眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~創立祭~

創立祭 11 ~古本屋 2~

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 三人はそれぞれ気になった本を古本屋で買って、かさばって荷物になるので、いったん、宿に戻ることにした。
 夕食にはまだ少し早いが、『リマ商会』の食堂で夕食を食べて宿に戻ると、ベットに寄り掛かって早速買ってきた本を広げた。
 それぞれ買ってきた本が、気になってしたかなかったのだ。

 
 空腹に、ふと気がつけば、外は真っ暗になっていた。
 夕食を早く食べたのもあって、お腹が空いてきたのだ。
 オルガが、昨日もらった差し入れの焼き菓子の入った袋を広げると、匂いに誘われてか、同じ様にお腹の空いた二人がオルガを見た。
「まだ、たくさん残ってるから」
 オルガはそう言って、三人で分けあって食べた。
 せっかくの創立祭のお祭りなのに、僕達、部屋で本を読んでいるって、なんだかな…。
 明日が最終日だから、ドライフルーツを買わないと!
 ドライフルーツは、『クルーラ』や『ベイエル』でも売っているが、見たことの無い果物が有ったので気になったのだ。
 と、言うことで、明日は買い忘れないように、目的のドライフルーツを買ってから、まだ見ていない魔道具や雑貨の屋台を見て回ることを目標にした。


 創立祭五日目、最終日。
 ドライフルーツを買って、日持ちする焼き菓子を買って、ちょっと荷物がかさ張るが、そのまま日用品を見に行って、割れにくい素材で作ってある、ちょっと大きめの皿を買って、アレイは人族の王城が描かれた小さな絵を買って、フェイは短剣や投げナイフを収納するベルトを買って…。
 それぞれに気になるものを買い歩いて、最後にもう一度古本屋へ寄った。

 昨日買った『初級魔法』を読んでいて気になった事が有ったのだ。
「すみません。『初級魔法』の『複合魔法』の本は有りますか?」
 オルガがそう聞くと、人族の男の人が微笑んでくる。
「昨日、『初級魔法』を買ってくれた子だよね。確か、まだ有ったと思うよ」
 そう言って、本棚に向かい本を引き出しては確認している。
 やっぱり有るんだ…。
 『初級魔法』の本を読んでいるとき、本の最後に、それぞれの属性を知り、バランスよく使うことによって、より便利になる。ソレを『複合魔法』と、書かれていたのだ。
 どんな属性魔法を組み合わせて、何をすることが出来るのか気になった。

「はい。有ったよ」
 そう言って差し出されたのは、昨日と同じような薄い本。
 特にどの属性とは書いていないが、『初級魔法』なのでそれほど多くないのだろう…。
 オルガはペラペラと中を少し見て、購入することにした。
 『初級魔法』を順番に読んでいて、ちょっと、もしかして…と、思うこともあったからだ。
 『折り魔紙』を折ったけれど、何も使えずそのまま置いてあるものがいくつか有る。
 確証を得るためにも、『複合魔法』を読んでおきたかったのだ。
「勉強熱心だね」
 お金を支払っていると、古本屋の男の人がそう言ったので、オルガは苦笑いした。
「ちょっと興味があって…」
 それほど魔法を使えるわけではない。
 僕にとっては、半分遊びに近いのだから…。
「…もしかして、『グオルク』に住んでいるわけではないのか?」
「?はい。お仕事と、勉強と遊びに来ました」
「そうだよな。『初級魔法』の本を買うんだから…」
 男の人は少し首を傾げて、教えてくれた。
 この広場の近くに図書館があって、そこへ行けば、いろんな魔法の本が有ることを教えてくれた。
 『グオルク』に住んでいる人達は、学校で習ったり、図書館で『初級魔法』を読んだりするため、『初級魔法』の本を購入することが少ないそうだ。
 購入したとしても、自分の属性関係だけなので、オルガのように個人で全種類購入するのは珍しいのだとか…。
 まあ、せっかくなら、揃えたいな…って思ったのもあるけれど…。
 図書館には魔法以外にも、旅をした記録や、他の種族の街や国の本が有ると教えてくれた。
 『グオルク』の住民でないと、その場で読む事は出来るけど、貸し出しはできないとか…。
 ふと思い立って男の人が言う。
「もしかして、奥の森から来た?」
「家は『ベイエル』だよ」
 アレイがそう答えると、男の人は微笑んで言う。
「もしかして『リマ商会』のお手伝いの子?ソレだったら、『リマ商会』で、仮身分証明書を発行してもらうと、借りれるよ『リマ商会』が保証しますって、証だからね」
 それは良い事を聞いた。
 ただ、長期滞在ではないので、それほど読むことは出来ないだろうけれど…。

 オルガ達はホクホクと、欲しいモノを購入して手に入れ、宿に戻った。
 明日は、創立祭の片付けの手伝いだ。
 本も読みたいけれど、寝坊をするわけにはいかないので、なるべく早く寝よう…。


 
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