眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域

風を司るもの 2

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 オルガの肩に白い鳥が留まり、風の珠を作る練習の手伝いをしているようだった。
 なんか、可愛いな…。
 オルガはチラリと横目で白い鳥を見る。
「風の珠に集中しろよ」
 ヒナキさんにそう言われて風の珠に視線を戻すと、ぐにゃぐにゃと変形した風の珠があり、慌てて意識を集中する。
 すると、風の珠は元の丸い形に戻ってグルグルと渦巻いていた。
 気を散らしすぎてはいけない…。
 風の珠が安定するまで、集中しないと…。
 そう思っているうちに、白い鳥は羽ばたいて、オルガの肩から飛び立って行った。
「…。」
 すると、急に身体を抜ける魔素の風を強く感じた。
 やっぱり白い鳥が手助けしてくれている…。
 オルガは風の珠を作りながら、疑問に思ったことをヒナキさんに聞いた。
「白い鳥、『風霊ふうれい』が、魔力制御を手伝ってくれているの?」
「そうとも言えるし、そうでも無いもとも言える」
 ヒナキさんの話しによると、『風霊ふうれい』達は、いろいろな姿をしていて、今、僕の目の前では白い鳥の姿をしているだけらしい…。
 基本的に気まぐれだから、興味を持ったモノに…今は僕に、ちょっかいを出しているのだと…。
 仲良くなると、風魔法を使うとき、補佐してくれたり、手助けをしてくれるようになり、その対価に自分の魔力を少し上げるのだと言う…。
 『クルーラ』ではあまり無いが、外の世界で『風霊ふうれい』と仲良くしておくと、風魔法の強化になるので、良いそうだ。
 と、言っても、いまいちピンと来ない。
 するとリーンさんの話をしてくれた。

 リーンさんは『クルーラ』の外に出ることが多いので、『風霊ふうれい』に、よくお願いしているそうだ。
 急いで移動するとき、上空に飛び上がるとき、侵入者が来たら教えてくれるように、などなど…。
 『クルーラ』では必要ないお願いだ。
「『クルーラ』の外に出たとき、『風霊ふうれい』達の気配を感じて、お願いすれば、気まぐれに力を貸してくれるから、今のうちにしっかりと懐かせておくと良いぞ」
 とは言うものの、どうやって「懐かせる」んだ?
 ヒナキさんはニヤニヤと笑って言う。
「いつものように、練習してれば懐いてくれるよ」
 僕の疑問にヒナキさんは答えてくれる。
 はい…。
 とりあえず、風の珠の練習だね。


 今日も『回廊』で風の珠を作っていると、白い鳥がやって来て、僕の肩に留まって、毛繕いを始めた。
 しばらくすると、頭の上になにかが触れた。
「…?」
 なんだろう…。
 そう思ったら、ヒナキさんが急に笑い出した。
 えっ、何?
 もしかして、さっきの…別の鳥がいる…?
 オルガがそっと横を向くと、白い鳥は肩にいる。
 ヒナキさんが、頭の上を指差す。
 えっと…頭の上…?
 重みを感じないから、ソコに居るのは分からない。
 でも、ヒナキさんがそう言うなら、頭の上にいるのだろう…。
 それに、魔素の当たりも弱くなってる…。
 とりあえず、僕は風の珠に集中するだけだ。
 頭の上に居るって事は、懐いてくれたのかな…。


 それから何度か『回廊』で風の珠の練習をして、オルガは『風霊ふうれい』の鳥達のおかげで、だいぶん風の珠を安定して維持できるようになった。
 なので次の段階、風魔法を使って、『シュリケン』を操る練習になった。

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