眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

『クルーラ』への道のり

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 『クルーラ』は森の奥に有る『聖域』の隣に有る村だと言っていた。
 『クルーラ』に買い物に来るお客さん達は、森の中を歩いて来るのだろうか?
 今更ながら、気になって聞いてみた。

 『クルーラ』に来るまでの道のりは、『グオルク』と呼ばれる獣人の大きな街から馬車で、一日がかりになるそうだ。
 早朝、『グオルク』から定期便の馬車が出て、途中の村に何ヵ所か寄り、休憩をしながら、夕方に『クルーラ』にたどり着く。
 朝一番の馬車に乗って、夕方にクルーラに着き、店は日の入りと共に閉まってしまうので、宿で泊まり、翌朝から『クルーラ』での行動になるそうだ。
 帰りは、早朝、『クルーラ』から出て、『グオルク』に夕方たどり着く。
 二日に一便のそれが、安全な基本の行き来だそうだ。
 夜には獣が出て来て危ないので、明るい時間のみを利用した移動方法なのだとか…。
 馬車を引く馬は、朝から夕方まで、一日中、走りっぱなしだけど大丈夫なの?
 不思議に思って聞いてみると、獣馬ジュウマと言って、普通の馬より体格も大きく、体力も有る獣馬ジュウマなので、途中の休憩が有れば、走り続けても大丈夫なので、心配無用だとか…。
 えっ…。
 て、事は、獣馬ジュウマは『クルーラ』にも居るって事だよね…。
 夕方から早朝は、『クルーラ』に居るんだよね…?
 一度も見てないけれど…。
 そう言ったら、アレクさんが苦笑いして教えてくれた。
 獣馬ジュウマの馬車は、『クルーラ』の入り口の小屋の前で止まり、お客さんを降ろすので、直接中には入って来ないから、見た事がないんだろうと言われた。
 そして獣馬ジュウマは、専用の別の入り口から『クルーラ』へ入って、石畳の道から少しはなれた獣馬ジュウマ小屋で暮らしていると言う。
 そこの管理は『青の館』が受け持っているとか…。
 そうなんだ…。
 僕の行動範囲は、村の中心の石畳の道周辺と、『白の館』周辺まで。
 まだ見てない、知らない『クルーラ』の場所が、たくさん有りそうだ。

 『グオルク』から馬車に乗らず、歩いて来る場合は、馬車の道が出来ているので、その道なりに歩いてくれば、最短、三日ほどでたどり着くらしい。
 途中の村で泊まったり、森の中でテントを組み立てて泊まったり。
 天候や道の状況にもよるが、五日もあればたどり着くと言う…。
 昔は、道も整備されておらず、獣道を歩いていたので、たどり着くまでには、倍以上の日にちがかかり、迷子になる者も多かったそうだ。
 だから今は、馬車を利用する者達がほとんどなのだとか…。

 それ以外にも、熊の獣人の町と、狼の獣人の町へは馬車での行き来が出来、こっちは四日に一便、距離的にはこちらの方が近いそうだ…。
 もともと各地から、獣馬ジュウマの馬車が不定期に来ていたが、定期便が出来たのは最近、二十年前くらい。
 それから『クルーラ』の石畳が敷かれ、村の中が整備されていったのだと言う…。
 ふぅ~ん…そうなんだ…。
 …二十年前くらい…。
 …『最近』なんだ…。
 
 それ以外の近くの獣人達の集落や村は、道幅が狭いので、歩いてくるそうだ。
 まだ、外に出た事が無いけれど、近くにも町や村も、有るんだよな…。
 
 転移の魔法が使える者達は、街外れの、森の中にある開けた場所から、『クルーラ』近くの森の中の広場に転移してきて、少し歩いて『クルーラ』に来るそうだ。
 近くに広場が設置されているのは、転移してくる場所を特定しやすいように作られたらしい。
 とは言え、転移魔法を使える者は少なく、コレは主に、リーンさんのために作られたモノだとか…。
 リーンさんは、『クルーラ』の結界の中に転移するぐらい簡単だそうで、いつもは直接帰ってくるそうだが、誰かを連れて『クルーラ』の中に転移するのは難しく、いろんな場所から、いつも同じ場所付近で転移していたら、そこが広場になったとか…。
 そんな事をアレクさんが教えてくれた。

 えっと…。
 やっぱり、リーンさんて凄い人…。


 そんな話をしていたら、アレクさんが『いつか、熊族の町に連れていってあげるよ』と、言ってくれた。
 熊族の町ってどんな町なのだろう。
 他の村や町も気になるから、いつか行ってみたいな…。
 

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