142 / 182
獣人の街グオルク ~創立祭~
創立祭 9 ~娯楽~
しおりを挟む
二人のお腹も満腹になり、次は何を見に行くかと相談していたら、テイルさんが、飲食エリアの向こう側に、いろんな娯楽ゲームが有るので行ってみたらと言われたので、行くことにした。
やっぱお祭りだから、ゲームなどの娯楽も用意されているようだ。
どんなゲームがあるのだろう…。
オルガ達は、焼きそばの屋台に板を返して、飲食エリアを抜け、娯楽ゲームがあると言う屋台の並んだエリアに来た。
大人も子供も夢中になって、大きな歓喜の声を上げて、ゲームを楽しんでいる。
賑やかだな…。
そう思って、ふと見た看板に眼を疑った…。
お金を払って、ゲームをして、景品をもらう…。
オルガは、ソレに驚いた。
『クルーラ』では、お金を払ってゲームで遊ぶ、遊ばせてもらう…と、言うことは無い。
たいがい、一つしか無いものを巡って、ゲームで勝ち負けを決めたり、順番を決める事に使ったりする。
熊族の町『ベイエル』でも、町の集まりで娯楽であるゲームをするのに、お金を払った事は無かった…。
身内に近い集まりばかりだったからだろうか…。
あっ…。
もしかして、僕達が子供だから知らなくて、町では見てないだけで、お金を払って遊ぶゲームは有るのかも知れない…。
それにゲームで『景品がもらえる』だから、景品代として『お金を支払う』と、言うことだろう…。
う~ん…。
僕には合わないかも…。
景品が、どうしても欲しいモノだったりすると、気が変わるかも知れないけれど…。
一緒に歩くフェイも『的当てをするのに、お金を払うんだ…』と、複雑そうな顔をしていた。
毎日ではないけれど、『的当て』は、フェイにとっては鍛練の一つだもんね…。
アレイは興味深そうに、一件一件覗いて見て回っている。
アレイは目新しい事、好きだもんね…。
「あれ、面白そうじゃないか」
アレイが指差したのは、斜めに立て掛けられた板の上から、ボールが転がってきて、ソレを下に有る箱で受け止めるゲーム。
近づいて見ると、上から三センチから五センチくらいのボールが転がり、板に付いた釘や三角の障害物に当たって、転がる方向が変化し、なかなかボールの軌道が読めず、あたふたとしながらボールを箱にいれようと奮闘する大人がいた。
看板を見ると、落ちてくるボールは五十個。
ソレを箱に拾えた数で景品が決まるゲームだった。
瞬発力と判断力が試されるようなゲームだ。
「アレ、やってくる!」
アレイはそう言って、転がってくるボール拾いのゲームの屋台に向かった。
オルガは、『クルーラ』から『グオルク』に来るときに、ヒナキさんからお小遣いをもらってきている。
『折り魔紙』を折って納めているので、僕の元に入るお金はたくさん有るそうだが、ヒナキさんが貯蓄してくれている。
『クルーラ』ではあまり使うことが無いし、『クルーラ』の外に出ても、だいたい大人が一緒にいるので、オルガが欲しい本やお菓子以外はあまり使わない…。
何か欲しいものがあったら、オルガの貯蓄から出すので言って欲しい。と、言われるが、特に欲しいものなど無かった。
『グオルク』に行くにあたって、大きな街に行けば、欲しくなる物も有るだろうと、少し多めにもらってきている。
とは言え、宿や食事もほとんど込みでの仕事なので、今のところ使ったのは、屋台で買った昼ご飯くらいだ。
こんな時くらい、こういった遊びにお金を使ってみるのも良いのかも知れないな…。
そう思ったが、特に気になるものは無く、時々アレイが奮闘して遊ぶのを見て、フェイと一緒に笑っていた。
「あっ…」
見つけてしまった…。
「どうした?」
「…。」
オルガは無言で少し先に有るテントを、『リマ商会』のテントと同じくらいの大きさのお店のテントを指差した。
本屋…古本屋だ…。
有るかな…とは思っていたけれど、見つけてしまった…。
「僕、あそこのテントに行って良い?」
ゲームより本の方に心が引かれた。
コレだけ大きい街だ。
いろんな本が置いてありそう…。
「相変わらずだな…」
フェイが苦笑いすると、アレイが笑う。
「僕も見てみたい!なんか面白いの有るかな~」
と、言うことで、オルガ達は古本屋のテントに向かった。
やっぱお祭りだから、ゲームなどの娯楽も用意されているようだ。
どんなゲームがあるのだろう…。
オルガ達は、焼きそばの屋台に板を返して、飲食エリアを抜け、娯楽ゲームがあると言う屋台の並んだエリアに来た。
大人も子供も夢中になって、大きな歓喜の声を上げて、ゲームを楽しんでいる。
賑やかだな…。
そう思って、ふと見た看板に眼を疑った…。
お金を払って、ゲームをして、景品をもらう…。
オルガは、ソレに驚いた。
『クルーラ』では、お金を払ってゲームで遊ぶ、遊ばせてもらう…と、言うことは無い。
たいがい、一つしか無いものを巡って、ゲームで勝ち負けを決めたり、順番を決める事に使ったりする。
熊族の町『ベイエル』でも、町の集まりで娯楽であるゲームをするのに、お金を払った事は無かった…。
身内に近い集まりばかりだったからだろうか…。
あっ…。
もしかして、僕達が子供だから知らなくて、町では見てないだけで、お金を払って遊ぶゲームは有るのかも知れない…。
それにゲームで『景品がもらえる』だから、景品代として『お金を支払う』と、言うことだろう…。
う~ん…。
僕には合わないかも…。
景品が、どうしても欲しいモノだったりすると、気が変わるかも知れないけれど…。
一緒に歩くフェイも『的当てをするのに、お金を払うんだ…』と、複雑そうな顔をしていた。
毎日ではないけれど、『的当て』は、フェイにとっては鍛練の一つだもんね…。
アレイは興味深そうに、一件一件覗いて見て回っている。
アレイは目新しい事、好きだもんね…。
「あれ、面白そうじゃないか」
アレイが指差したのは、斜めに立て掛けられた板の上から、ボールが転がってきて、ソレを下に有る箱で受け止めるゲーム。
近づいて見ると、上から三センチから五センチくらいのボールが転がり、板に付いた釘や三角の障害物に当たって、転がる方向が変化し、なかなかボールの軌道が読めず、あたふたとしながらボールを箱にいれようと奮闘する大人がいた。
看板を見ると、落ちてくるボールは五十個。
ソレを箱に拾えた数で景品が決まるゲームだった。
瞬発力と判断力が試されるようなゲームだ。
「アレ、やってくる!」
アレイはそう言って、転がってくるボール拾いのゲームの屋台に向かった。
オルガは、『クルーラ』から『グオルク』に来るときに、ヒナキさんからお小遣いをもらってきている。
『折り魔紙』を折って納めているので、僕の元に入るお金はたくさん有るそうだが、ヒナキさんが貯蓄してくれている。
『クルーラ』ではあまり使うことが無いし、『クルーラ』の外に出ても、だいたい大人が一緒にいるので、オルガが欲しい本やお菓子以外はあまり使わない…。
何か欲しいものがあったら、オルガの貯蓄から出すので言って欲しい。と、言われるが、特に欲しいものなど無かった。
『グオルク』に行くにあたって、大きな街に行けば、欲しくなる物も有るだろうと、少し多めにもらってきている。
とは言え、宿や食事もほとんど込みでの仕事なので、今のところ使ったのは、屋台で買った昼ご飯くらいだ。
こんな時くらい、こういった遊びにお金を使ってみるのも良いのかも知れないな…。
そう思ったが、特に気になるものは無く、時々アレイが奮闘して遊ぶのを見て、フェイと一緒に笑っていた。
「あっ…」
見つけてしまった…。
「どうした?」
「…。」
オルガは無言で少し先に有るテントを、『リマ商会』のテントと同じくらいの大きさのお店のテントを指差した。
本屋…古本屋だ…。
有るかな…とは思っていたけれど、見つけてしまった…。
「僕、あそこのテントに行って良い?」
ゲームより本の方に心が引かれた。
コレだけ大きい街だ。
いろんな本が置いてありそう…。
「相変わらずだな…」
フェイが苦笑いすると、アレイが笑う。
「僕も見てみたい!なんか面白いの有るかな~」
と、言うことで、オルガ達は古本屋のテントに向かった。
23
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる