眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~創立祭~

創立祭 9 ~娯楽~

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 二人のお腹も満腹になり、次は何を見に行くかと相談していたら、テイルさんが、飲食エリアの向こう側に、いろんな娯楽ゲームが有るので行ってみたらと言われたので、行くことにした。
 やっぱお祭りだから、ゲームなどの娯楽も用意されているようだ。
 どんなゲームがあるのだろう…。


 オルガ達は、焼きそばの屋台に板を返して、飲食エリアを抜け、娯楽ゲームがあると言う屋台の並んだエリアに来た。
 大人も子供も夢中になって、大きな歓喜の声を上げて、ゲームを楽しんでいる。
 賑やかだな…。
 そう思って、ふと見た看板に眼を疑った…。
 お金を払って、ゲームをして、景品をもらう…。
 オルガは、ソレに驚いた。
 『クルーラ』では、お金を払ってゲームで遊ぶ、遊ばせてもらう…と、言うことは無い。
 たいがい、一つしか無いものを巡って、ゲームで勝ち負けを決めたり、順番を決める事に使ったりする。
 熊族の町『ベイエル』でも、町の集まりで娯楽であるゲームをするのに、お金を払った事は無かった…。
 身内に近い集まりばかりだったからだろうか…。
 あっ…。
 もしかして、僕達が子供だから知らなくて、町では見てないだけで、お金を払って遊ぶゲームは有るのかも知れない…。
 それにゲームで『景品がもらえる』だから、景品代として『お金を支払う』と、言うことだろう…。
 う~ん…。
 僕には合わないかも…。
 景品が、どうしても欲しいモノだったりすると、気が変わるかも知れないけれど…。
 
 一緒に歩くフェイも『的当てをするのに、お金を払うんだ…』と、複雑そうな顔をしていた。
 毎日ではないけれど、『的当て』は、フェイにとっては鍛練の一つだもんね…。
 アレイは興味深そうに、一件一件覗いて見て回っている。
 アレイは目新しい事、好きだもんね…。
「あれ、面白そうじゃないか」
 アレイが指差したのは、斜めに立て掛けられた板の上から、ボールが転がってきて、ソレを下に有る箱で受け止めるゲーム。
 近づいて見ると、上から三センチから五センチくらいのボールが転がり、板に付いた釘や三角の障害物に当たって、転がる方向が変化し、なかなかボールの軌道が読めず、あたふたとしながらボールを箱にいれようと奮闘する大人がいた。
 看板を見ると、落ちてくるボールは五十個。
 ソレを箱に拾えた数で景品が決まるゲームだった。
 瞬発力と判断力が試されるようなゲームだ。
「アレ、やってくる!」
 アレイはそう言って、転がってくるボール拾いのゲームの屋台に向かった。


 オルガは、『クルーラ』から『グオルク』に来るときに、ヒナキさんからお小遣いをもらってきている。
 『折り魔紙』を折って納めているので、僕の元に入るお金はたくさん有るそうだが、ヒナキさんが貯蓄してくれている。
 『クルーラ』ではあまり使うことが無いし、『クルーラ』の外に出ても、だいたい大人が一緒にいるので、オルガが欲しい本やお菓子以外はあまり使わない…。
 何か欲しいものがあったら、オルガの貯蓄から出すので言って欲しい。と、言われるが、特に欲しいものなど無かった。
 『グオルク』に行くにあたって、大きな街に行けば、欲しくなる物も有るだろうと、少し多めにもらってきている。
 とは言え、宿や食事もほとんど込みでの仕事なので、今のところ使ったのは、屋台で買った昼ご飯くらいだ。
 こんな時くらい、こういった遊びにお金を使ってみるのも良いのかも知れないな…。
 そう思ったが、特に気になるものは無く、時々アレイが奮闘して遊ぶのを見て、フェイと一緒に笑っていた。
 

「あっ…」
 見つけてしまった…。
「どうした?」
「…。」
 オルガは無言で少し先に有るテントを、『リマ商会』のテントと同じくらいの大きさのお店のテントを指差した。
 本屋…古本屋だ…。
 有るかな…とは思っていたけれど、見つけてしまった…。
「僕、あそこのテントに行って良い?」
 ゲームより本の方に心が引かれた。
 コレだけ大きい街だ。
 いろんな本が置いてありそう…。
「相変わらずだな…」
 フェイが苦笑いすると、アレイが笑う。
「僕も見てみたい!なんか面白いの有るかな~」
 と、言うことで、オルガ達は古本屋のテントに向かった。

 



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