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森の聖域クルーラ
練習
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オルガは文字の書く練習を始めた。
指先に魔力を集め、魔力ペンに触れると模様が金色に輝き、ペン先のなぞった痕を黒く痕を残していく…。
魔力が弱まってくると色も出なくなるので、また少し魔力を込めて、なるべく同じ調子で線が出るように…。
まずは魔力ペンを使いながら、文字盤を見て真似て書いていく。
ときどき魔力が薄れてしまうので、線が薄かったり見えなかったり…。
それでも魔力紙一枚に、同じ文字をいくつも書き終えたら、魔力ペンを置いて、リーンさんに見てもらう。
それで、文字のバランスを見てもらい、また書き直す。
何度も同じ文字を書いていると、書くことになれてきて、文字盤に近い文字が書けるようになってくる。
ソレを一文字ずつ、繰り返し書いていく…。
休憩のおやつを食べる頃には、魔力を使いすぎて、ぐったりと机にひれ伏せてしまった。
う~ん。
難しい…。
リーンさんは焦らないで、ゆっくりと確実に覚えて書いていこうね。と、言われ、魔力ペンを使っての文字の練習はココまで。
その間に、ヒナキさんは熊族のアレクさんと一緒に、僕達が折った魔力紙と、まだ折っていない魔力紙を持ってどこかにいってしまった。
見上げれば、光を放つ『ツル』は未だに空中を漂って浮かんでいる。
「あれって、途中で消せないのかな?」
オルガは頭上で光を放つ『ツル』を指差し、リーンさんに聞く。
ずっと光っているのは良いけれど、必要ないときまで光っていなくても良いのでは?と、思ったからだ。
リーンさんが漂う『ツル』を手に取り、光るまま僕に渡してくれた。
僕には浮いている場所に、手が届かないからだ。
『ツル』の畳み方は、羽をもともと有ったように萎めて閉じること…。
オルガが、両羽を畳む様に閉じると、その光は消えて、黄色く色が変わった。
「「…。」」
これって、最初に光の魔法を掛けたのと、同じ状態?
「オルガ、もう一度、広げて魔力を入れてごらん」
同じことを思ったのか、リーンさんがそう言ったので、オルガは再び羽を広げて、下から魔力を入れる。
すると再び光を放ち、けれど空中には浮かなかった。
「…点けたり消したり出きるね」
「ああ。それに、属性魔力は一種類だけ留めて置けるみたいだな」
オルガは、ふと、思う。
「…これって、大きい魔力紙で折ると、もっと眩しくなるのかな?それとも同じ?」
「やってみようか」
「うん」
気分転換をかねて、違うことをするのも良い。
僕は再び箱の中に手を入れて、魔力紙を取り出す。
今度は、自分の手の大きさの倍くらいの、大きな魔力紙。
そしてもう一度手を入れて、自分の手より小さい魔力紙も取り出す。
大きいだけでなく、小さいと長い時間、光っているのか、眩しくなるのか。
最初の魔力紙を基準に、試して見たくなったからだ。
テーブルに二種類の魔力紙を持って行って、リーンさんに光の魔法を掛けてもらう。
そして僕が『ツル』を折った。
どんな結果が出るのか楽しみだ。
『ツル』が折り上がり、畳んだままテーブルの上に置いておくと、ゆっくりと黄色く染まっていく。
何度見ても不思議だ。
まずは大きい『ツル』の羽を広げ、下から魔力を注ぎ込む。
すると、ぼんやりと輝きだした。
最初に折った『ツル』の光ほど明るくはない…。
最初に折って、羽を閉じた『ツル』の羽を広げ、もう一度、魔力を注ぎ込む。
やはり、大きいモノより明るく輝く。
と、言うことは、小さい『ツル』は、眩しくなる?
オルガは小さい『ツル』の羽を広げ、魔力を吹き込むと、眼を覆うほどの、眩しいくらいの光が放たれた。
「うわっ~!」
「ツッ!オルガ!羽を閉じて!」
リーンさんに言われて、オルガは慌てて羽を閉じ、光が収まる。
「「はぁ~」」
二人して大きなタメ息を付き、顔を見合せて、思わず笑ってしまった。
「さすがに眩しかったな」
「うん。小さいのは危険…」
目潰しになってしまう…。
「魔力が凝縮されるみたいだ。そうなると、もっと少ない魔力でも、光るって事だよな…」
リーンさんは何か考え始めた。
…こうやって、いろんな事を試しなから記録を残して、誰でも使えるモノにしていくんだ…。
そしてその中で、思い付いたことを、いろいろ試してみて、成功したり失敗したりして…。
オルガは魔力紙を使える形にしていく事に携われて、嬉しかった。
指先に魔力を集め、魔力ペンに触れると模様が金色に輝き、ペン先のなぞった痕を黒く痕を残していく…。
魔力が弱まってくると色も出なくなるので、また少し魔力を込めて、なるべく同じ調子で線が出るように…。
まずは魔力ペンを使いながら、文字盤を見て真似て書いていく。
ときどき魔力が薄れてしまうので、線が薄かったり見えなかったり…。
それでも魔力紙一枚に、同じ文字をいくつも書き終えたら、魔力ペンを置いて、リーンさんに見てもらう。
それで、文字のバランスを見てもらい、また書き直す。
何度も同じ文字を書いていると、書くことになれてきて、文字盤に近い文字が書けるようになってくる。
ソレを一文字ずつ、繰り返し書いていく…。
休憩のおやつを食べる頃には、魔力を使いすぎて、ぐったりと机にひれ伏せてしまった。
う~ん。
難しい…。
リーンさんは焦らないで、ゆっくりと確実に覚えて書いていこうね。と、言われ、魔力ペンを使っての文字の練習はココまで。
その間に、ヒナキさんは熊族のアレクさんと一緒に、僕達が折った魔力紙と、まだ折っていない魔力紙を持ってどこかにいってしまった。
見上げれば、光を放つ『ツル』は未だに空中を漂って浮かんでいる。
「あれって、途中で消せないのかな?」
オルガは頭上で光を放つ『ツル』を指差し、リーンさんに聞く。
ずっと光っているのは良いけれど、必要ないときまで光っていなくても良いのでは?と、思ったからだ。
リーンさんが漂う『ツル』を手に取り、光るまま僕に渡してくれた。
僕には浮いている場所に、手が届かないからだ。
『ツル』の畳み方は、羽をもともと有ったように萎めて閉じること…。
オルガが、両羽を畳む様に閉じると、その光は消えて、黄色く色が変わった。
「「…。」」
これって、最初に光の魔法を掛けたのと、同じ状態?
「オルガ、もう一度、広げて魔力を入れてごらん」
同じことを思ったのか、リーンさんがそう言ったので、オルガは再び羽を広げて、下から魔力を入れる。
すると再び光を放ち、けれど空中には浮かなかった。
「…点けたり消したり出きるね」
「ああ。それに、属性魔力は一種類だけ留めて置けるみたいだな」
オルガは、ふと、思う。
「…これって、大きい魔力紙で折ると、もっと眩しくなるのかな?それとも同じ?」
「やってみようか」
「うん」
気分転換をかねて、違うことをするのも良い。
僕は再び箱の中に手を入れて、魔力紙を取り出す。
今度は、自分の手の大きさの倍くらいの、大きな魔力紙。
そしてもう一度手を入れて、自分の手より小さい魔力紙も取り出す。
大きいだけでなく、小さいと長い時間、光っているのか、眩しくなるのか。
最初の魔力紙を基準に、試して見たくなったからだ。
テーブルに二種類の魔力紙を持って行って、リーンさんに光の魔法を掛けてもらう。
そして僕が『ツル』を折った。
どんな結果が出るのか楽しみだ。
『ツル』が折り上がり、畳んだままテーブルの上に置いておくと、ゆっくりと黄色く染まっていく。
何度見ても不思議だ。
まずは大きい『ツル』の羽を広げ、下から魔力を注ぎ込む。
すると、ぼんやりと輝きだした。
最初に折った『ツル』の光ほど明るくはない…。
最初に折って、羽を閉じた『ツル』の羽を広げ、もう一度、魔力を注ぎ込む。
やはり、大きいモノより明るく輝く。
と、言うことは、小さい『ツル』は、眩しくなる?
オルガは小さい『ツル』の羽を広げ、魔力を吹き込むと、眼を覆うほどの、眩しいくらいの光が放たれた。
「うわっ~!」
「ツッ!オルガ!羽を閉じて!」
リーンさんに言われて、オルガは慌てて羽を閉じ、光が収まる。
「「はぁ~」」
二人して大きなタメ息を付き、顔を見合せて、思わず笑ってしまった。
「さすがに眩しかったな」
「うん。小さいのは危険…」
目潰しになってしまう…。
「魔力が凝縮されるみたいだ。そうなると、もっと少ない魔力でも、光るって事だよな…」
リーンさんは何か考え始めた。
…こうやって、いろんな事を試しなから記録を残して、誰でも使えるモノにしていくんだ…。
そしてその中で、思い付いたことを、いろいろ試してみて、成功したり失敗したりして…。
オルガは魔力紙を使える形にしていく事に携われて、嬉しかった。
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