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森の聖域
体調不慮
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僕が初めて『聖域』に入ったので、体調の変化が起こる可能性が有るからと、早々に僕達は『クルーラ』へ戻るため、もと来た木々のトンネルの中を歩き始めた。
「なんだか、身体が軽く感じる…」
ふわふわしている…。
「…魔素が薄くなってきたからだ」
『聖域』に向かったときには、何も感じなかったが、魔素が元の状態に戻ってきたから、魔素の重圧から解放されて、そう感じるのだと教えてくれた。
「今日は、おとなしくしてろよ」
心配そうなヒナキさんにそう言われながら、『クルーラ』にたどり着いた。
ヒナキさんの店で、昼ご飯を食べ終わると、なんだか身体が怠くなってきた。
なんだろう…。
さっきまで、身体が凄く軽く感じていたのに…。
「…どうした?」
ヒナキさんが僕の顔を覗き込む。
「んんっ…」
あれっ…?
視界が…歪んできた…。
なんだか、クラクラする…。
「オルガ。横になれ」
ヒナキさんが僕の身体を支えてくれて、座っていたソファーにそっと身体を横たえた。
「…!!…☆…??…☆…」
頭を振り回されたような気持ち悪さと、身体の怠さが一斉に襲ってくる。
オルガがギュッと目を閉じると、今にも意識が飛んでしまいそうな目眩を感じ、頭の中が真っ白に成っていく…。
つっ…っ…。
オルガはそのまま意識を失った。
身体の熱さと息苦しさに、フッと意識が浮上する。
身体が重い…。
僕はどうしたんだろう…。
目を開けると、テーブル越しの視界に、ヒナキさんが本を読んでいる姿が見えた。
そうだ…。
『聖域』に行って、帰ってきてから、身体がおかしくなったんだ…。
「んっ…。気が付いたか…」
僕の視線に気が付いたヒナキさんが、本をテーブルの上に置いて、僕の側に移動してきて、顔を覗き込んできた。
「…まだ、魔素の影響が出てるな…」
魔素の影響?
ヒナキさんは側を離れて、どこかに行ってしまった。
身体を起こしたくても、自分で起き上がれる気がしない…。
それに…うつらうつらと、目蓋が閉じそうだ。
ヒナキさんが戻ってくると、その手に折り魔紙の『コップ』と、グラスを持っていた。
そして、ヒナキさんが『コップ』に魔力を入れると、『コップ』に水が涌き出てきて、それをグラスに注ぎ込んだ。
折り魔紙の『コップ』に涌き出た水を、直接飲むのではなく、普通のグラスに移し変えることによって、『コップ』は長持ちする事が分かり、さらに、ほんの少し冷気を帯びた魔力を入れることによって、冷えた水が涌き出る事が分かっていた。
なので、グラスに入れられた水は、冷やされた水なのだ。
ヒナキさんはグラスをテーブルの上に置くと、横たえた僕の身体を起こしてくれて、ソファーの背もたれに寄りかかった。
そしてグラスの冷えた水を少しづつ、飲ませてくれた。
冷たくて美味しい…。
凄く、喉が渇いていたんだ…。
グラスに入っていた水を飲み干すと、ヒナキさんが再び『コップ』に魔力を入れて水を出してくれた。
そしてグラスに注いで、再び僕に飲ませてくれた。
…少し落ち着いてきた…気がする…。
身体の怠さは変わらないけれど…。
「もう少しすれば、身体に入った余分な魔素が抜ける」
そう言って、ヒナキさんは、今の身体の状態を教えてくれた。
『クルーラ』の魔素より濃い『聖域』の魔素に、過剰反応を起こしていて、魔素を多く身体に取り入れてしまった状態なのだと言う…。
身体が落ち着けば、『聖域』のような強い魔素がある場所でも、過剰に魔素を取り込まなくなるらしい…。
コレは、『クルーラ』の外から『クルーラ』に来る人達にも、同じような現象が起きるのだとか…。
そう言えば、『クルーラ』に来たいアレイが、魔力酔いを起こすから、まだ行けないと言っていたけれど、もしかして、こんな風になってしまうのか?
「…。」
コレは苦しいかも…。
「アレクの手が空いたら、白の館まで連れていってくれるから、もう少し寝てれば良いぞ」
ヒナキさんがそう言ってくれたので、ソファーに再び横になり、目を閉じた。
揺れを感じて目を開けると、アレクさんに抱き抱えられて、移動していた。
…白の館に連れていって、くれてるんだ…。
揺れの心地よさに再び目を閉じる。
なにもしていないのに、すごい疲労感…。
明日に成れば、もとに戻るかな…。
そんな事を思いながら眠りについていた。
「なんだか、身体が軽く感じる…」
ふわふわしている…。
「…魔素が薄くなってきたからだ」
『聖域』に向かったときには、何も感じなかったが、魔素が元の状態に戻ってきたから、魔素の重圧から解放されて、そう感じるのだと教えてくれた。
「今日は、おとなしくしてろよ」
心配そうなヒナキさんにそう言われながら、『クルーラ』にたどり着いた。
ヒナキさんの店で、昼ご飯を食べ終わると、なんだか身体が怠くなってきた。
なんだろう…。
さっきまで、身体が凄く軽く感じていたのに…。
「…どうした?」
ヒナキさんが僕の顔を覗き込む。
「んんっ…」
あれっ…?
視界が…歪んできた…。
なんだか、クラクラする…。
「オルガ。横になれ」
ヒナキさんが僕の身体を支えてくれて、座っていたソファーにそっと身体を横たえた。
「…!!…☆…??…☆…」
頭を振り回されたような気持ち悪さと、身体の怠さが一斉に襲ってくる。
オルガがギュッと目を閉じると、今にも意識が飛んでしまいそうな目眩を感じ、頭の中が真っ白に成っていく…。
つっ…っ…。
オルガはそのまま意識を失った。
身体の熱さと息苦しさに、フッと意識が浮上する。
身体が重い…。
僕はどうしたんだろう…。
目を開けると、テーブル越しの視界に、ヒナキさんが本を読んでいる姿が見えた。
そうだ…。
『聖域』に行って、帰ってきてから、身体がおかしくなったんだ…。
「んっ…。気が付いたか…」
僕の視線に気が付いたヒナキさんが、本をテーブルの上に置いて、僕の側に移動してきて、顔を覗き込んできた。
「…まだ、魔素の影響が出てるな…」
魔素の影響?
ヒナキさんは側を離れて、どこかに行ってしまった。
身体を起こしたくても、自分で起き上がれる気がしない…。
それに…うつらうつらと、目蓋が閉じそうだ。
ヒナキさんが戻ってくると、その手に折り魔紙の『コップ』と、グラスを持っていた。
そして、ヒナキさんが『コップ』に魔力を入れると、『コップ』に水が涌き出てきて、それをグラスに注ぎ込んだ。
折り魔紙の『コップ』に涌き出た水を、直接飲むのではなく、普通のグラスに移し変えることによって、『コップ』は長持ちする事が分かり、さらに、ほんの少し冷気を帯びた魔力を入れることによって、冷えた水が涌き出る事が分かっていた。
なので、グラスに入れられた水は、冷やされた水なのだ。
ヒナキさんはグラスをテーブルの上に置くと、横たえた僕の身体を起こしてくれて、ソファーの背もたれに寄りかかった。
そしてグラスの冷えた水を少しづつ、飲ませてくれた。
冷たくて美味しい…。
凄く、喉が渇いていたんだ…。
グラスに入っていた水を飲み干すと、ヒナキさんが再び『コップ』に魔力を入れて水を出してくれた。
そしてグラスに注いで、再び僕に飲ませてくれた。
…少し落ち着いてきた…気がする…。
身体の怠さは変わらないけれど…。
「もう少しすれば、身体に入った余分な魔素が抜ける」
そう言って、ヒナキさんは、今の身体の状態を教えてくれた。
『クルーラ』の魔素より濃い『聖域』の魔素に、過剰反応を起こしていて、魔素を多く身体に取り入れてしまった状態なのだと言う…。
身体が落ち着けば、『聖域』のような強い魔素がある場所でも、過剰に魔素を取り込まなくなるらしい…。
コレは、『クルーラ』の外から『クルーラ』に来る人達にも、同じような現象が起きるのだとか…。
そう言えば、『クルーラ』に来たいアレイが、魔力酔いを起こすから、まだ行けないと言っていたけれど、もしかして、こんな風になってしまうのか?
「…。」
コレは苦しいかも…。
「アレクの手が空いたら、白の館まで連れていってくれるから、もう少し寝てれば良いぞ」
ヒナキさんがそう言ってくれたので、ソファーに再び横になり、目を閉じた。
揺れを感じて目を開けると、アレクさんに抱き抱えられて、移動していた。
…白の館に連れていって、くれてるんだ…。
揺れの心地よさに再び目を閉じる。
なにもしていないのに、すごい疲労感…。
明日に成れば、もとに戻るかな…。
そんな事を思いながら眠りについていた。
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