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森の聖域クルーラ
初めての買い物 1
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僕の欲しいモノは…。
しばらく考えて、ふと頭によぎる。
「あっ、…木材の図鑑が欲しい…」
僕がそう答えたら、ヒナキさんは頭を押さえた。
えっ?ダメだった?
「ちなみに、何で木材の図鑑なんだ?」
ヒナキさんがそう聞いてきたので、オルガは素直に答える。
「入れ物を作るときに、いろんな木の種類が有るって知ったから。小物を作る時と、小屋を作る時と、木材を変えてるって言ってたから、どんなのが有るのか気になって…」
「…木材の図鑑は手配しておく。確か木工所に、用途に応じた木の説明や特徴が書かれたモノが有ったはず」
やった!
「…それ以外には?」
「う~ん。リリスさんに服を直してもらっているから、お礼のアップルパイ」
「…。」
ヒナキさんが再び頭を抱える。
「…自分が食べたいお菓子とか、置物とか、装飾品とか…何かないか?」
「…う~ん。何が有るか分からない…」
基本的に生活に必要なモノは支給されているのだ。
特に欲しいと思うものは無いかも…。
「…わかった。一緒に買い物に行こう。それで、興味を持ったものを買っていこう」
ヒナキさんと一緒に買い物!
それはそれで楽しいかも。
ヒナキさんと一緒に買い物へ行くのは、昼ご飯を食べてからになった。
あの後、魔道具を見に来たお客さんと、ヒナキさんが話をし始めたからだ。
ヒナキさん、魔道具の話になると楽しそう…。
お客さんと話す姿をチラリと見ながら、僕は薬草の図鑑を横に、文字の練習をしていた。
今やっているのは、『コバコ』で育てている薬草の事が書かれているページを、魔力紙のノートに書き写し、自分だけの薬草図鑑を作るためだ。
文字を書く練習にもなるし、内容を覚えているかの確認にもなるので、最近の午前中は、この作業をしている。
ゆっくりと、少しづつ…間違えないように…。
午後、お昼ごはんを食べてから、ヒナキさんと一緒に買い物に出掛けた。
特に何か欲しいものが有るわけではないので、まずは一番近くに有る、果物屋さん。
リリスさんのお礼にするアップルパイのホール?
そうだ、ホールって何だろう?
果物屋さんは、『クルーラ』と『聖域』で収穫される生の果物と、スライスして乾燥したドライフルーツと、果物を使って作ったお菓子を販売しているお店だ。
店内の一角には、購入したお菓子を食べることが出来る場所が有って、『クルーラ』に訪れる人達の休憩所にもなっている。
店内に入ると、果物の甘い匂いが漂ってくる。
オルガはカラフルな色を眺めながらカウンターに行った。
「こんにちは。アップルパイをホールで欲しいんですけど、ホールって何ですか?」
店員さんはキョトンとして、そして微笑んでくれた。
「カットされていない、丸い状態よ」
そう言ってガラスケースの中の丸いアップルパイを指差す。
ガラスケースの中には、いろいろの大きさの丸いアップルパイが並んでいる。
…大きさが有るんだ…。
どうしよう…。
オルガはガラスケースを眺めて、後ろに付いてきていたヒナキさんの方を見る。
「一人分で良いのか?」
…そうだ。
リリスさんだけでなく、他の『白の館』の人達の分も、有っても良いのかも…。
いつも気にかけてくれるし…。
と、言うことは、大きいのにして、皆でわける?
オルガは店員さんの方を向いて聞く。
「コレが一番大きいの?」
「一番大きいのは三十センチよ。パーティーやお祝い事に使うから、別注文だけどね」
そう言われてヒナキさんの方を見る。
「良いんじゃないか」
「じゃあ、一番大きいのを下さい」
オルガは店員さんの方を向いて言う。
「本当に良いの?」
店員さんがヒナキさんに聞いている。
買うのは僕なんだけど…。
「ああ。お小遣いをもらって、欲しいモノって聞いたら、お礼にするアップルパイだって言うからさ…」
ヒナキさんは苦笑いして言う。
でも、お礼だったら、アレクさんとテリヤさんの分も欲しいかも…。
いつも相談に乗ってくれる…。
二人は『赤の館』だから、一緒にアップルパイを分けれない…。
「アレクさんとテリヤさんも、アップルパイ?」
ヒナキさんに聞くと二人は蜂蜜の方が良いと、言われた。
二人にプレゼントするなら、なるべく小さいのにしておかないと、食べ過ぎになるそうだ。
蜂蜜、好きなんだ…。
オルガは蜂蜜の小瓶を追加で二つ頼んで、ヒナキさんの方を見る。
「ヒナキさんは、何が良いの?」
「僕の分も買ってくれるのか?…そうだな、フルーツチップスかな…」
「フルーツチップス?」
「薄くスライスして、乾燥させたものよ」
そう言って店員さんが、袋に入ったモノを見せてくれる。
あっ、ヒナキさんが好きそう…。
片手で摘まんで、作業をしながら食べれるからだよね…。
「これも二つ下さい」
日持ちしそうだから、最近会えない、リーンさんの分も一緒で良いよね。
お会計をお願いして、鞄の中で、ヒナキさんにもらった巾着袋を開けて、言われたお金を払う。
「まだ買い物をするから、アップルパイや蜂蜜、フルーツチップスは帰りに『白の館』へ持って帰ってあげて」
「ええ。夕方までには焼いて準備するわ」
別注文のアップルパイはこれから作るようなので、『白の館』へ配達してくれるそうだ。
それに、これからヒナキさんと一緒に『クルーラ』を見て回るのに、さすがに持って歩けないよね…。
しばらく考えて、ふと頭によぎる。
「あっ、…木材の図鑑が欲しい…」
僕がそう答えたら、ヒナキさんは頭を押さえた。
えっ?ダメだった?
「ちなみに、何で木材の図鑑なんだ?」
ヒナキさんがそう聞いてきたので、オルガは素直に答える。
「入れ物を作るときに、いろんな木の種類が有るって知ったから。小物を作る時と、小屋を作る時と、木材を変えてるって言ってたから、どんなのが有るのか気になって…」
「…木材の図鑑は手配しておく。確か木工所に、用途に応じた木の説明や特徴が書かれたモノが有ったはず」
やった!
「…それ以外には?」
「う~ん。リリスさんに服を直してもらっているから、お礼のアップルパイ」
「…。」
ヒナキさんが再び頭を抱える。
「…自分が食べたいお菓子とか、置物とか、装飾品とか…何かないか?」
「…う~ん。何が有るか分からない…」
基本的に生活に必要なモノは支給されているのだ。
特に欲しいと思うものは無いかも…。
「…わかった。一緒に買い物に行こう。それで、興味を持ったものを買っていこう」
ヒナキさんと一緒に買い物!
それはそれで楽しいかも。
ヒナキさんと一緒に買い物へ行くのは、昼ご飯を食べてからになった。
あの後、魔道具を見に来たお客さんと、ヒナキさんが話をし始めたからだ。
ヒナキさん、魔道具の話になると楽しそう…。
お客さんと話す姿をチラリと見ながら、僕は薬草の図鑑を横に、文字の練習をしていた。
今やっているのは、『コバコ』で育てている薬草の事が書かれているページを、魔力紙のノートに書き写し、自分だけの薬草図鑑を作るためだ。
文字を書く練習にもなるし、内容を覚えているかの確認にもなるので、最近の午前中は、この作業をしている。
ゆっくりと、少しづつ…間違えないように…。
午後、お昼ごはんを食べてから、ヒナキさんと一緒に買い物に出掛けた。
特に何か欲しいものが有るわけではないので、まずは一番近くに有る、果物屋さん。
リリスさんのお礼にするアップルパイのホール?
そうだ、ホールって何だろう?
果物屋さんは、『クルーラ』と『聖域』で収穫される生の果物と、スライスして乾燥したドライフルーツと、果物を使って作ったお菓子を販売しているお店だ。
店内の一角には、購入したお菓子を食べることが出来る場所が有って、『クルーラ』に訪れる人達の休憩所にもなっている。
店内に入ると、果物の甘い匂いが漂ってくる。
オルガはカラフルな色を眺めながらカウンターに行った。
「こんにちは。アップルパイをホールで欲しいんですけど、ホールって何ですか?」
店員さんはキョトンとして、そして微笑んでくれた。
「カットされていない、丸い状態よ」
そう言ってガラスケースの中の丸いアップルパイを指差す。
ガラスケースの中には、いろいろの大きさの丸いアップルパイが並んでいる。
…大きさが有るんだ…。
どうしよう…。
オルガはガラスケースを眺めて、後ろに付いてきていたヒナキさんの方を見る。
「一人分で良いのか?」
…そうだ。
リリスさんだけでなく、他の『白の館』の人達の分も、有っても良いのかも…。
いつも気にかけてくれるし…。
と、言うことは、大きいのにして、皆でわける?
オルガは店員さんの方を向いて聞く。
「コレが一番大きいの?」
「一番大きいのは三十センチよ。パーティーやお祝い事に使うから、別注文だけどね」
そう言われてヒナキさんの方を見る。
「良いんじゃないか」
「じゃあ、一番大きいのを下さい」
オルガは店員さんの方を向いて言う。
「本当に良いの?」
店員さんがヒナキさんに聞いている。
買うのは僕なんだけど…。
「ああ。お小遣いをもらって、欲しいモノって聞いたら、お礼にするアップルパイだって言うからさ…」
ヒナキさんは苦笑いして言う。
でも、お礼だったら、アレクさんとテリヤさんの分も欲しいかも…。
いつも相談に乗ってくれる…。
二人は『赤の館』だから、一緒にアップルパイを分けれない…。
「アレクさんとテリヤさんも、アップルパイ?」
ヒナキさんに聞くと二人は蜂蜜の方が良いと、言われた。
二人にプレゼントするなら、なるべく小さいのにしておかないと、食べ過ぎになるそうだ。
蜂蜜、好きなんだ…。
オルガは蜂蜜の小瓶を追加で二つ頼んで、ヒナキさんの方を見る。
「ヒナキさんは、何が良いの?」
「僕の分も買ってくれるのか?…そうだな、フルーツチップスかな…」
「フルーツチップス?」
「薄くスライスして、乾燥させたものよ」
そう言って店員さんが、袋に入ったモノを見せてくれる。
あっ、ヒナキさんが好きそう…。
片手で摘まんで、作業をしながら食べれるからだよね…。
「これも二つ下さい」
日持ちしそうだから、最近会えない、リーンさんの分も一緒で良いよね。
お会計をお願いして、鞄の中で、ヒナキさんにもらった巾着袋を開けて、言われたお金を払う。
「まだ買い物をするから、アップルパイや蜂蜜、フルーツチップスは帰りに『白の館』へ持って帰ってあげて」
「ええ。夕方までには焼いて準備するわ」
別注文のアップルパイはこれから作るようなので、『白の館』へ配達してくれるそうだ。
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