眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

文字の大きさ
上 下
33 / 182
森の聖域クルーラ

オルガの小屋

しおりを挟む
 ヒナキさんの家の横に小屋を作って、渡り廊下で繋げてから数日が過ぎていた。

 僕は小屋に、小屋から外に出る扉が無いことが気になって、ヒナキさんに聞くと、扉を付ける予定だった場所に、渡り廊下を付けたのだと教えてもらった。
 小屋に勝手に入られないようにするため。
 それと、僕の安全面を確保する為だとか。
 ヒナキさんの店からしか中に入れなければ、誰が来ているのか確認する事も出きるからだと。
 裏口に有る、引戸の扉は、木工所の人達だけしか出入り出来ないようになっているので、そこから侵入することは出来ないので安心すれば言いと言われた。
 一応、僕は子供だからね…。
 クルーラの人達は大丈夫だろうけれど、お客さんはいろいろな場所から来るので、変わった人も居るから、用心の為だと言っていた…。


 ヒナキさんの店から渡り廊下を歩いて、木の扉を開く。
 一般のお客さんが入れるのは、この渡り廊下までだ。
 小屋に入って左側の壁の棚には、魔力紙マリョクシを入れた、大きさの違う木箱が順番に並べられた。
 僕が開けやすいように、身長に合わせて低い棚を作ってもらい、その上に木箱を置き、その上の棚に、いろんな大きさで作った『ツル』や『コップ』『コバコ』を置いた。
 大きさの違う木箱の側には、その中に入っている魔力紙マリョクシを使った『ツル』を置いて、大きさの目安にしている。
 小屋に入って右側の前の方、大きな窓際には、ヒナキさんの所に有ったのと同じ低い棚を端から端まで並べ、棚の上に貰い物の植木鉢や、検証中の『コバコ』を並べた。
 そして部屋の真ん中に、テーブルとソファー。
 ヒナキさんの所に有ったのと同じモノだ。
 まだ、ソレくらいしか置いてはいないけれど、少しづつモノが増えていくのだろう…。
 奥の部屋には、何も入っていない小さな箱や、大きな箱がたくさん置かれている。
 木工所の小物を作っている人達の、試作品や練習に使った箱がたくさん有るので、利用してほしいと置いていったのだ。
 商品として、販売するには納得いかないモノばかりなので、気軽に使ってほしいとか…。
 ヒナキさんが言うには、販売出来ない試作品ばかりたまってきて、木工所の置く場所が無くなってきたので、一部倉庫にして、置いていきたいらしい…。
 「なので遠慮無く使え」だそうだ。
 …それで、奥の部屋も広いわけだ…。
 この小屋を作ったのは、木工所の人達だし、それも考えて建てたのだろう…。
 大きさ違いの魔力紙マリョクシを入れている木箱も、この中から選んで入れたのだとアレクさんが言っていたので、遠慮はいらないようだ。

 オルガはたくさん有る箱の中から、気に入ったデザインの小箱を取り出し、窓際の棚の上に並べた。
 と、言っても検証中の『コバコ』だらけだけど…。
 コレって、折った魔力紙マリョクシや折ってない魔力紙マリョクシをプレゼントしたりする、入れ物にしても良いよね…。
 時間が有る時に、魔力紙マリョクシを入れてみて、大きさごとに分けて、分別しておいた方が良いのかも…。
 使いたいときに、すぐに入れて使えるように。
 後で奥の部屋を確認してみよう。
 オルガは窓辺に並べた小箱を、嬉しそうに眺めた。

 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...