眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~創立祭~

創立祭 7 ~屋台~

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 僕達はいそいそと、飲食エリアへと向かった。

 一番最初に見えたのが、焼き菓子、ドライフルーツ、蒸し菓子などのお持ち帰りが出来る食べ物が並んだ屋台だった。
 昨日もらった焼き菓子なども、ココで売られているものばかりだ。
「ドライフルーツの屋台に!」
 オルガがそう言うと、アレイも声を上げる。
「僕は焼き菓子!」
「先に串焼きの店だろ!」
 フェイが苦笑いして、奥の方の、屋台で作っている食べ物のエリアに向かい、オルガがとアレイも慌てて付いていく。
「先にお腹を満たさないと…」
「そうだな」
「どれもこれも、いい匂い…」
 匂いに誘われて、ふらふらと屋台を覗きながら串焼きの店を探していく…。
 焼きそばのソースの焦げた匂いがたまらない…。
 焼き魚の香ばしい匂いが…。
 肉が焼ける、食欲をそそる匂いが…。
 目的の串焼きの店を見つけるが、えっと…十人並んでいる…。
 昼前…もうお昼だからな…。
「どうする」
「並ぼう!」
 三人は串焼きの列に並び、周囲の屋台を見て考える。
「他の店も並びだしたよね…」
「だよな…」
「それぞれ、手分けして買ってくるか?」
「その方が良いかも…」
 と、言うことで、串焼きの列にはフェイが並び、フェイとアレイが四本、オルガが二本、合計十本頼むことにした。
 他のも、いろいろ食べたいし、お腹に余裕を持たせるには、最小限にしておかないと…。
 オルガは焼きそばの屋台に、アレイは揚げ物の方へ…。
 揚げ物、いろいろ買って来るそうです。
 その話をしている間にも、串焼きの列に次々と並びだし、フェイの後ろには五人並んでいた。
 まだ並ぶよね…。
 今、一番並んでいるのが、串焼きの所なので、買い終わったらココに集合と言うことで、それぞれ目的の屋台に向かった。

 焼きそばの屋台は、二人しか並んでいなかったので、直ぐに購入出来た。
 ただ問題は、焼きそばを入れてある入れ物が、大きい葉っぱの先端と付け根を、小さい串で刺して皿にしているものだから、持てても二つまでだ。
 そしたら屋台のおじさんが、ワンコインで乗せる板を貸してくれると言うので、借りることにした。
 後で板を戻せば、コインは戻ってくるのだと言う…。
 そうじゃないと、板が戻ってこない時があるそうだ。
 なるほど…。
 でも、乗せる板を貸してくれるのは助かります。

 歩く人にぶつからないように、板に乗せた焼きそばを持って、串焼きに並んでいるフェイの所に戻ると、ちょうど次がフェイの番だった。
 通行する人の邪魔にならないように屋台の端の方に寄り、フェイが購入するのを待って、合流した。
 串焼きは五本単位だってので、十本でちょうど良かったようだ。
 しばらく待つが、アレイが戻ってこない…。
 どこまで買いに行っているんだろ…。
 揚げ物って言っていたから、唐揚げは絶対に買ってくるだろうし、後は…何か見つけたのだろうか…。
「食べる場所、どっか確保しようぜ」
 フェイがそう言って見渡したけれど、屋台と屋台の間に有る、テーブルと椅子の有る場所は、どこもいっぱいだ。
 時間が時間だしな…。
 そう思っていると、アレイが手ぶらで戻ってきた。
 えっ…買えなかったの?
 オルガとフェイが顔を見合せると、アレイがニコニコと微笑んで言った。
「食べる場所、確保したよ!」
 いつの間に…。
 もしかして、買ってきたのを置いてきた?
 大丈夫なのか…?
「あっ、飲み物だけ買って行こう」
 アレイはそう言って、フェイとオルガを連れて、飲食エリアの端に有るジュースの屋台でドリンクを三人分買うと、魔道具エリアの方に向かった。
「えっ、こっちに食べる場所有ったのか?」
「でも、こっちの方って、『リマ商会』のテントが有る方だよね…」
 あの周辺で、食べてる人が、いただろうか…。
 
「ココだよ」
 ニヤリと笑うアレイに連れられて来たのは、昨日までいた、『リマ商会』の横の空いた場所だった。

 
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