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獣人の街グオルク ~創立祭~
兎族の町ラビリス 2
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オルガが馬車乗り場に向かうと、ちょうどアレイとフェイが馬車から降りた所だった。
オルガは手を振り、それに気が付いた二人の視線がこっちを向いたので、微笑んだ。
アレイは、僕と一緒の斜め掛けの鞄をかけて、腰に短剣を付けた状態。
フェイは、リュックを担いで、腰に短剣を付けていた。
二人とも動きやすそうな格好で、こちらに向かって歩いてくる。
二人とも、僕より頭ひとつ分くらい身長が高くて、歩く姿も大人びていて、うらやましい…。
同じくらいの年齢なのに…。
人族と獣人族とでは、体型も違うのは分かってはいるけれど…。
アレイとフェイと合流すると、一緒に屋台に向かった。
二人はここぞとばかりに、いろいろと食べ物を購入していた。
いつも思うけど、その量がお腹に入っちゃうんだよな…。
食べ盛りなんだろうけれど…。
オルガはさっき少し食べて、あまりお腹が空いていなかったが、一緒に少量だけ食べた。
食べれるときにお腹を満たしておかないと、何が起こるか分からないからね。
お腹を満たした三人は、大通りを歩き、しばらく歩いて、一本横道に入る。
リリスさんがいる店は、ちょっと裏通り…。
人通りは少ないけれど、この辺りではちょっと大きめの店だ。
見覚えの有る店構えの店に入ると、入口付近はカウンターになっていて、商品は一切置いていない。
始めて来た時は、本当に服屋さん?と、思ったほど…。
オルガはカウンターに行き、リリスさんの名前と、『クルーラ』の『ラビ』の紹介状を渡す。
中を確認してもらって、カウンター横の部屋で待つように言われた。
部屋の中に入ると、応接室になっていて、ソファーとテーブルが有り、オルガはソファーに座った。
その後を、落ち着きが無いアレイとフェイが辺りをキョロキョロと見回しながら付いてきて、ソファーに座る。
「緊張する…」
「落ち着かない…」
「うん。分かる。僕も始めて来た時は、そんな感じだった」
僕だって来るのは二回目。
以前は、リリスさんが『ラビリス』に仕事場が移動する前。
リリスさんと一緒に来て、『魔法付与』された服を見学させてもらった時以来だ。
今思えば、あれってこっちに移動する前の、下見みたいなものだったんだよね…。
しばらくソワソワと応接室で待っていると、別の扉から、リリスさんがやってきた。
「いらっしゃい!待ってたよ!」
相変わらすの高いテンションで、ニコニコと微笑む兎族のリリスさん。
「こんにちわ。よろしくお願いします」
「「よろしくお願いします」」
これからリリスさんに、僕達に合う上着をみつくろってもらうのだ。
リリスさんの後をついて、別の部屋へ向かうと、『白の館』の食堂くらいの部屋に、ロングコート、ハーフコート、ジャケットなど、多くの服がハンガーにかけて並べられていた。
この中から僕達だけで選ぶのは無理だ。
「話だけは聞いていたから、合いそうなのを奥の部屋に準備してあるわよ。追加で何着か持っていくから、先に部屋に入っていて」
リリスさんはそう言って、並べられている服の中へ入っていった。
「「「…。」」」
アレイとフェイの方を見ると、もう、この時点で、気を張って疲れているようだ。
「とにかく、奥の部屋へ行こう」
オルガはそう言って、二人を連れて部屋の中に入っていった。
その後は、荷物を置いて、着せ替え人形状態…。
リリスさん以外に、二人の兎族のスタッフが増えて、キャアキャア言われながら、いろんな服を着せられました…。
そう言えば、『クルーラ』に来たばっかりの時、『ラビ』で同じような事が有ったよな…。
オルガは遠い目で、はしゃぐ彼女達を眺めていた。
アレイとフェイは、戸惑いながら着替えて、着替えて…。
最初の方で、付いていけなくなり、ぐったりとソファーに寝そべっている。
二人とも、こう言うのには、免疫無いからな…。
オルガは大きなタメ息をついて、もう少しリリスさん達の着せ替えに付き合うことにした。
オルガは深い緑色のフード付きのハーフコート。
アレイは僕と色違いの、茶色のフード付きのハーフコート。
大きさはもちろんアレイの方が大きい…。
フェイも、僕達と色違いの濃いグレーのフード付きのハーフコート。
内側に隠しポケットも付いているが、着ていても重たくはない。
一応、防御魔法付きだって言っていたけれど、それだけじゃないよね…。
何となくだけど…。
今回のハーフコートは新品ではなく中古品だ。
中古の古着とは言え、『クルーラ』で作られた『魔法付与』付きの服達…。
子供の僕達が高価な新品を着ていると、厄介な事に巻き込まれる可能性が有るので、見た目は古着だけど、見る人が見れば、『魔法付与』されているのが分かると言う品物だ。
厄介事はいりません。
やっと終わったと、思ったら、今度は靴、ブーツが出てきた…。
…あれ?
上着だけだったと思ったけれど…。
靴、ブーツも『魔法付与付き』だそうです。
僕のじゃなくって、アレイとフェイの分だね。
今、履いているブーツに近いものを持ってきてくれ、二人は困惑しながら選んでいる。
下に着ている服は仕方ないけれど、足元と上着を防御すれば、多少何か有っても、防げるだろう…って事だよね…。
こそっとリリスさんに確認したら、支払いは『クルーラ』のヒナキさんになっていた。
僕と一緒に行く二人の防御率を上げるためなのは、分かっていたけれど…。
相変わらず過保護だけど、ありがとうございます。
無事に帰るからね。
その後、疲れはてた二人と一緒に、リリスさんが手配してくれていた宿に行って、夕食を食べると、宿でゴロゴロして直ぐに眠ってしまった。
明日は『ラビリス』から半日くらいでたどり着く隣町、猫族の町『ミルーシャ』だ。
『白の館』の料理人、犬族のヨウドさんの紹介で、フェイが短剣の調達だ!
オルガは手を振り、それに気が付いた二人の視線がこっちを向いたので、微笑んだ。
アレイは、僕と一緒の斜め掛けの鞄をかけて、腰に短剣を付けた状態。
フェイは、リュックを担いで、腰に短剣を付けていた。
二人とも動きやすそうな格好で、こちらに向かって歩いてくる。
二人とも、僕より頭ひとつ分くらい身長が高くて、歩く姿も大人びていて、うらやましい…。
同じくらいの年齢なのに…。
人族と獣人族とでは、体型も違うのは分かってはいるけれど…。
アレイとフェイと合流すると、一緒に屋台に向かった。
二人はここぞとばかりに、いろいろと食べ物を購入していた。
いつも思うけど、その量がお腹に入っちゃうんだよな…。
食べ盛りなんだろうけれど…。
オルガはさっき少し食べて、あまりお腹が空いていなかったが、一緒に少量だけ食べた。
食べれるときにお腹を満たしておかないと、何が起こるか分からないからね。
お腹を満たした三人は、大通りを歩き、しばらく歩いて、一本横道に入る。
リリスさんがいる店は、ちょっと裏通り…。
人通りは少ないけれど、この辺りではちょっと大きめの店だ。
見覚えの有る店構えの店に入ると、入口付近はカウンターになっていて、商品は一切置いていない。
始めて来た時は、本当に服屋さん?と、思ったほど…。
オルガはカウンターに行き、リリスさんの名前と、『クルーラ』の『ラビ』の紹介状を渡す。
中を確認してもらって、カウンター横の部屋で待つように言われた。
部屋の中に入ると、応接室になっていて、ソファーとテーブルが有り、オルガはソファーに座った。
その後を、落ち着きが無いアレイとフェイが辺りをキョロキョロと見回しながら付いてきて、ソファーに座る。
「緊張する…」
「落ち着かない…」
「うん。分かる。僕も始めて来た時は、そんな感じだった」
僕だって来るのは二回目。
以前は、リリスさんが『ラビリス』に仕事場が移動する前。
リリスさんと一緒に来て、『魔法付与』された服を見学させてもらった時以来だ。
今思えば、あれってこっちに移動する前の、下見みたいなものだったんだよね…。
しばらくソワソワと応接室で待っていると、別の扉から、リリスさんがやってきた。
「いらっしゃい!待ってたよ!」
相変わらすの高いテンションで、ニコニコと微笑む兎族のリリスさん。
「こんにちわ。よろしくお願いします」
「「よろしくお願いします」」
これからリリスさんに、僕達に合う上着をみつくろってもらうのだ。
リリスさんの後をついて、別の部屋へ向かうと、『白の館』の食堂くらいの部屋に、ロングコート、ハーフコート、ジャケットなど、多くの服がハンガーにかけて並べられていた。
この中から僕達だけで選ぶのは無理だ。
「話だけは聞いていたから、合いそうなのを奥の部屋に準備してあるわよ。追加で何着か持っていくから、先に部屋に入っていて」
リリスさんはそう言って、並べられている服の中へ入っていった。
「「「…。」」」
アレイとフェイの方を見ると、もう、この時点で、気を張って疲れているようだ。
「とにかく、奥の部屋へ行こう」
オルガはそう言って、二人を連れて部屋の中に入っていった。
その後は、荷物を置いて、着せ替え人形状態…。
リリスさん以外に、二人の兎族のスタッフが増えて、キャアキャア言われながら、いろんな服を着せられました…。
そう言えば、『クルーラ』に来たばっかりの時、『ラビ』で同じような事が有ったよな…。
オルガは遠い目で、はしゃぐ彼女達を眺めていた。
アレイとフェイは、戸惑いながら着替えて、着替えて…。
最初の方で、付いていけなくなり、ぐったりとソファーに寝そべっている。
二人とも、こう言うのには、免疫無いからな…。
オルガは大きなタメ息をついて、もう少しリリスさん達の着せ替えに付き合うことにした。
オルガは深い緑色のフード付きのハーフコート。
アレイは僕と色違いの、茶色のフード付きのハーフコート。
大きさはもちろんアレイの方が大きい…。
フェイも、僕達と色違いの濃いグレーのフード付きのハーフコート。
内側に隠しポケットも付いているが、着ていても重たくはない。
一応、防御魔法付きだって言っていたけれど、それだけじゃないよね…。
何となくだけど…。
今回のハーフコートは新品ではなく中古品だ。
中古の古着とは言え、『クルーラ』で作られた『魔法付与』付きの服達…。
子供の僕達が高価な新品を着ていると、厄介な事に巻き込まれる可能性が有るので、見た目は古着だけど、見る人が見れば、『魔法付与』されているのが分かると言う品物だ。
厄介事はいりません。
やっと終わったと、思ったら、今度は靴、ブーツが出てきた…。
…あれ?
上着だけだったと思ったけれど…。
靴、ブーツも『魔法付与付き』だそうです。
僕のじゃなくって、アレイとフェイの分だね。
今、履いているブーツに近いものを持ってきてくれ、二人は困惑しながら選んでいる。
下に着ている服は仕方ないけれど、足元と上着を防御すれば、多少何か有っても、防げるだろう…って事だよね…。
こそっとリリスさんに確認したら、支払いは『クルーラ』のヒナキさんになっていた。
僕と一緒に行く二人の防御率を上げるためなのは、分かっていたけれど…。
相変わらず過保護だけど、ありがとうございます。
無事に帰るからね。
その後、疲れはてた二人と一緒に、リリスさんが手配してくれていた宿に行って、夕食を食べると、宿でゴロゴロして直ぐに眠ってしまった。
明日は『ラビリス』から半日くらいでたどり着く隣町、猫族の町『ミルーシャ』だ。
『白の館』の料理人、犬族のヨウドさんの紹介で、フェイが短剣の調達だ!
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