眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~~

洗濯

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 ユナはいずれ、熊族の町ベイエルに行くことになり、ソレまでは『コップ』のみを、施設で折ることになった。
 『ツル』に関しては、クルーラのヒナキさん達と、再度検討する予定だ。
 ヤナックさんには悪いが、今は量産は無理…。
 それにユナがベイエルに来るまでに、『折り魔紙』の流れのルートを決めなくてはいけない…。

 今は、『コップ』は施設で折って、物質転移魔法陣で『リマ商会』へ…。
 『ツル』はオルガが折って、『クルーラ』から物質転移魔法陣で『リマ商会』へ…。
 もしくは直接『クルーラ』の雑貨屋『ベル』での購入と、なっている。
 …ベイエルでユナが『ツル』を折る仕事をしても、『クルーラ』経由で『リマ商会』へと送った方が良いんだろうな…。
 オルガはなんとなく、そんな気がした。
 帰ってから、相談だ!

 
 そうだ。
 僕の知らない折り方をユナに教えてもらおう。
 それで、『クルーラ』で作っていたみたいに、作り方の順番を書いて記録を残しておこう!
「ユナ。あの部屋にあった、折ったモノの折り方を教えてもらえるか?」
「うん!良いよ!」
 笑顔で答えるユナは、とても嬉しそうだった。
 その中で、魔法を媒体に、何か使えるものが有れば、実用化させよう。
 そして生活の中で活用できれば、ユナが夢で見たモノが、夢でなく現実に活きてくる!
 活かす事が出来る!

 あっ、でも、記録用の魔紙に魔力ペンを使って書こうと思うと、この部屋を使わせてもらった方が良いのかな…。
 ユーリさんに聞くと、使えば良いと言うことになったので、魔力紙の用紙を準備して、改めてユナに教えてもらう事になった。
 魔力ペンは持っているけれど、『リマ商会』に魔力紙は置いてあるのかな…。
 宿に帰る前に、ヤナックさんの所に寄って聞いてみよう。


 大まかな話が終わって、ユーリさんの家から出ると、子供達の賑やかな声が聞こえてきた。
 ユナと一緒に帰ってきた、犬族のミルハと羊族のベルム、そしてユーリさんの子供の狼族のユリトだ。
 三人でいると、ユリトの背が少し高い。
 施設は十歳までだけど、ユリトは家族と一緒に暮らしているから、寮には入らなくて良いからだよね…。
 三人は、ユーリさんの家と子供達の住む家の間にある、小さな広場で、木で出来た浅めのバケツに水を入れて、魔法で水をグルグルと回していた。
 何をしているのだろう。
 隣を歩くユナに聞くと、洗濯をしているのだと言う。
 洗濯…?
 するとユーリさんが教えてくれた。
 水魔法の練習と風魔法の練習を兼ねて、洗濯をするのだと言う。
 洗濯の魔道具はあるのだが、子供達が寮に入ると、自分達で洗濯をすることになる。
 寮には洗濯の魔道具は無いので、自分で出来るようにするためだそうだ。
 水魔法と風魔法、どちらも使える子供達はあまりいないので、協力して洗濯するのだと言う。
 水魔法が使えるミルハが、水をグルグルと回して洗う。
 ときどき逆回転にしたりもして…。
 その水が回りに飛び散って、ベルムとユリトがキャアキャアと叫んでいたみたいだ。
 それが終わると、洗濯物を絞って、絞った洗濯物を広げて何も入っていない、浅いバケツに入れて、風魔法を使えるベルムが、風で洗濯物を回して乾かす…。
 それを繰り返しているようだ。
 ユリトは二人の補佐に回って、乾いた洗濯物から順番にカゴに入れていく…。
 ユナが使える魔法は木魔法なので、洗濯の時は、洗濯物を絞ったり運んだりするのが仕事だそうだ。
 ユナは、「僕も手伝いに行くね」と、三人の方に駆け寄り、カゴに入った乾いた洗濯物を持って、子供達が住む家の方に持って行った。

 細かな魔力制御が必要になるが、学校から帰ってきてからの、子供達の仕事として…半分遊びで、半分訓練のように、生活の中で使えば、おのずと身に付くからと、毎日ではないが、洗濯をしているのだと言う…。
 僕達は便利な魔道具の洗濯ばかりしているから、思いもしなかった…。
 そうだね。
 生活に使える生活魔法の方が、身に付きやすいもんね…。
 これも、魔法の勉強のひとつか…。
 
 
 
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