眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

隠匿の結界

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 ヒナキさんのシュウベルへの説教?が終わって、改めて光属性と闇属性『ツル』の実験をしてみることになった。

 さっきまでの三角スイの幕は解除して、光同士が向かい合い、闇同士も向かい合い、光、闇、光、闇と、四角を書くようにそれぞれ『ツル』を地面に置く。
 そして四人、それぞれ魔力を入れると、光同士から伸びた黄色い光が繋がり、闇同士から伸びた黒い光りも繋がって、地面の上で十字に光が交わり、そこから地面に幕が出来上がって、それぞれの『ツル』が入った入れ物にたどり着くと、隣同士の『ツル』が光で繋がり、三角スイの時と同じように空中に光が伸びていって四つの光が頂点で繋がると、四面に濃い灰色の幕が張られた。
「「「「…。」」」」
 黙って成り行きを見ていた四人は、呆然としていた。
 目の前に、四角スイのテントのようなモノが出来上がって、ほんのりと存在を主張している…。
 コレって、濃い灰色なのは見えなすぎても、この場所に戻れないからだよね…。
 最初に動いたのはシュウベル。
 濃い灰色の幕の中に手を入れてみて、安全を確認する。
 さらには中に入ってしまい、外からは存在が分からなくなってしまった。
 …コレって、言っていた結界の役目を果たしているのか…。
 シュウベルが中から出てきて、首を傾げる。
「誰でも入れたら、意味がないんだけどな…」
 僕も興味が出てきて、中に入ってみる。
 幕を通りすぎるとき、ほんの少し違和感が有るだけで、簡単に入ってしまえた。
 光の幕の時には無かった違和感…。
 そして、なんとなく、外に居る人の事を感じ取れる。
 中から外の様子は分かるんだ…。
 そこから手だけを出してみて、それから顔を出してみる。
 幕を通過するときだけ違和感を感じるが、コレが結界になっているから感じるモノなのだろうか…。
 オルガが試し終わりテリヤの側に行くと、シュウベルが言った。
「コレは結界と言っても、隠匿の結界だな。隠れたり存在を隠すには向いている。が、物理的なモノにはあまり向かないかもしれない。後、誰でも入れてしまうのか、魔力を提供した者だけが出入り自由なのか、いろいろと試してみないとな…。それと、モノの大きさ。光属性『ツル』を一つは持っていても、同じ大きさをもう一個持つってなると、荷物になる。ソコも考えないといけないと思うぞ」
 なるほど。
 隠れるための隠匿の結界。
 今までの過程から言うと、魔力を入れた者だけ出入り可能かもしれない。
 それに旅人が、もう一個、この大きさを持つには大きすぎる。
 課題は多いが、シュウベルは、ちゃんと考えて答えてくれる…。
 考えて答えてくれるが、最初の印象が怖いので、彼になれるまでもう少しかかりそうだ…。
 
 シュウベルは、面白そうだから青の館の者達と、いろいろと試してみる。と、言って、光属性と闇属性の『ツル』を二個づつ持って行ってしまった。
 そして、ヒナキさんとテリヤさんに、試した結果を細かく報告書にして提出するように、念を押されていた。
 試してくれるのは良いが、いろいろと結果の報告は欲しい…。
 僕の課題は、折り魔紙マシの別の形の闇属性で、かさばらない大きさになるもの…。
 何か有るかな…。
 そしてソレを入れるモノ…。
 折り魔紙マシだけでは効果が無いことは実証済み。
 木材はもう使えないから…。
 最初に戻って、厚みの有る魔紙マシなら使えるかな…。
 あまり大きくなくて、旅をする人に『コレくらいなら』と、持ってもらえるモノ…。
 いろいろ試してみよう。



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