39 / 182
森の聖域クルーラ
『コップ』の注文 1
しおりを挟む
魔力紙で作った、折り魔紙の販売が始まって、二十日が過ぎた。
折り魔紙は順調に売れているそうだ。
そしてやっぱり、光魔法の『ツル』が一番人気。
僕と一緒で、夜道を歩く時とか、部屋の灯りに使うらしい…。
夜道はともかく、部屋の灯りに?
理由を聞いてみると、僕の部屋に有るみたいな、光の魔石で明るくなるランプだと、魔石が必要になる。
『クルーラ』では魔石を当たり前に使えるけれど、他では高価で、光の『ツル』に、ほんの少しの魔力を使うだけで部屋を明るくすることが出来るからと、人気なのだそうだ。
そう言う需要が有るのか…。
…もしかして、部屋の灯り用の入れ物を作った方が良い?
鞄やリュックに付ける事を想定して、光を照らすのは片側だけだから…。
部屋に置くときは、僕は羽を広げて魔力を入れるけれど、入れ物にいれたまま、そのまま使うのでは、明かりはそれほど明るくはない。
入れ物から出して使えば良いけれど、羽を閉じるときに綺麗に折り戻せなければ、使えなくなってしまう…。
広げた状態で、維持できる方法を考えた方が良いのかも知れない。
お試しに使ってもらった時は、入れ物が無かったから、直接魔力を入れていたし…。
…そうだ。
羽を広げた『ツル』を、ランプみたいにガラスで囲んで、魔力を入れれるようにしたら、部屋が明るくなるかな…。
後で、ヒナキさんに相談してみよう。
次に売れているのは水魔法の『コップ』。
なぜか予想外に、調査隊や道路整備の、野外の医療現場で使われているらしい…。
…何で?
聞けば、傷口を洗ったり、水分を補給させるために、『コップ』で出した水が、多くもなく少なくもなく、ちょうど良いらしい。
それと、水の属性を帯びた『コップ』に光の魔力を注いだら、消毒水に変化したそうだ。
怪我した傷口を『コップ』の消毒水で洗い、治療すると、怪我の治りが早いとか…。
そんな効果が報告された。
さすがにそれは試していない…。
ただ、どうしても扱いが乱雑になるので、何回か使っている内に破損してしまったらしい。
だから多く欲しいのだとか…。
そんな連絡が入った。
入れ物から出して『コップ』を使用して、入れ物に戻して…。
個人で使う分には、慎重に使うだろうが、集団の中で使うとなると、きちんと管理する者がいないと、直ぐに破損してしまうだろう…。
それに、初めての販売だから、それほど数は出荷されていない。
もしかして、個人的に持っていた人のを使ったのだろうか…。
『コップ』が役立ってくれるのは嬉しいが、量産出来るものではないので、どうしたら良いのか考えなくてはならない…。
なので、ヒナキさんと、アレクさん。
木工所の熊族のテリヤさん。
ちょうど帰ってきたリーンさん達と相談する事になった。
相談の場所は、ヒナキさんの店の横の、魔力紙を保管している小屋の中。
折り魔紙の話は、外から来る人には、あまり聞かせたくないしね…。
折り魔紙は順調に売れているそうだ。
そしてやっぱり、光魔法の『ツル』が一番人気。
僕と一緒で、夜道を歩く時とか、部屋の灯りに使うらしい…。
夜道はともかく、部屋の灯りに?
理由を聞いてみると、僕の部屋に有るみたいな、光の魔石で明るくなるランプだと、魔石が必要になる。
『クルーラ』では魔石を当たり前に使えるけれど、他では高価で、光の『ツル』に、ほんの少しの魔力を使うだけで部屋を明るくすることが出来るからと、人気なのだそうだ。
そう言う需要が有るのか…。
…もしかして、部屋の灯り用の入れ物を作った方が良い?
鞄やリュックに付ける事を想定して、光を照らすのは片側だけだから…。
部屋に置くときは、僕は羽を広げて魔力を入れるけれど、入れ物にいれたまま、そのまま使うのでは、明かりはそれほど明るくはない。
入れ物から出して使えば良いけれど、羽を閉じるときに綺麗に折り戻せなければ、使えなくなってしまう…。
広げた状態で、維持できる方法を考えた方が良いのかも知れない。
お試しに使ってもらった時は、入れ物が無かったから、直接魔力を入れていたし…。
…そうだ。
羽を広げた『ツル』を、ランプみたいにガラスで囲んで、魔力を入れれるようにしたら、部屋が明るくなるかな…。
後で、ヒナキさんに相談してみよう。
次に売れているのは水魔法の『コップ』。
なぜか予想外に、調査隊や道路整備の、野外の医療現場で使われているらしい…。
…何で?
聞けば、傷口を洗ったり、水分を補給させるために、『コップ』で出した水が、多くもなく少なくもなく、ちょうど良いらしい。
それと、水の属性を帯びた『コップ』に光の魔力を注いだら、消毒水に変化したそうだ。
怪我した傷口を『コップ』の消毒水で洗い、治療すると、怪我の治りが早いとか…。
そんな効果が報告された。
さすがにそれは試していない…。
ただ、どうしても扱いが乱雑になるので、何回か使っている内に破損してしまったらしい。
だから多く欲しいのだとか…。
そんな連絡が入った。
入れ物から出して『コップ』を使用して、入れ物に戻して…。
個人で使う分には、慎重に使うだろうが、集団の中で使うとなると、きちんと管理する者がいないと、直ぐに破損してしまうだろう…。
それに、初めての販売だから、それほど数は出荷されていない。
もしかして、個人的に持っていた人のを使ったのだろうか…。
『コップ』が役立ってくれるのは嬉しいが、量産出来るものではないので、どうしたら良いのか考えなくてはならない…。
なので、ヒナキさんと、アレクさん。
木工所の熊族のテリヤさん。
ちょうど帰ってきたリーンさん達と相談する事になった。
相談の場所は、ヒナキさんの店の横の、魔力紙を保管している小屋の中。
折り魔紙の話は、外から来る人には、あまり聞かせたくないしね…。
16
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる