眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域

魔素石の採取 3

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 オルガは魔素石を拾いながら、形より、数を拾って、丸みを帯びたものがたくさん有ることを願った。
 
 浅瀬の川に入り、魔素石を拾い初めて、三十分もする頃、オルガは腰が痛くなって、背を伸ばし、コンコンと腰を叩いていいた。
 腰が痛い…。
 何度も背を伸ばしながら腰を叩く。
 水面を覗き込んで、屈んでばかりいるので、無理な体勢に腰が悲鳴をあげていた。
 魔素石はそれほど拾えていない。
 カゴの中には、いろんな形の石が入れてあり、後で角張った石だけ別に取り出そうと思ったからだ。
 ペレスの方を見ると、同じように背を伸ばして、腰を叩き、オルガの方を向いた。
「そろそろ、小休憩しようか」
 小休憩!
 ペレスはそう言って、岸に向かって歩き出した。
 さすがに腰、痛いもんね…。
 オルガも魔素石の入ったカゴを持って、岸辺に向かった。


 岸辺に上がったオルガは、地面にドンと座って大きなタメ息をついた。
 水から上がったとたん、足が重く感じたのだ。
 それに、カゴの中は角張った魔素石ばかりだ。
 ペレスが隣にやって来て、オルガのカゴの中を見る。
「仕分けをしてしまおう」
「うん」
 オルガは頷いて、ペレスに手伝ってもらいながら魔素石の仕分けをする。
 う~ん。
 半分以上が、角張った魔素石だ…。
 予想以上に角張った魔素石が多い…。
 はぁ…。
 オルガは再び大きなタメ息をついた。
「角張った魔素石を上流に持っていけば、ここに流れてくるまでに丸みを帯びるから、無駄ではないんだぞ」
 落ち込んでいるのに気が付いたペレスがそう言ってくる。
 そうだよね…。
 無駄ではないんだよね…。
 ペレスがそう言ってくれて、少しホッとした。

 仕分けが終わると靴を履いて、カゴを持って、拠点になる小屋に向かった。
 そこには雑用屋ベルの魔素石の加工をしていた、犬族のボルボさんがいた。
 僕達より後に川辺に来たのだろう。
 外に広げられた目の細かいザルの上に魔素石が広げられていて、集められた魔素石をさらに仕分けしているようだ。
 僕達が持ってきたカゴに入った石を置き、新しいカゴをもらって再びさっきの川辺に戻った。
「もう少し休憩したら、再開しよう」
「うん」
 意外と重労働だから、しっかりと休憩をとって、頑張るぞ!


 その後、同じことを二回繰り返し、拠点の小屋で休憩となった。
 さすがに疲れた。
 足を水に浸けたままの作業は、以外に負担がかかるのだと思った。
 拠点の小屋の中は、入って右側にテーブルが置いてあり、休憩用のサンドイッチとマフィン、飲み物、グラスなどが置いてあった。
 自由に選んで飲み食いすれば良いらしい。
 やった!
 入って左側には、腰の高さくらいに、少し傾斜のついた網が奥まで繋がっていて、その下にカゴが置かれている。
 これは何をするものなのだろう。
 気になってペレスに聞くと、魔素石の大きさを分別するのに使うそうだ。
 大きさの分別?
 オルガが首を傾げると、小屋の前で仕分けをしていた犬族のボルボさんが小屋に入ってきた。
「どうした?」
「魔素石の分別って、どうやってするの?」
 オルガが聞くと、ボルボさんは手にしていたカゴに入った魔素石を見せてくれる。
「魔素石を、ここから入れると傾斜を滑って行って、網目から落ちるようになっている。網目の大きさを変えてあるから、それぞれの大きさで分けられるぞ」
 網目の大きさが違う?
 オルガは小屋の奥へと進み、傾斜のついた網目を眺める。
 本当だ!
 手前の網目は細かくて、奥に行くほど荒くなっている。
「入れるから、そこで見ていろ」
 そう言って、ボルボさんが魔素石を、一番上の網目の上に入れた。
 シャーッと言う音と共に、魔素石が傾斜を下りてきて、網目から下に落ちてカゴの中に入っていく…。
 …面白い。
 そして、どの網目にも潜れなかった大きさは、最後のカゴの中にゴトリと落ちて行った。
「すごいね」
「これのおかげで、分別はだいぶん楽になったんだぞ」
 ボルボさんはそう言って微笑む。
 昔は、魔素石を採取して、『クルーラ』に持って帰ってから、大きさを分別していたそうだ。
 持ち運び出来る小屋が出来てからは、小屋の中を魔素石採取用に作り替えて運ぶので、『クルーラ』に持って帰ったら、直ぐに研磨作業に入れるそうだ。
 なるほど。
 だから魔素石を研磨しているボルボさんが、ここの担当なんだ。

 
 ペレスとオルガは休憩用のサンドイッチとマフィン、飲み物をグラスに入れて、小屋の外に出て、小屋の木陰で腰をおろした。
 朝早かったのも有るし、果樹の採取より体力を使ったのか、お腹が空いていた。
 無言で食べて、一息付くと、オルガは目の前の景色の穏やかさに、癒された。
 青い空、緑に輝く山、ときどき風に揺れる木の葉、川のせせらぎ、草原を撫でる風…。
 所々に小さな花も咲いていて、風もないのに動いているから、虫でもいるのだろう…。
 ぼんやりとその風景を眺めていると、ペレスに「そろそろ作業を始めるぞ」と言われ、思い腰を上げた。

 その後、三回同じような事を繰り返し、昼前になってので今日は終了となった。
 
 腰が痛いし、足も重い…。
 明日は筋肉痛になっていそうだ…。




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