眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

小屋の建設 2

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 翌日、朝から小屋の建設が始まった。
 
 僕がヒナキさんの家に行った時には、すでに窓が有った場所に、大きな穴が開いていて、リーンさんが部屋の中にいた。
 リーンさんは部屋のソファーに座り、穴の開いた場所ジッとを見ていた。
「何か見えるの?」
 不思議に思って僕が聞くと、リーンさんは視線をそらさないまま微笑んだ。
「渡り廊下が付くまで、空間の歪みが起こらないか監視しているんだよ」
 空間の歪みを…監視…。
 そうだった。
 この場所が、唯一、いろんなモノの影響の無い場所だと言っていたんだ。
「今のところ大丈夫だから安心して」
「うん」
 渡り廊下が繋がったら、もう一度、歪みについて説明してもらおう…。
 
 リーンさんは動けなさそうなので、オルガは外に出て、昨日、土台を整備していた小屋を建てる場所に向かった。
 ソコにはヒナキさんがいて、側にいろんな大きさの木材が積み上げられていた。
 ヒナキさんが僕に気が付くと手招きされ、ヒナキさんの側で一緒に見学する事になった。
 小屋の予定地を見ると、地面に線が書かれていて、小屋の大きさと、ソレに繋がる渡り廊下の線も書かれているようだ。
 小屋の予定地を囲むように、四方に熊族の男の人達が居て、昨日と同じように大地に手を付くと、地面がキラキラと茶色い光を輝かせ始めた。
 そして側に積んであった木材も緑色の光を放ち、もう一人僕たちの反対側に人がいることに気が付いた。
 建設が始まる…。
 僕は息を飲んでその光景を見ていた。
 側に積んであった木材がフワリと浮き上がり、小屋の予定地に次々と木材が突き刺さり、地面の中に食い込んでいく…。
 昨日、固くしたのに簡単に木材が埋まっていく…。
 どんどんと木材が運ばれていって、形を成していく…。
 気が付けば、渡り廊下と小屋の周辺の柱と、横軸の柱が組み立てられ、小屋の基礎の柱が出来上がっていた。
「…。」
 すごい…。
 僕、昨日からソレばっかり言ってる…。
 ヒナキさんが言うには、柱の長さや位置などは、あらかじめ工場で加工して、組み立てられるように準備してきているから、コレだけ早く組み立てられるのだと教えてくれた。
 あとは壁の材料を運んできて、午後から壁と窓を取り付けていくとか…。
 なるほど…。
 一日で小屋が建てられる、意味がわかった…。
 
 
 小屋作りは、壁や窓を運んできてからの作業になるので、いったん休憩だそうだ。
 僕はヒナキさんと一緒に家の中に入り、穴の開いた壁から、小屋の基礎を眺めた。
 そして気が付く。
 ヒナキさんの店の床より、渡り廊下が少し高いところに有る。
「…ココ、少し高くなってない?」
 そう聞くと、リーンさんが微笑んで答えてくれた。
「高くしたよ。ココから先は、関係者以外立入禁止にするため、店とは違う事を区切るためにね」
 なるほど。
 ヒナキさんの店に、お客さんが来たとき、ココから先は店とは別なのだと境界線を、見た目で分かるようにするためだ。
「階段を二段だけ付けたよ。渡り廊下までは入れても、向こう側には扉を付けるから大丈夫だとは思うけど。一応ね」
 小屋には魔力紙マリョクシの在庫と、折った魔力紙マリョクシの『ツル』や『コップ』などを保管する場所や、検証結果、折り方の用紙、検証するための場所になるのだ。
 うん。関係者以外立入禁止。
 

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