会』になら、置いて有るんじゃないかな…。
フェイが使っているような、先端に針が付いたのではなくて、子供用の遊びで使う的当て…。
宿に買える前に、『リマ商会』で探すものが増えたな…。
時間的にも、暗くなる前に宿に帰った方が良いので、そろそろ施設から帰ることになった。
子供達は、まだ遊ぼうと言うが、また来ると約束して、施設を後にした。
帰りは、隣の保養所から役所行きの定期便の馬車が出ているので、ユーリさんがそこまで送ってくれた。
今度来るときは、役所前の広場の馬車乗り場から西区の保養所行きの定期便の馬車に乗ると良いと教えてくれた。
そして、オルガ達は定期便の馬車に乗り込み、近い内にまた来ますと約束して、その場を離れた。
忘れてはいけないのは、馬車を降りたら、『リマ商会』によること…。
魔力紙…有るかな…。
子供用の的当ても、有るかな…。
無造作に的を動かして、フェイがその的に投げナイフで狙いを定める。
五本の投げナイフを投げ終わると、的を引き寄せ投げナイフを抜く。
と、背後から、
「「「すごい!」」」
「「「カッコいい!」」」
と、子供達の声が聞こえてきて驚いた。
いつの間に…。
練習に集中していて、気が付かなかった…。
子供達がいるのは、塔の向こう側…。
気配も遮断されているのか、魔道具の外側から眼をキラキラとさせて見学していた。
洗濯をしていた四人と、お昼寝をしていた四人だ。
その後ろにユーリさんとラビオリさんもいる。
「いつも、そんな感じの練習をしているの?」
ユーリさんが聞いてきた。
「場所が有れば…」
「道具にもよるよね」
「久しぶりに、身体を動かせた」
しばらく身体を動かしていなかったから、なんかスッキリとした気分…。
それに、小さい子供達に、キラキラした眼で見られると、ちょっと照れ臭い…。
そして、せっかくだからと、子供達とボール投げをして遊ぶ事になった。
ボールは、魔道具の塔の下側にある、扉の中に入っていた。
わざわざ物置小屋まで取りに行くよりも、良く使うボールだけはここに置いて有るそうだ。
オルガとアレイは弓矢をまとめて塔の側に置き、年少組の子供達とボール投げを始めた。
少し肩慣らしをして、柵に的を掛けて、近くから的に向かってボールを投げる。
的に当たったり、当たらなかったり…。
転がっていくボールは、オルガとアレイが風魔法で拾ってくる…。
何気なく使う僕達の風魔法に、ユーリさんが苦笑いする。
「そうね、そう言う使い方でも良いのよね…」
えっ…。
何か違った…?
もしかして、風魔法を使ってボール拾いはしないのか?
ユーリさんが言うには、ボール拾いは、子供達の体力をつけるために、なるべく自分で拾いに行かせているそうだ。
でも、遠くに転がった分は、風魔法でも良いよね…。
と、言うことは、今、僕達が拾ってあげるのは良くないのか?
オルガが不安になって聞くと、それは僕達の風魔法の練習なのだから良いそうだ。
納得。
普段とは違うことを子供達に説明するのに、理由が必要だもんね…。
僕達は、年少組とボールで遊ぶ事を楽しんだ。
学校組の子供達は、フェイの投げナイフに興味を持ったようだ。
さすがに子供達に投げナイフを扱わせるわけにはいかないので、オルガ達が使っていた弓矢の矢だけを使うことにした。
ボールで遊ぶ年少組とは離れて、的を柵に掛けると、矢の根本を持って、的に向かって投げる。
シュッ!
と、音を立てて的に矢が突き刺さる。
「「「「おおっ…!」」」」
子供達の驚きの声が響く。
「本来はこんな使い方をしないけれど…」
と、ラビオリさんが苦笑いして、フェイに言う。
「側に有るもので、応用するのも必要だから…」
フェイがそう言うと、ラビオリさんは頭を押さえた。
フェイが、何を言いたいのか分かったのだろう…。
いざと言うときが来ない方が良い…。
だけど、目の前に有るもので、応戦しなくてはいけないとき、矢は有っても弓がないから戦えない…では、生き残れない…。
フェイは学校組の子供達に、矢の持ち方を教えて、的当てを始めた。
的当てを終え、投てき場から、子供達が住む建物まで戻る間、疲れているだろうが、子供達は思う存分遊べて嬉しそうに、ニコニコと歩いている。
コレだけ喜んでもらえると、遊びがいが有ると言うか…教えがいが有ると言うか…。
毎日とはいかないが、『グオルク』にいる間、『折り魔紙』の事で、何度もココに来ることになるだろうから、一緒に遊びを兼ねての的当ての練習をするのも良いかも…。
オルガがそっとアレイとフェイに相談すると、二人とも楽しかったらしく、賛成してくれた。
なので、ユーリさんにその話をすると、喜んでくれた。
普段、代わりばえのない生活だから、たまに違うことをして、刺激を与えてあげたいので、「是非とも!」と、言うことだった。
それなら…と、フェイが室内で出来る小さな的当てを持ってきても良いかと聞いていた。
雨が降っていても出来るし、気分転換にもなるし、良い練習にもなるからと…。
『リマ商会』になら、置いて有るんじゃないかな…。
フェイが使っているような、先端に針が付いたのではなくて、子供用の遊びで使う的当て…。
宿に買える前に、『リマ商会』で探すものが増えたな…。
時間的にも、暗くなる前に宿に帰った方が良いので、そろそろ施設から帰ることになった。
子供達は、まだ遊ぼうと言うが、また来ると約束して、施設を後にした。
帰りは、隣の保養所から役所行きの定期便の馬車が出ているので、ユーリさんがそこまで送ってくれた。
今度来るときは、役所前の広場の馬車乗り場から西区の保養所行きの定期便の馬車に乗ると良いと教えてくれた。
そして、オルガ達は定期便の馬車に乗り込み、近い内にまた来ますと約束して、その場を離れた。
忘れてはいけないのは、馬車を降りたら、『リマ商会』によること…。
魔力紙…有るかな…。
子供用の的当ても、有るかな…。
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