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森の聖域クルーラ
『コップ』 3
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まだ少し明るい内に『白の館』にたどり着け、オルガはホッとして『白の館』へと帰ってきた。
オルガが『白の館』に入ると、何時も入り口にいる、管理人のダンリーさんが居なかった。
珍しいな…。
そう思いながら靴を脱いで館の中に入ると、談話室の扉が開けっ放しになっていて、中の方からザワめきが聞こえた。
なんだろう…?
そう思いながら、自分の部屋へと戻った。
机の上に鞄を置いて、食堂に向かう。
気にはなるが、お腹が空いたからだ。
食堂に入ると、数人が食事をしていた。
オルガは調理場のカウンターに行き、今日の夕食をもらいに行くと、熊族のヨウドさんが声をかけてきた。
「お帰り。後で談話室に、行っておいで」
「…ただいま…。談話室?」
彼はニヤニヤと笑って教えてくれない。
「行けば分かるから」
「…うん」
オルガは首を傾げ、夕食をもらってテーブルに付き、夕食を食べ始めた。
食事が終わり、食器を片付けに行くと、ヨウドさんに談話室の方を指差された。
『行ってきなさい』って事だよね。
僕は『ごちそうさま』と、食器を置いて、談話室へ向かった。
オルガが開けっ放しの談話室に入ろうとしたら、部屋の中から叫び声が聞こえてきて、思わず足を止めた。
なっ何?!
廊下からそっと部屋の中を覗く…。
部屋のテーブルの上には『コップ』の魔力紙が置かれ、何人かは手に持って魔力を掛けているのか青色の光が時々放たれる。
「うお~っ!俺でも水が出せる!」
「すごい~!魔力をあげれば何回でも水が出るわ!」
そんな叫び声が聞こえてきた。
ヒナキさんが配った魔力紙を試していたんだ。
水を出せるって、そんなにすごいことなんだ…。
部屋の中にいる人達の声を聞いて、そう思った。
ヒナキさんの店にいるときには、そんなに実感が無かったが、談話室にいる人達が、これだけ騒いでいると、凄いことなんだ…と、少し認識し始めた。
「おっ、オルガ!」
談話室の入り口で、部屋の中を見ていた僕に気が付いたダンリーさんが声をかけてきた。
「おいで、オルガ」
そう言われて手招きされ、談話室の中へ入る。
談話室にいる人達の視線が刺さる…。
僕はダンリーさんに促されるまま、ダンリーさんが座っているソファーの隣に座った。
顔を上げると、皆からの視線が刺さりビクリとしてしまった。
「面白いものを発見してくれた」
ダンリーさんが僕の頭を撫でる。
視線をダンリーさんに向けると、彼は楽しそうに微笑んでいた。
「…面白い?」
「ああ、魔力紙を折ると、属性魔力を維持させる事が出きるなんて、誰も気が付かなかったからな」
「…やっぱり、凄い事なんだ…」
オルガがそう呟くと、回りが同時に頷いた。
すると涙を溢しながら男の獣人が近付いてきて言う。
「水魔法を使えないから、『クルーラ』の外に出るとき、いつも水を担いでたから、それが少し軽減される!」
そう訴えてきた。
ああ、水を確保しなくて良いからか…。
「部屋に置いておけば、何時でも水が飲める!」
「グオルクまでの距離が有るから、水の確保が大変だったんだよね」
「慌てて水飲み場まで行かなくて済みそうだ」
「水魔法を使えても、水を出す事ばかりに使えないからね」
などなど…。
次から次へと言い出した。
そう、なんだ…。
実際に、こう言うことに使えると言われると、実感がわいてくる。
「これは分けてもらえるのか?」
誰かがそう言った。
僕はダンリーさんを見上げ、皆の方を向いて言う。
「リーンさんが、今は貸し出しだって言ってた。試してもらって、使った結果と交換だよって…」
僕の言い方で分かるかな?
「ああ。対価ね」
皆が頷いた。
「久しぶりに楽しめそうだ」
うん。
みんな、楽しそう…。
「そう言えば、ヒナキ様が持ってきていた、光る『ツル』は試さないのか?」
そう、ダンリーさんが言う。
ダンリーさんは見せてもらったんだ。
「「光る『ツル』?」」
ザワリと皆の視線が僕に集まる。
そんなに見ないで欲しい…。
注目されることに、まだ慣れないから…。
「今、持ってきてないけど、誰か光の魔法を使える?」
オルガがそう聞くと、『私が使えるよ』と、兎族のリリスが手を上げた。
リリスさんが使えるなら、持って帰ってきた魔力紙を持ってきて、光の魔法を掛けてもらおう。
「魔力紙を取ってくるね」
そう言って、皆の視線を掻い潜り、オルガは部屋へと魔力紙を取りに戻った。
オルガが『白の館』に入ると、何時も入り口にいる、管理人のダンリーさんが居なかった。
珍しいな…。
そう思いながら靴を脱いで館の中に入ると、談話室の扉が開けっ放しになっていて、中の方からザワめきが聞こえた。
なんだろう…?
そう思いながら、自分の部屋へと戻った。
机の上に鞄を置いて、食堂に向かう。
気にはなるが、お腹が空いたからだ。
食堂に入ると、数人が食事をしていた。
オルガは調理場のカウンターに行き、今日の夕食をもらいに行くと、熊族のヨウドさんが声をかけてきた。
「お帰り。後で談話室に、行っておいで」
「…ただいま…。談話室?」
彼はニヤニヤと笑って教えてくれない。
「行けば分かるから」
「…うん」
オルガは首を傾げ、夕食をもらってテーブルに付き、夕食を食べ始めた。
食事が終わり、食器を片付けに行くと、ヨウドさんに談話室の方を指差された。
『行ってきなさい』って事だよね。
僕は『ごちそうさま』と、食器を置いて、談話室へ向かった。
オルガが開けっ放しの談話室に入ろうとしたら、部屋の中から叫び声が聞こえてきて、思わず足を止めた。
なっ何?!
廊下からそっと部屋の中を覗く…。
部屋のテーブルの上には『コップ』の魔力紙が置かれ、何人かは手に持って魔力を掛けているのか青色の光が時々放たれる。
「うお~っ!俺でも水が出せる!」
「すごい~!魔力をあげれば何回でも水が出るわ!」
そんな叫び声が聞こえてきた。
ヒナキさんが配った魔力紙を試していたんだ。
水を出せるって、そんなにすごいことなんだ…。
部屋の中にいる人達の声を聞いて、そう思った。
ヒナキさんの店にいるときには、そんなに実感が無かったが、談話室にいる人達が、これだけ騒いでいると、凄いことなんだ…と、少し認識し始めた。
「おっ、オルガ!」
談話室の入り口で、部屋の中を見ていた僕に気が付いたダンリーさんが声をかけてきた。
「おいで、オルガ」
そう言われて手招きされ、談話室の中へ入る。
談話室にいる人達の視線が刺さる…。
僕はダンリーさんに促されるまま、ダンリーさんが座っているソファーの隣に座った。
顔を上げると、皆からの視線が刺さりビクリとしてしまった。
「面白いものを発見してくれた」
ダンリーさんが僕の頭を撫でる。
視線をダンリーさんに向けると、彼は楽しそうに微笑んでいた。
「…面白い?」
「ああ、魔力紙を折ると、属性魔力を維持させる事が出きるなんて、誰も気が付かなかったからな」
「…やっぱり、凄い事なんだ…」
オルガがそう呟くと、回りが同時に頷いた。
すると涙を溢しながら男の獣人が近付いてきて言う。
「水魔法を使えないから、『クルーラ』の外に出るとき、いつも水を担いでたから、それが少し軽減される!」
そう訴えてきた。
ああ、水を確保しなくて良いからか…。
「部屋に置いておけば、何時でも水が飲める!」
「グオルクまでの距離が有るから、水の確保が大変だったんだよね」
「慌てて水飲み場まで行かなくて済みそうだ」
「水魔法を使えても、水を出す事ばかりに使えないからね」
などなど…。
次から次へと言い出した。
そう、なんだ…。
実際に、こう言うことに使えると言われると、実感がわいてくる。
「これは分けてもらえるのか?」
誰かがそう言った。
僕はダンリーさんを見上げ、皆の方を向いて言う。
「リーンさんが、今は貸し出しだって言ってた。試してもらって、使った結果と交換だよって…」
僕の言い方で分かるかな?
「ああ。対価ね」
皆が頷いた。
「久しぶりに楽しめそうだ」
うん。
みんな、楽しそう…。
「そう言えば、ヒナキ様が持ってきていた、光る『ツル』は試さないのか?」
そう、ダンリーさんが言う。
ダンリーさんは見せてもらったんだ。
「「光る『ツル』?」」
ザワリと皆の視線が僕に集まる。
そんなに見ないで欲しい…。
注目されることに、まだ慣れないから…。
「今、持ってきてないけど、誰か光の魔法を使える?」
オルガがそう聞くと、『私が使えるよ』と、兎族のリリスが手を上げた。
リリスさんが使えるなら、持って帰ってきた魔力紙を持ってきて、光の魔法を掛けてもらおう。
「魔力紙を取ってくるね」
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