眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

販売所

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 僕がクルーラに来て、三月ミツキが過ぎ、折った魔力紙マリョクシを、数量限定で、販売することが決まった。
 
 販売するのは、水属性の『コップ』、光属性の『ツル』、土属性の『コバコ』の三種類だ。
 『コップ』と『ツル』は、持ち運び用の入れ物に最初から入れて販売し、使っていて、折った魔力紙マリョクシが使えなくなったら、中身の折った魔力紙マリョクシだけを購入出来る仕組みにした。
 『コバコ』は『コバコ』より少し大きめの木箱に入れて、開閉式の蓋を付けた入れ物に入れての販売だ。
 
 そこで言われたのが、この商品の名前を付けると言うことだった。
 『折った魔力紙マリョクシ』では、そのまますぎるので、正式名称として、名前を考えなくてはいけなかった。
 ヒナキさんやアレクさんには、相談には乗るけど、決めるのは僕だと言われた。
 う~ん…。
 どうしよう…。
 折った魔力紙マリョクシだから、短くすると『折り紙』『折った紙』?
 でも紙ではなくて、魔力紙マリョクシだ。
 と、なると『折り魔紙マシ』だよな…。
 『魔紙マシ』…。
 なんか良い響きかも…。
 
 その話をヒナキさんに言うと、ニヤリと笑って言った。
「正方形の魔力紙マリョクシの事を魔紙マシ。折った魔力紙マリョクシの事を『折り魔紙マシ』だな。良いんじゃないか」
 ヒナキさんのお墨付きをもらって、商品の名前が正式に決まった。
 
 あと、『コップ』と『ツル』の販売所は、『服、布屋ラビ』の隣の、『雑貨屋ベル』に置いてもらうことになった。
 『雑貨屋ベル』は、犬族が中心になってお店をしている。
 この店は、『クルーラ』に住む住人の作った小物を販売している店だ。
 ヒナキさんの店が魔道具が中心に置かれているのと同じ用に、髪飾りや小箱、蔦で編んだカゴ、鞄など、様々な日用品が置かれていて、『クルーラ』を訪れる人達のお土産屋でも有るのだ。
 なので、『御守り』として、店の一角に置いてもらう事になった。
 ヒナキさんの店でも良いのに…と、思ったけれど、ヒナキさんが居ないことも有るし、僕に販売の取引や商談をさせるわけにはいかないと、『雑貨屋ベル』決まった。
 うん。
 商談とか取引…。
 知らないことが多い、僕には無理です…。

 それと、もう一ヶ所。
 『コバコ』と『コップ』を、『雑貨屋ベル』の隣の『薬屋ヒール』に置いてもらうことになった。
 『コバコ』は土魔法を使い、窓辺で薬草を育てる事が出来る育成用だ。
 形が崩れないように、土属性の模様の木箱に『コバコ』を入れたまま、種を入れて使う。
 ◦属性魔法は、使用するときに掛けてから種を入れる。
 ◦『コップ』の水は、二、三滴だけ。かけすぎない。
 ◦三日に一回、魔力を与える。
 など、いろいろな注意事項が有る。
 それらは植物園の人達と考え、魔力紙マリョクシに書き込み、購入時に渡すようにした。
 さすがにコレは植物園の人に書いてもらった。
 長い文章を書くのはまだ無理だ。
 一緒に『コップ』の水をを使うと、通常より早く育つことを説明し、二つのセット売りなのだとか。
 とは言え、『コバコ』で育てられる薬草は背丈の小さいモノばかり…。
 生の常備薬草のようなものだ。
 今はまだ、一般的な薬草ばかりだけど、商談次第で変えていくとか言っていた。
 その辺も、僕には分からないので、お任せだ。

 僕の仕事は、折り魔紙マシを折ること…。
 折って納品した数を記録し、注文が入ったら、また折って準備する。
 出来上がった折り魔紙マシは、お店の人が取りに来て、お店で属性魔法を掛けて販売する。
 極力、僕を表に出さないようにしてくれた。
 今のところ、折り魔紙マシを折って納品できるのが、僕しかいないからだ。
 あと、木工所も忙しくなってしまった。
 折り魔紙マシの入れ物を量産することになり、一日に作れる数が決まっているので、個数限定にしたのだ。
 あとは予約注文を受けることに…。
 
 本当にその辺は、僕には未知の世界なので、お任せだ。
 折り魔紙マシ、役だってくれるかな…。

 ドキドキしながら、折り魔紙マシの販売が始まった。
 


 
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