85 / 182
森の聖域
魔素石の採取 3
しおりを挟む
オルガは魔素石を拾いながら、形より、数を拾って、丸みを帯びたものがたくさん有ることを願った。
浅瀬の川に入り、魔素石を拾い初めて、三十分もする頃、オルガは腰が痛くなって、背を伸ばし、コンコンと腰を叩いていいた。
腰が痛い…。
何度も背を伸ばしながら腰を叩く。
水面を覗き込んで、屈んでばかりいるので、無理な体勢に腰が悲鳴をあげていた。
魔素石はそれほど拾えていない。
カゴの中には、いろんな形の石が入れてあり、後で角張った石だけ別に取り出そうと思ったからだ。
ペレスの方を見ると、同じように背を伸ばして、腰を叩き、オルガの方を向いた。
「そろそろ、小休憩しようか」
小休憩!
ペレスはそう言って、岸に向かって歩き出した。
さすがに腰、痛いもんね…。
オルガも魔素石の入ったカゴを持って、岸辺に向かった。
岸辺に上がったオルガは、地面にドンと座って大きなタメ息をついた。
水から上がったとたん、足が重く感じたのだ。
それに、カゴの中は角張った魔素石ばかりだ。
ペレスが隣にやって来て、オルガのカゴの中を見る。
「仕分けをしてしまおう」
「うん」
オルガは頷いて、ペレスに手伝ってもらいながら魔素石の仕分けをする。
う~ん。
半分以上が、角張った魔素石だ…。
予想以上に角張った魔素石が多い…。
はぁ…。
オルガは再び大きなタメ息をついた。
「角張った魔素石を上流に持っていけば、ここに流れてくるまでに丸みを帯びるから、無駄ではないんだぞ」
落ち込んでいるのに気が付いたペレスがそう言ってくる。
そうだよね…。
無駄ではないんだよね…。
ペレスがそう言ってくれて、少しホッとした。
仕分けが終わると靴を履いて、カゴを持って、拠点になる小屋に向かった。
そこには雑用屋ベルの魔素石の加工をしていた、犬族のボルボさんがいた。
僕達より後に川辺に来たのだろう。
外に広げられた目の細かいザルの上に魔素石が広げられていて、集められた魔素石をさらに仕分けしているようだ。
僕達が持ってきたカゴに入った石を置き、新しいカゴをもらって再びさっきの川辺に戻った。
「もう少し休憩したら、再開しよう」
「うん」
意外と重労働だから、しっかりと休憩をとって、頑張るぞ!
その後、同じことを二回繰り返し、拠点の小屋で休憩となった。
さすがに疲れた。
足を水に浸けたままの作業は、以外に負担がかかるのだと思った。
拠点の小屋の中は、入って右側にテーブルが置いてあり、休憩用のサンドイッチとマフィン、飲み物、グラスなどが置いてあった。
自由に選んで飲み食いすれば良いらしい。
やった!
入って左側には、腰の高さくらいに、少し傾斜のついた網が奥まで繋がっていて、その下にカゴが置かれている。
これは何をするものなのだろう。
気になってペレスに聞くと、魔素石の大きさを分別するのに使うそうだ。
大きさの分別?
オルガが首を傾げると、小屋の前で仕分けをしていた犬族のボルボさんが小屋に入ってきた。
「どうした?」
「魔素石の分別って、どうやってするの?」
オルガが聞くと、ボルボさんは手にしていたカゴに入った魔素石を見せてくれる。
「魔素石を、ここから入れると傾斜を滑って行って、網目から落ちるようになっている。網目の大きさを変えてあるから、それぞれの大きさで分けられるぞ」
網目の大きさが違う?
オルガは小屋の奥へと進み、傾斜のついた網目を眺める。
本当だ!
手前の網目は細かくて、奥に行くほど荒くなっている。
「入れるから、そこで見ていろ」
そう言って、ボルボさんが魔素石を、一番上の網目の上に入れた。
シャーッと言う音と共に、魔素石が傾斜を下りてきて、網目から下に落ちてカゴの中に入っていく…。
…面白い。
そして、どの網目にも潜れなかった大きさは、最後のカゴの中にゴトリと落ちて行った。
「すごいね」
「これのおかげで、分別はだいぶん楽になったんだぞ」
ボルボさんはそう言って微笑む。
昔は、魔素石を採取して、『クルーラ』に持って帰ってから、大きさを分別していたそうだ。
持ち運び出来る小屋が出来てからは、小屋の中を魔素石採取用に作り替えて運ぶので、『クルーラ』に持って帰ったら、直ぐに研磨作業に入れるそうだ。
なるほど。
だから魔素石を研磨しているボルボさんが、ここの担当なんだ。
ペレスとオルガは休憩用のサンドイッチとマフィン、飲み物をグラスに入れて、小屋の外に出て、小屋の木陰で腰をおろした。
朝早かったのも有るし、果樹の採取より体力を使ったのか、お腹が空いていた。
無言で食べて、一息付くと、オルガは目の前の景色の穏やかさに、癒された。
青い空、緑に輝く山、ときどき風に揺れる木の葉、川のせせらぎ、草原を撫でる風…。
所々に小さな花も咲いていて、風もないのに動いているから、虫でもいるのだろう…。
ぼんやりとその風景を眺めていると、ペレスに「そろそろ作業を始めるぞ」と言われ、思い腰を上げた。
その後、三回同じような事を繰り返し、昼前になってので今日は終了となった。
腰が痛いし、足も重い…。
明日は筋肉痛になっていそうだ…。
浅瀬の川に入り、魔素石を拾い初めて、三十分もする頃、オルガは腰が痛くなって、背を伸ばし、コンコンと腰を叩いていいた。
腰が痛い…。
何度も背を伸ばしながら腰を叩く。
水面を覗き込んで、屈んでばかりいるので、無理な体勢に腰が悲鳴をあげていた。
魔素石はそれほど拾えていない。
カゴの中には、いろんな形の石が入れてあり、後で角張った石だけ別に取り出そうと思ったからだ。
ペレスの方を見ると、同じように背を伸ばして、腰を叩き、オルガの方を向いた。
「そろそろ、小休憩しようか」
小休憩!
ペレスはそう言って、岸に向かって歩き出した。
さすがに腰、痛いもんね…。
オルガも魔素石の入ったカゴを持って、岸辺に向かった。
岸辺に上がったオルガは、地面にドンと座って大きなタメ息をついた。
水から上がったとたん、足が重く感じたのだ。
それに、カゴの中は角張った魔素石ばかりだ。
ペレスが隣にやって来て、オルガのカゴの中を見る。
「仕分けをしてしまおう」
「うん」
オルガは頷いて、ペレスに手伝ってもらいながら魔素石の仕分けをする。
う~ん。
半分以上が、角張った魔素石だ…。
予想以上に角張った魔素石が多い…。
はぁ…。
オルガは再び大きなタメ息をついた。
「角張った魔素石を上流に持っていけば、ここに流れてくるまでに丸みを帯びるから、無駄ではないんだぞ」
落ち込んでいるのに気が付いたペレスがそう言ってくる。
そうだよね…。
無駄ではないんだよね…。
ペレスがそう言ってくれて、少しホッとした。
仕分けが終わると靴を履いて、カゴを持って、拠点になる小屋に向かった。
そこには雑用屋ベルの魔素石の加工をしていた、犬族のボルボさんがいた。
僕達より後に川辺に来たのだろう。
外に広げられた目の細かいザルの上に魔素石が広げられていて、集められた魔素石をさらに仕分けしているようだ。
僕達が持ってきたカゴに入った石を置き、新しいカゴをもらって再びさっきの川辺に戻った。
「もう少し休憩したら、再開しよう」
「うん」
意外と重労働だから、しっかりと休憩をとって、頑張るぞ!
その後、同じことを二回繰り返し、拠点の小屋で休憩となった。
さすがに疲れた。
足を水に浸けたままの作業は、以外に負担がかかるのだと思った。
拠点の小屋の中は、入って右側にテーブルが置いてあり、休憩用のサンドイッチとマフィン、飲み物、グラスなどが置いてあった。
自由に選んで飲み食いすれば良いらしい。
やった!
入って左側には、腰の高さくらいに、少し傾斜のついた網が奥まで繋がっていて、その下にカゴが置かれている。
これは何をするものなのだろう。
気になってペレスに聞くと、魔素石の大きさを分別するのに使うそうだ。
大きさの分別?
オルガが首を傾げると、小屋の前で仕分けをしていた犬族のボルボさんが小屋に入ってきた。
「どうした?」
「魔素石の分別って、どうやってするの?」
オルガが聞くと、ボルボさんは手にしていたカゴに入った魔素石を見せてくれる。
「魔素石を、ここから入れると傾斜を滑って行って、網目から落ちるようになっている。網目の大きさを変えてあるから、それぞれの大きさで分けられるぞ」
網目の大きさが違う?
オルガは小屋の奥へと進み、傾斜のついた網目を眺める。
本当だ!
手前の網目は細かくて、奥に行くほど荒くなっている。
「入れるから、そこで見ていろ」
そう言って、ボルボさんが魔素石を、一番上の網目の上に入れた。
シャーッと言う音と共に、魔素石が傾斜を下りてきて、網目から下に落ちてカゴの中に入っていく…。
…面白い。
そして、どの網目にも潜れなかった大きさは、最後のカゴの中にゴトリと落ちて行った。
「すごいね」
「これのおかげで、分別はだいぶん楽になったんだぞ」
ボルボさんはそう言って微笑む。
昔は、魔素石を採取して、『クルーラ』に持って帰ってから、大きさを分別していたそうだ。
持ち運び出来る小屋が出来てからは、小屋の中を魔素石採取用に作り替えて運ぶので、『クルーラ』に持って帰ったら、直ぐに研磨作業に入れるそうだ。
なるほど。
だから魔素石を研磨しているボルボさんが、ここの担当なんだ。
ペレスとオルガは休憩用のサンドイッチとマフィン、飲み物をグラスに入れて、小屋の外に出て、小屋の木陰で腰をおろした。
朝早かったのも有るし、果樹の採取より体力を使ったのか、お腹が空いていた。
無言で食べて、一息付くと、オルガは目の前の景色の穏やかさに、癒された。
青い空、緑に輝く山、ときどき風に揺れる木の葉、川のせせらぎ、草原を撫でる風…。
所々に小さな花も咲いていて、風もないのに動いているから、虫でもいるのだろう…。
ぼんやりとその風景を眺めていると、ペレスに「そろそろ作業を始めるぞ」と言われ、思い腰を上げた。
その後、三回同じような事を繰り返し、昼前になってので今日は終了となった。
腰が痛いし、足も重い…。
明日は筋肉痛になっていそうだ…。
5
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる