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森の聖域クルーラ
光の幕の実験
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光の膜の大きさがどれくらいまでなら有効か、広い場所でやってみよう。と、言うことで、ヒナキさんの店の裏側、僕が魔力の練習をしていた場所で、早速試して見る事にした。
折り畳みのテーブルをヒナキさんが持って、僕が光属性の『ツル』を三個持って、店の裏側へと出た。
店の裏側は、折り魔紙用の小屋を建てた時、木が移動してきているので、以前よりは少し狭くなっているが、光の幕のお試しをするに、支障がないだけの広さは有る。
ヒナキさんが置いたテーブルの上に、入れ物に入った『ツル』を一つ置いて、僕とヒナキさんが一個づつ『ツル』を持つ。
ちなみに部屋で『ツル』の向きを変えて移動させた時、三角スイの光の幕を作っていたモノは消えている。
今は魔力が残っているので、ほんのりと光っているだけだ。
ヒナキさんと向かい合って、光属性『ツル』にほぼ同時に魔力を入れる。
一瞬光って光が伸びていき、二つの間に光の線が繋がる。
「「…。」」
机の上に繋がった状態の光属性『ツル』を置き、もう一つの『ツル』を手にとって、二つの『ツル』に向かって向きを変え、魔力を入れた。
オルガが持っている『ツル』から光の線が二本伸びていき、二つの『ツル』と繋がり、三個の『ツル』から上空に光の線がそれぞれ伸びていって繋がり、三角スイの形になって薄い光の幕が作られた。
「「…。」」
報告に有ったとおりだ。
「どこまでコノ形を保っているか、少しずつ離れてみよう」
ヒナキさんにそう言われて、テーブルから少しずつ距離を開けていく…。
ヒナキさんも同時に同じくらい離れていく…。
そして五メートルくらい離れたところで、上空の繋がっていた三角が消えかかった。
僕達は足を止め、少し戻ると再び三角の頂点がくっきりと姿を表す。
「ココまでだな」
僕は頷いた。
だいたい四メートルくらい。
それくらいが、光りも、三角スイの形も、幕も、しっかりと安定している。
今度は『ツル』を地面に置いて、テーブルの上に有った『ツル』も地面に置いて、少し離れて見る。
うっすらと光を放つ三角スイだ。
ヒナキさんに言われて、その三角スイの中に入る。
こちらからも光の幕があるように見える。
光を遮るように光の線に手を翳して、光を遮ってみても、光の幕が出ているからか、三角スイには変化は無かった。
不思議な感じ…。
ヒナキさんが手招きして呼んだので、光の三角スイから出て、ヒナキさんの方に向かうと、楽しそうに笑っていた。
外から声をかけたけれど、聞こえていなかったらしい…。
うん。
聞こえなかった。
光の幕が音を遮断したようだ。
通り抜けても、光の三角スイは変わらないので、魔力が尽きるまで、コノ状態なのかもしれない。
そんなことをヒナキさんと話していると、テリヤさんが誰かを連れてきた。
さっき言ってた、『青の館』の人…。
オルガが気が付いて、テリヤさんの方を向くと、後ろを歩くその人に、ジロリと睨み付けられたような気がして、思わずヒナキさんの後ろに隠れた。
なんか…怖い…。
オルガはヒナキの服にしがみついた。
「シュウベル!威嚇するな!オルガが怖がってるだろ!」
折り畳みのテーブルをヒナキさんが持って、僕が光属性の『ツル』を三個持って、店の裏側へと出た。
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「「…。」」
報告に有ったとおりだ。
「どこまでコノ形を保っているか、少しずつ離れてみよう」
ヒナキさんにそう言われて、テーブルから少しずつ距離を開けていく…。
ヒナキさんも同時に同じくらい離れていく…。
そして五メートルくらい離れたところで、上空の繋がっていた三角が消えかかった。
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「ココまでだな」
僕は頷いた。
だいたい四メートルくらい。
それくらいが、光りも、三角スイの形も、幕も、しっかりと安定している。
今度は『ツル』を地面に置いて、テーブルの上に有った『ツル』も地面に置いて、少し離れて見る。
うっすらと光を放つ三角スイだ。
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こちらからも光の幕があるように見える。
光を遮るように光の線に手を翳して、光を遮ってみても、光の幕が出ているからか、三角スイには変化は無かった。
不思議な感じ…。
ヒナキさんが手招きして呼んだので、光の三角スイから出て、ヒナキさんの方に向かうと、楽しそうに笑っていた。
外から声をかけたけれど、聞こえていなかったらしい…。
うん。
聞こえなかった。
光の幕が音を遮断したようだ。
通り抜けても、光の三角スイは変わらないので、魔力が尽きるまで、コノ状態なのかもしれない。
そんなことをヒナキさんと話していると、テリヤさんが誰かを連れてきた。
さっき言ってた、『青の館』の人…。
オルガが気が付いて、テリヤさんの方を向くと、後ろを歩くその人に、ジロリと睨み付けられたような気がして、思わずヒナキさんの後ろに隠れた。
なんか…怖い…。
オルガはヒナキの服にしがみついた。
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