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森の聖域クルーラ
初めての買い物 3
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薬屋ヒールで『のど飴』を買って、今度はガラス工房へと向かった。
ガラス工房は、石畳の一本道を渡った向かい側。
手前に販売用のお店が有り、その奥に大きな作業場がある。
店内に入ると、入り口付近はガラスの置物が置かれ、壁にはいろんな形のグラスが並べられていた。
反対側の壁には、薬屋ヒールで入れてもらった小さな小瓶や、薬草が入れられていた大きい瓶など、さまざまな瓶が並べられている。
窓際には、雫玉みたいなガラスが天井から吊り下げられていて、光を浴びて時々キラリと反射していた。
とても綺麗だ…。
外から見たとき、キラキラ光って見えたのは、コレが反射して強く光っていたのだろう…。
オルガが気になったのは、入り口付近に有ったテーブルに並べられたガラスの置物。
動物の形や、鳥、魚、植物などを色付きガラスで作ったモノだ。
手のひらに乗るくらいの大きさから、指先くらいの小さいモノまでいろいろ有り、目移りしてしまう。
「気になったのが有れば買えば良いが、迷うようだったら、次回でも良いんだぞ。毎日、店の前を通ってくるんだから…」
…そう。
毎日、店の前を通っていたけれど、店内に入って見るのは初めてだ。
何か欲しいけどな…。
けれど、コレと言って決定的なものは無い…。
色付きの置物を見ていたけれど、決まりそうになかったので、他のところをもう一度、見て回ろうと、店内に足を向けた。
これで見つからなければ、今日は諦めよう…。
オルガは、カウンターの横に置かれた、箱に入った魔力ペンを見つけた。
ここに売ってるんだ…。
ペン先と魔石を支えている部分はガラスで出来てたもんね…。
持ち手の部分は模様が細かく刻まれているから、ガラスでは出来ないだろうし、木で作られているもんね。
いろいろな素材を組み合わせているけれど、ガラス工房で製作してたんだ…。
再び店内を見て回ると、窓際に、拳大くらいのガラスの塊が置いて有るのが目に入った。
それも表面が、平たく細かくカットされているのに、全体を見ると、丸の形をしている…。
丸なのに細かい平面の縦筋が見え、細かく光に反射して、常にキラキラ光って見える。
転がらないようにか、透明な丸い小さなリングの上にソレは乗っていた。
オルガが、じっとそれを見ていると、ヒナキさんがやってきて『何か見つけたのか?』と、聞いてきた。
「コレは何に使うの?」
オルガが聞くと、店員さんが教えてくれた。
元々は、ガラスを球体にするとき、全体をカットしていって、球体に近付ける方法が有り、その練習様に出来上がったモノなのだが、あまりにも綺麗にカットされたので、置物として置いているのだとか。
ほんの少しだけ魔力を込めると光るし、光の当たる場所に置いておくと綺麗ですよ。と、教えてくれる。
実際、窓辺で光に当たって、キラキラと光って、とても綺麗だ…。
「…コレ下さい!」
オルガは、そう言って店員さんを見た。
するとヒナキさんが声をかけてくる。
「オルガ。値段を見たのか?」
「…見てない」
「ちゃんと見ようね」
ヒナキさんに言われて、隣に有る値札のゼロの数を数え、鞄の中のお金を数える。
「大丈夫。有る」
オルガがそう答えると、ヒナキさんは苦笑いして、店員さんに言う。
「大丈夫そうだから、買い物させてあげて」
ちょっと高額だったから、心配したみたいだ。
大丈夫!
欲しいと思うものしか買わないよ…。
ガラス工房の店員さんが、木の箱に布を敷いて、中にガラス玉を入れてくれた。
もちろん台座になっていたリングも一緒に…。
そのまま持って帰るのは危険だもんね。
ガラスだから持って帰るまでに、割れてしまうと困るから、ちょっと慎重に運ぼう…。
代金を払って、ガラス玉の入った箱を、鞄の中にそっとしまう。
なぜか嬉しくなってほほが緩んでしまう…。
買い物って楽しいな…。
「次はどこへ行く?」
「木工屋さん!」
ガラス工房は、石畳の一本道を渡った向かい側。
手前に販売用のお店が有り、その奥に大きな作業場がある。
店内に入ると、入り口付近はガラスの置物が置かれ、壁にはいろんな形のグラスが並べられていた。
反対側の壁には、薬屋ヒールで入れてもらった小さな小瓶や、薬草が入れられていた大きい瓶など、さまざまな瓶が並べられている。
窓際には、雫玉みたいなガラスが天井から吊り下げられていて、光を浴びて時々キラリと反射していた。
とても綺麗だ…。
外から見たとき、キラキラ光って見えたのは、コレが反射して強く光っていたのだろう…。
オルガが気になったのは、入り口付近に有ったテーブルに並べられたガラスの置物。
動物の形や、鳥、魚、植物などを色付きガラスで作ったモノだ。
手のひらに乗るくらいの大きさから、指先くらいの小さいモノまでいろいろ有り、目移りしてしまう。
「気になったのが有れば買えば良いが、迷うようだったら、次回でも良いんだぞ。毎日、店の前を通ってくるんだから…」
…そう。
毎日、店の前を通っていたけれど、店内に入って見るのは初めてだ。
何か欲しいけどな…。
けれど、コレと言って決定的なものは無い…。
色付きの置物を見ていたけれど、決まりそうになかったので、他のところをもう一度、見て回ろうと、店内に足を向けた。
これで見つからなければ、今日は諦めよう…。
オルガは、カウンターの横に置かれた、箱に入った魔力ペンを見つけた。
ここに売ってるんだ…。
ペン先と魔石を支えている部分はガラスで出来てたもんね…。
持ち手の部分は模様が細かく刻まれているから、ガラスでは出来ないだろうし、木で作られているもんね。
いろいろな素材を組み合わせているけれど、ガラス工房で製作してたんだ…。
再び店内を見て回ると、窓際に、拳大くらいのガラスの塊が置いて有るのが目に入った。
それも表面が、平たく細かくカットされているのに、全体を見ると、丸の形をしている…。
丸なのに細かい平面の縦筋が見え、細かく光に反射して、常にキラキラ光って見える。
転がらないようにか、透明な丸い小さなリングの上にソレは乗っていた。
オルガが、じっとそれを見ていると、ヒナキさんがやってきて『何か見つけたのか?』と、聞いてきた。
「コレは何に使うの?」
オルガが聞くと、店員さんが教えてくれた。
元々は、ガラスを球体にするとき、全体をカットしていって、球体に近付ける方法が有り、その練習様に出来上がったモノなのだが、あまりにも綺麗にカットされたので、置物として置いているのだとか。
ほんの少しだけ魔力を込めると光るし、光の当たる場所に置いておくと綺麗ですよ。と、教えてくれる。
実際、窓辺で光に当たって、キラキラと光って、とても綺麗だ…。
「…コレ下さい!」
オルガは、そう言って店員さんを見た。
するとヒナキさんが声をかけてくる。
「オルガ。値段を見たのか?」
「…見てない」
「ちゃんと見ようね」
ヒナキさんに言われて、隣に有る値札のゼロの数を数え、鞄の中のお金を数える。
「大丈夫。有る」
オルガがそう答えると、ヒナキさんは苦笑いして、店員さんに言う。
「大丈夫そうだから、買い物させてあげて」
ちょっと高額だったから、心配したみたいだ。
大丈夫!
欲しいと思うものしか買わないよ…。
ガラス工房の店員さんが、木の箱に布を敷いて、中にガラス玉を入れてくれた。
もちろん台座になっていたリングも一緒に…。
そのまま持って帰るのは危険だもんね。
ガラスだから持って帰るまでに、割れてしまうと困るから、ちょっと慎重に運ぼう…。
代金を払って、ガラス玉の入った箱を、鞄の中にそっとしまう。
なぜか嬉しくなってほほが緩んでしまう…。
買い物って楽しいな…。
「次はどこへ行く?」
「木工屋さん!」
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