眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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熊族の町ベイエル

魔法の練習 3

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 アレイがニコニコと、ため池の方に向かって歩いて来た。
 あれ?
 後半も、魔法剣の練習をするって言ってたのに…。


「オルガ。後半は、僕もこっちで練習するよ」
「魔法剣は?」
 もしかして、魔法剣…出来ちゃったとか…。
「剣に風魔法をまとえたよ!」
「すごい!」
 もともとアレイは、魔力操作は得意な方だ。
 前半の授業の間に、剣にまとわせれるようになるなんて…。
「それも、イカズチが出た!バチバチって!雷属性が出現したよ!」
 アレイが興奮気味に言う。
「か、雷属性!」
 それって希少な属性だし、学校での授業では危険なんでは…。
「だから、習得したかったら、週に一度は警備隊の訓練に来なさいって言われた」
「もちろん行くよね」
「うん!」
 アレイはニコニコと微笑んだ。
 アレイも僕と一緒で、リシトやリキヤのように腕力が無いから、遠距離攻撃をすることが出来るイカズチは、向いているのかもしれない。
 それに、いろいろと試してみると、自分が使える新しい魔法が見えてくるのって楽しいよね…。

 
 後半の授業は、再び水の上に板を乗せて乗るところから…。
 ため池の一つに集まり、最初に前半に板に十秒乗せた者達から披露して、もう一つのため池の方へ移動した。
 前半、最初に乗れたのは六人だったが、その後、何人も乗れるようになり、残ったのは五人だった。
 もちろんアレイは風魔法を使って乗りこなし、直ぐに僕達と合流した。

「板の上に乗って、水の上を移動する事に興味は有るか?」
「「「有ります!」」」
「「「やりたい!」」」
 さっき見たばっかりなんだから、もちろん、やってみたいよ!
 フウさんとスイさんが微笑んで説明してくれた。
 まずは、風魔法。
 板に乗って、ゆっくりと風で身体を押すように練習する事。
 風が強すぎると身体だけが板から落ちるし、弱すぎると進まない。
 風の強さの調整次第で、直ぐに進めるようになるとの事。
 水魔法は、水面を揺らして板を動かす。
 揺らしすぎると板の上に乗ってられないで注意。
 その事を踏まえて、板をもって板乗りを教えてもらうことになった。

 ため池の幅は、両手を広げて三人並んで、少し余裕があるくらい…。
 三人づつ、ため池に板を置いて、自分の得意な方の風魔法か水魔法を使って前に進む。
 最初に板の上に乗れた順に、ため池に並んだ。
 オルガは一番前だったので、ため池に板を置き、板の上に乗る。
 風魔法を使って、身体のバランスを取り、ゆっくりと背中側から風で身体を押した。
 背中だけだと前に倒れそうになったので、身体全体に風が当たるように調整してゆっくりと進む。
「う、動いた!」
 動き始めてからが、また難しい…。
 足場は水の上の板なので、安定感がないから足腰に力を入れて踏ん張って…押す風に負けないように身体を固定させて…。
 オルガはゆっくりとだが、板の上に乗って、向こう岸までたどり着いたが、気を張りすぎて、汗がびっしょりだった。
 た、たどり着いた…。
 ため池から上がると、その場に座り込んでしまった。
「…はぁ…はぁ…」
 結構身体に来る…。
 全身、筋肉痛になってしまいそうだ…。
 隣で一緒に板に乗った子は、ため池の真ん中へんでクルクルと回っている…。
 風の方向が一定になってないんだ…。
 その内に、目が回ったのか、ポチャンとため池に落ちていた。
 その後も順番に、板乗りをして、こちらに向かって少しづつ移動してくる…。
 風が強すぎて、途中でため池に落ちたり、一定にならなくて、早くなったり遅くなったりを繰り返し、なんとかたどり着いた子もいた。
 魔力調整を一定にするって大事なことだな…オルガはそう思った。


 少し休憩してから、オルガは、再び風魔法で浮遊する練習に入った。
 板で水の上を移動する練習をしたい子はそのまま、ため池に残り、前半の続きをしたい子は、フウさんの元に集まった。
 前半、水魔法で水面を固定させる練習をしていた子達は、板に乗って移動する方法を習得するらしく、ため池に板を浮かべて練習を始めた。
 無理して水面を固定させなくても良いもんね…。
 水面を移動出来れば良いんだから…。

 オルガとアレイ、リシトは風魔法を使って一定の高さで浮遊する練習を始めた。
 前半と同じ様に、魔力を全身にまとい、ゆっくりと浮遊…。
 少しは早く、浮遊出来るようになったよね…。
 一定の時間、浮遊すると休憩をして、また浮遊する…。
 それを三回繰り返し、最後には疲れてしまって、ぐったりと地面に寝転んだ。
 横目に見ると、アレイもリシトも、同じ状態…。
 さすがに体力の限界みたいだ。
 休憩していると、フウさんが話し始めた。
「浮遊するの魔力量が分かれば、タイミング次第で、高く飛べるようになるぞ」
 その言葉に、身体は動かないが、頭を動かして、フウさんの方を見た。

「午後の予定が無いのなら、練習していくか?」


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