眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

『コバコ』

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 小屋の窓辺に並べられた、魔力紙マリョクシで作った『コバコ』は、今、土魔法の検証中だ。
 『コバコ』は、土魔法で茶色くなり、実験的に中に種を入れて窓辺に置いている。
 もしコレで発芽すれば、育てるのが難しいと言われる貴重な薬草も、育てることが出来るかもしれないからだ。

 その隣に、大きさ違いの『コバコ』を使った実験もしている。
 『コバコ』の大きさで、成育が違うかも知れないので、順番に並べて検証中…。

 さらにその隣には、土魔法で茶色くなった『コバコ』に種を入れて、木魔法で緑色になった、一つ大きい『コバコ』を蓋にして、重ねたモノ。
 二つの魔法の影響があった方が、種が早く発芽するのではないかと言う意見からだ。

 さらにその隣には、土魔法が掛かった『コバコ』に種を入れ、水魔法の『コップ』で作った水をかけたもの。
 水の掛け加減が分からなくて、最初はベトベトになってしまって、紙が破れてしまったが…。
 掛けすぎはダメだと言うこと…。
 破れない程度だと、ほんの少し掛けるだけ…。
 だけど今は、ほんの少し、種に数滴垂らす程度で良いことがわかった。
 数滴でも種から小さな根っこが出てきたんだよね。
 コレを見たときは思わず叫んでしまった…。
 なので、二つの属性魔力を帯びていた方が、成長が早いのかも…。
 と、言う事で、『コバコ』二つ重ねの実験も始めたのだ。
 コレにさらに『コップ』の水を少し掛けるモノも追加で…。

 さらには『コバコ』に土魔法で作った土を入れて、種を植えたり…。
 思い付くまま並べていたら、窓辺は『コバコ』だらけになってしまった。
 僕一人ではとても管理できなくなってしまったので、午前中は、薬草を育てている植物園の人達が、交代で見に来てくれている。
 今後の『コバコ』の能力に期待しているそうだ。
 季節を問わず育てて採取出来れば、薬草の値段も下げる事が出来、多く普及されることを願っているそうだ。
 価格的な事は分からないが、薬草で作った薬を必要としている人が、手に入れやすくなるなら、期待するよね。

 窓辺の棚の下には、それぞれに経過を書く用紙も準備してあり、何か変化が有れば、その事をすぐに書き込めるようにもしてある。
 とは言え、まだ、文字を書くのに慣れないので、植物園の人と、ヒナキさんに教えてもらいなが記入しているが…。


 魔力紙マリョクシはたくさん有るので、思い付くまま、作ってみて、属性魔法を掛けてもらって、試している。
 どれだけ使っても、アレクさんが箱で追加で持ってきてくれるので、減りそうもない…。
 いつの間にか、棚に予備の木箱が増えているくらい…。
 いったい、どれくらい、使っていなかった魔力紙マリョクシが有るんだろう…。
 そんなことを思いながらも、オルガは魔力紙マリョクシを折ることと、観察を楽しんだ。

 検証する実験って楽しいな…。
 オルガは『コバコ』に入れた種の芽が出るのを楽しみに眺めた。
 

 ちなみに『フウセン』は封印した。
 ヒナキさんとリーンさん、共に話し合った上での結論だった。
 『フウセン』は火属性を纏い、落とした衝撃で、小さな爆発を起こした。
 怪我は無かったが、危険だと判断したのだ。
 魔力を多く送り込めば、もっと大きな爆発を起こすかもしれない。
 下手をすれば、鉱山の採掘に使えるくらいの、衝撃を起こしそうだからだ。
 作り方の説明書と使用注意をしっかりと書き込み、作った『フウセン』も一緒に、木箱の中にしまって、奥の部屋の片隅に押しやった。
 今は危険だと思うけど、いずれ何かの役に立つことが有るかもしれないので、封印と言う形にしたのだ。
 
 取り扱い説明書を書き込むことは、今後の為にも、しっかりと記録を残していかないと、いけないのだと。
 重要な役目だと、オルガは改めて思った。



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