眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域

収穫 1

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 ヒナキさんと何度か回廊に行って、魔素の受け流しの練習をして、『クルーラ』に戻っても、違和感を感じなくなってきた頃、やっと『聖域』での収穫に参加させてもらえるようになった。
 そして、『聖域』で収穫する時の、注意事項を教えられた。
 折り魔紙マシの『クロス』を必ず持つこと。
 身体に異変を感じたら、『クロス』に魔力を入れて、近くにいる人に伝え、速やかに『クルーラ』に戻ること。
 収穫するモノは、強い魔素を含んでいるので、絶対に食べないこと。
 など…。

 日の出と共に『聖域』に入って収穫するので、今日は早めに寝るように言われた。
 日の出と共にか…。
 明日は寝坊するといけないので、呼びに来てくれるそうだ。
 寝過ごしそうなので、よろしくお願いします。
 オルガはワクワクしながらベットに身体を横たえた。


 朝。
 まだ、外が暗い時間に起こされた。
「…。」
 眠い…。
 オルガはノロノロと着替えて、食堂に顔を出す。
 今日、一緒に収穫に行くメンバーがすでに集まっていて、朝食を食べていた。
「…。」
 眠い…。
 目を擦りながら軽めの朝食を食べ、回廊に向かう。
 そんな僕の隣を歩くのは、犬族のペレスだ。
 『白の館』では、よく一緒に話をする、仲の良い友達だ。
 今日は、僕が始めての収穫作業なので、一緒に説明しながら収穫するそうだ。
 ペレスは仕事が休みだけど、『聖域』の収穫の手伝いをすると、休みではないような気がしたが、『クルーラ』では率先して収穫の手伝いをするようだ。
 なぜなら、収穫の手伝いをすれば、果実のドライフルーツがもらえるからだ。
 うん、欲しいよね…。
 『聖域』のドライフルーツは魔力補充、免疫力アップなどの効果があり、『クルーラ』の外でも人気の商品だ。
 手伝いをした分だけ、後からドライフルーツをもらえるとなれば、うん、手伝う。
 
 少し明るくなってきた道を歩いて、回廊の前まで来ると、まだ、回廊は開いておらず、入り口前で、みんな待機していた。
 『クルーラ』は日の出と共に道が開き、日の入りと共に道が閉じるようになっているので、日の出まで、もう少し時間があるようだ。
 そこで簡単な打ち合わせ。
 今日の収穫するのはベリー。
 ベリーは五色有るので、五ケ所に別れて収穫する。
 僕達は、一番分かりやすい赤色のベリーの担当だ。

 そんな話をしていると、日が昇り、『聖域』と『クルーラ』を繋ぐ回廊が虹色に光り、回廊の道が開いた。
 初めて見る光景に茫然としていると、みんな回廊に向かって歩き出したので、慌てて追いかけた。
 朝一番でしか見れない光景…。
 ほんの一瞬の輝き…。
 あれが毎日になってくると、慣れてしまうのかな…。
 前を歩く収穫のメンバーの背中を見ながら思った。

 僕はペレスと並んで回廊を歩き、『聖域』に向かった。
 収穫の時間は午前中だけ。
 たくさん収穫しすぎても、ソレを処理して加工するのに時間がかかるため、午前中だけだそうだ。
 果物屋さんの店頭に並ぶまでには、いろいろとしなくてはいけない事が有るみたいだ。
 
 回廊を抜けると、直ぐに左に曲がり、果樹園の方に向かった。
 果樹園の方に、この間、ヒナキさんと来た時には無かった小屋が有った。
 もしかして、短時間で建てた?
 不思議に思ってペレスに聞くと、あれは持ち運び用の小屋だそうだ。
 持ち運び用の小屋…。
 あんなに大きい小屋をどうやって運ぶのだろう…。
 ペレスは楽しそうに説明してくれた。
 空間魔法が掛けられている収納鞄に入れて持ち運びするのだとか…。
 いまいちピンと来ない…。
 エッと…魔紙マシを入れてある箱のようなもの?
 今度、収納鞄から、小屋を出し入れする時、見せてもらおう…。
 そんな話をしている内に、僕達の担当の、赤色のベリーが生えている場所まで来た。
 そして、その近くに有る小屋の前に置いてあるカゴを手に取ると、ベリーの収穫を始めた。

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