眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

文字の大きさ
上 下
38 / 182
森の聖域クルーラ

『クルーラ』への道のり

しおりを挟む
 『クルーラ』は森の奥に有る『聖域』の隣に有る村だと言っていた。
 『クルーラ』に買い物に来るお客さん達は、森の中を歩いて来るのだろうか?
 今更ながら、気になって聞いてみた。

 『クルーラ』に来るまでの道のりは、『グオルク』と呼ばれる獣人の大きな街から馬車で、一日がかりになるそうだ。
 早朝、『グオルク』から定期便の馬車が出て、途中の村に何ヵ所か寄り、休憩をしながら、夕方に『クルーラ』にたどり着く。
 朝一番の馬車に乗って、夕方にクルーラに着き、店は日の入りと共に閉まってしまうので、宿で泊まり、翌朝から『クルーラ』での行動になるそうだ。
 帰りは、早朝、『クルーラ』から出て、『グオルク』に夕方たどり着く。
 二日に一便のそれが、安全な基本の行き来だそうだ。
 夜には獣が出て来て危ないので、明るい時間のみを利用した移動方法なのだとか…。
 馬車を引く馬は、朝から夕方まで、一日中、走りっぱなしだけど大丈夫なの?
 不思議に思って聞いてみると、獣馬ジュウマと言って、普通の馬より体格も大きく、体力も有る獣馬ジュウマなので、途中の休憩が有れば、走り続けても大丈夫なので、心配無用だとか…。
 えっ…。
 て、事は、獣馬ジュウマは『クルーラ』にも居るって事だよね…。
 夕方から早朝は、『クルーラ』に居るんだよね…?
 一度も見てないけれど…。
 そう言ったら、アレクさんが苦笑いして教えてくれた。
 獣馬ジュウマの馬車は、『クルーラ』の入り口の小屋の前で止まり、お客さんを降ろすので、直接中には入って来ないから、見た事がないんだろうと言われた。
 そして獣馬ジュウマは、専用の別の入り口から『クルーラ』へ入って、石畳の道から少しはなれた獣馬ジュウマ小屋で暮らしていると言う。
 そこの管理は『青の館』が受け持っているとか…。
 そうなんだ…。
 僕の行動範囲は、村の中心の石畳の道周辺と、『白の館』周辺まで。
 まだ見てない、知らない『クルーラ』の場所が、たくさん有りそうだ。

 『グオルク』から馬車に乗らず、歩いて来る場合は、馬車の道が出来ているので、その道なりに歩いてくれば、最短、三日ほどでたどり着くらしい。
 途中の村で泊まったり、森の中でテントを組み立てて泊まったり。
 天候や道の状況にもよるが、五日もあればたどり着くと言う…。
 昔は、道も整備されておらず、獣道を歩いていたので、たどり着くまでには、倍以上の日にちがかかり、迷子になる者も多かったそうだ。
 だから今は、馬車を利用する者達がほとんどなのだとか…。

 それ以外にも、熊の獣人の町と、狼の獣人の町へは馬車での行き来が出来、こっちは四日に一便、距離的にはこちらの方が近いそうだ…。
 もともと各地から、獣馬ジュウマの馬車が不定期に来ていたが、定期便が出来たのは最近、二十年前くらい。
 それから『クルーラ』の石畳が敷かれ、村の中が整備されていったのだと言う…。
 ふぅ~ん…そうなんだ…。
 …二十年前くらい…。
 …『最近』なんだ…。
 
 それ以外の近くの獣人達の集落や村は、道幅が狭いので、歩いてくるそうだ。
 まだ、外に出た事が無いけれど、近くにも町や村も、有るんだよな…。
 
 転移の魔法が使える者達は、街外れの、森の中にある開けた場所から、『クルーラ』近くの森の中の広場に転移してきて、少し歩いて『クルーラ』に来るそうだ。
 近くに広場が設置されているのは、転移してくる場所を特定しやすいように作られたらしい。
 とは言え、転移魔法を使える者は少なく、コレは主に、リーンさんのために作られたモノだとか…。
 リーンさんは、『クルーラ』の結界の中に転移するぐらい簡単だそうで、いつもは直接帰ってくるそうだが、誰かを連れて『クルーラ』の中に転移するのは難しく、いろんな場所から、いつも同じ場所付近で転移していたら、そこが広場になったとか…。
 そんな事をアレクさんが教えてくれた。

 えっと…。
 やっぱり、リーンさんて凄い人…。


 そんな話をしていたら、アレクさんが『いつか、熊族の町に連れていってあげるよ』と、言ってくれた。
 熊族の町ってどんな町なのだろう。
 他の村や町も気になるから、いつか行ってみたいな…。
 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった

ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。 しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。 リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。 現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...