141 / 182
獣人の街グオルク ~創立祭~
創立祭 8 ~食べます!~
しおりを挟む
「ココだよ」
ニヤリと笑うアレイに連れられて来たのは、昨日までいた、『リマ商会』のテント横の空いた場所だった。
そこには、昨日使っていたテーブルと椅子が出されていて、テーブルの上に袋に入ったものが三つ置かれ、ネオさんが椅子に座って微笑んでいた。
どういう事…?
オルガが首を傾げると、アレイが言った。
「途中で、ネオさんに会って、食べる場所を確保したのか聞かれて、「まだ」って話したら、「昨日の場所を使えば良いよ」って言ってくれたんだ」
アレイがそう説明してくれる。
そうだったのか…。
混雑していて、食べる場所が見つけられないと、せっかく買った物が冷めてしまう…。
グルグルと会場を回って、場所を見つけられなければ、焼きたてを食べようと言っていたのに、食べれなくなってしまう…。
ネオさんと話をして、食べれる場所を作ってくれたから、戻ってくるのが遅かったんだ。
「「ありがとうございます」」
フェイとオルガがネオさんにお礼を言う。
「気にしなくて良いよ。今日はこの場所を使わないしね。ほら、冷めない内に食べないと」
ネオさんに言われて、机の上に買ってきた食べ物を置いて椅子に座った。
そして買ってきた袋を開け、広げ出した僕達の食べ物を見て、ネオさんが唸った。
「野菜が無い…」
「えっと、焼きそばに少し入ってるけど…」
焼きそばには、少しだけ、キャベツとニンジンが入っている。
後は…串焼き、唐揚げは肉だ。
じゃがいもバター乗せ…じゃがいもも野菜だよね…?
ミンチ肉の包み揚げは、肉か…。
「育ち盛りなんだ。肉類だけでなく野菜も食べないと…」
そう言って、ネオさんが席を立って、何処かに行ってしまった。
言われて見れば、野菜は少ない…無いに等しいかも…。
「冷めない内に食べようぜ」
待ちきれないアレイがそう言って、三人は念願の焼きたて串焼きを食べ始めた。
串焼きは、冷めても美味しかったが、やはり焼きたては格別に美味しい!
美味い!
チラリと見れば、二人は僕が一本食べる間に、二本目を食べている…。
さすが…。
するとネオさんが戻ってきて、千切り野菜を薄皮で包んだ野菜ロールを六個、机の上に置いた。
「せめてコレだけでも食べなさい」
わざわざ買ってきてくれたんだ!
「「「ありがとうございます!」」」
そう言うと、ネオさんがニコリと微笑んだ。
続いてミンチ肉の包み揚げに、かぶりつくと、肉汁が口の中に広がって、コレはコレで美味しい!
脂っこくなく、思ったより食べやすい!
口休めに野菜巻きを食べて、焼きそば!
ちょっと麺が焦げてるのが、パリパリして美味しい!
唐揚げを食べて、じゃがいもバター乗せを食べて、野菜巻きを食べて、唐揚げを食べて…。
いつもより量を食べてしまってお腹がいっぱいだ…。
だが、フェイとアレイは足りなかったらしく、交代で屋台に向かって買いに行き、お腹が満たされるまで食べていた。
そして僕は、美味しそうに食べる二人を、ドリンクを飲みながら眺めた。
こんな風に、のんびりするのも、休日って感じかして、良いよね…。
「おっ、ココにいたのか…」
二人の食事が終わりかけた頃、そう言ってテイルさんがやって来た。
「「「こんにちわ!」」」
「こんにちわ。お前ら、甘いもの食べるか?」
そう言って、テイルさんが持っていた紙袋から、四角く畳んだクレープを取り出して見せてくれた。
「「「食べます!」」」
三人はニコニコと返事した。
甘いものは別腹だよね。
お腹が一杯だったけれど、甘いクレープをもらって、さらにお腹がいっぱいになりました。
ちょっと苦しい…。
テイルさんは『リマ商会』のテントの方に、差し入れでクレープを持ってきたようだ。
僕達も、もらって良かったのかな…。
二人のお腹も満腹になり、次は何を見に行くかと相談していたら、テイルさんが、飲食エリアの向こう側に、いろんな娯楽ゲームが有るので行ってみたらと言われたので、行くことにした。
やっぱお祭りだから、ゲームなどの娯楽も用意されているようだ。
どんなゲームがあるのだろう…。
ニヤリと笑うアレイに連れられて来たのは、昨日までいた、『リマ商会』のテント横の空いた場所だった。
そこには、昨日使っていたテーブルと椅子が出されていて、テーブルの上に袋に入ったものが三つ置かれ、ネオさんが椅子に座って微笑んでいた。
どういう事…?
オルガが首を傾げると、アレイが言った。
「途中で、ネオさんに会って、食べる場所を確保したのか聞かれて、「まだ」って話したら、「昨日の場所を使えば良いよ」って言ってくれたんだ」
アレイがそう説明してくれる。
そうだったのか…。
混雑していて、食べる場所が見つけられないと、せっかく買った物が冷めてしまう…。
グルグルと会場を回って、場所を見つけられなければ、焼きたてを食べようと言っていたのに、食べれなくなってしまう…。
ネオさんと話をして、食べれる場所を作ってくれたから、戻ってくるのが遅かったんだ。
「「ありがとうございます」」
フェイとオルガがネオさんにお礼を言う。
「気にしなくて良いよ。今日はこの場所を使わないしね。ほら、冷めない内に食べないと」
ネオさんに言われて、机の上に買ってきた食べ物を置いて椅子に座った。
そして買ってきた袋を開け、広げ出した僕達の食べ物を見て、ネオさんが唸った。
「野菜が無い…」
「えっと、焼きそばに少し入ってるけど…」
焼きそばには、少しだけ、キャベツとニンジンが入っている。
後は…串焼き、唐揚げは肉だ。
じゃがいもバター乗せ…じゃがいもも野菜だよね…?
ミンチ肉の包み揚げは、肉か…。
「育ち盛りなんだ。肉類だけでなく野菜も食べないと…」
そう言って、ネオさんが席を立って、何処かに行ってしまった。
言われて見れば、野菜は少ない…無いに等しいかも…。
「冷めない内に食べようぜ」
待ちきれないアレイがそう言って、三人は念願の焼きたて串焼きを食べ始めた。
串焼きは、冷めても美味しかったが、やはり焼きたては格別に美味しい!
美味い!
チラリと見れば、二人は僕が一本食べる間に、二本目を食べている…。
さすが…。
するとネオさんが戻ってきて、千切り野菜を薄皮で包んだ野菜ロールを六個、机の上に置いた。
「せめてコレだけでも食べなさい」
わざわざ買ってきてくれたんだ!
「「「ありがとうございます!」」」
そう言うと、ネオさんがニコリと微笑んだ。
続いてミンチ肉の包み揚げに、かぶりつくと、肉汁が口の中に広がって、コレはコレで美味しい!
脂っこくなく、思ったより食べやすい!
口休めに野菜巻きを食べて、焼きそば!
ちょっと麺が焦げてるのが、パリパリして美味しい!
唐揚げを食べて、じゃがいもバター乗せを食べて、野菜巻きを食べて、唐揚げを食べて…。
いつもより量を食べてしまってお腹がいっぱいだ…。
だが、フェイとアレイは足りなかったらしく、交代で屋台に向かって買いに行き、お腹が満たされるまで食べていた。
そして僕は、美味しそうに食べる二人を、ドリンクを飲みながら眺めた。
こんな風に、のんびりするのも、休日って感じかして、良いよね…。
「おっ、ココにいたのか…」
二人の食事が終わりかけた頃、そう言ってテイルさんがやって来た。
「「「こんにちわ!」」」
「こんにちわ。お前ら、甘いもの食べるか?」
そう言って、テイルさんが持っていた紙袋から、四角く畳んだクレープを取り出して見せてくれた。
「「「食べます!」」」
三人はニコニコと返事した。
甘いものは別腹だよね。
お腹が一杯だったけれど、甘いクレープをもらって、さらにお腹がいっぱいになりました。
ちょっと苦しい…。
テイルさんは『リマ商会』のテントの方に、差し入れでクレープを持ってきたようだ。
僕達も、もらって良かったのかな…。
二人のお腹も満腹になり、次は何を見に行くかと相談していたら、テイルさんが、飲食エリアの向こう側に、いろんな娯楽ゲームが有るので行ってみたらと言われたので、行くことにした。
やっぱお祭りだから、ゲームなどの娯楽も用意されているようだ。
どんなゲームがあるのだろう…。
2
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる