眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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森の聖域クルーラ

部屋の拡張

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 新たな折り方や、馴染みやすい属性が分かるようになって来た頃、アレクさんが大きさ違いの魔力紙マリョクシの準備出来たと連絡してきた。
 
 僕が普段使っている魔力紙マリョクシの大きさが、十五センチ。
 コレを基準に、一センチづつ大きくしたり、小さくしたモノを準備していた。
 同じ魔力でも、魔力紙マリョクシの大きさによって、魔力の伝わり方が違うと分かっているため、それも検証するためだ。
 以前、『ツル』に光の魔力を入れたとき、魔力紙マリョクシの大きさが、小さいのは眩しくなり、大きいのは薄暗かった事が有るので、確実に記録として残すためだ。
 だけど、それらをヒナキさんの店に置いておくとなると、場所を使うし、かといって、僕が暮らしている白の館に置いておくわけにもいかない…。
 どうするんだろう…。
 そう思っていると、ヒナキさんが部屋を拡張すると言い出した。
 部屋を拡張?
 大きくするって事?
 ヒナキさんが言うには、二つ目の部屋みたいに空間魔法を使って部屋を大きくすれば支障はないと、言うこと。
 空間魔法?
 前にも何か言っていたけれど、よく分からなかったやつだ…。
 一つ目の部屋、このお店の部分は自由に入れるけれど、二つ目の部屋は、空間魔法を使っているので、揺らぎが有るから入らないように言われている。
 まだ、魔力操作がうまく出来ない僕には、空間の境目が見えないので、危ないらしい…。
 この家には、いったいどれだけ魔法が掛けられているのだろう…。
 そんな事を思っていると、リーンさんがやって来て、ヒナキさんが部屋の拡張の話をすると、空間魔法は却下されていた。
 何でもこの家は、いくつもの空間魔法が使われているので、これ以上使うと、変に空間が捻れてしまうとか…。
 こ、怖い…。
 
 リーンさんの提案は、ヒナキさんの店の隣に小さな小屋を建てて、空間魔法の影響の無い場所と、渡り廊下で繋げたらどうかと言うことだった。
 その方が、今後小屋を大きくしたり建て直したりするのに、魔法を使わなくてもすむからだそうだ。
 あっ、その方が良いかも…。
 今さら別の場所で作業をするのも、なんだか寂しいし…。
 まだ数日しか経ってないのに、なんだか、ココの空間に愛着があるんだよね…。
 オルガはヒナキさんの店の中を見回した。
 その小屋は、在庫の魔力紙マリョクシを置いておいたり、検証するモノや、折った魔力紙マリョクシを保存しておく場所にすれば良いって事だよね。
 リーンさんにそう聞くと、頷いてくれた。
 良かった…。
 空間魔法の影響が無く、渡り廊下を付けて増築出来る場所は、唯一、一ヶ所…。
 いつも座っているソファーがある場所の、後ろ側の窓の所は影響がないそうだ。
 唯一、一ヶ所って…。
 あまり考えないでおこう…。

 今ある大きな窓、二枚分を通路にして、渡り廊下を作り、隣に小屋を建てて、ソコと繋げる計画が持ち上がった。
 

 リーンさんが言うには、僕が最初に魔力紙マリョクシで、『ツル』や『コップ』を折った頃から、何処かに作業部屋を作らなくてはいけないなと思い、小屋を作ってもらう話はして、段取りはしてあるそうだ。
 すばやい…。
 ヒナキさんの店に渡り廊下で繋げるのだったら、水回りを準備しなくて良いので、一、二日位で建てられるらしく、木工所の段取りを聞いてくるよ。と、店を出ていった。
 そんな簡単に、小屋を建てられるんだ…。
 オルガは茫然とその話を聞いていた。


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