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森の聖域クルーラ
室内の明かり
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翌日、宿屋で朝食を食べ、二人分のお弁当を持って、石畳の道の一番奥、ヒナキさんの店に向かった。
昨日、宿屋で目覚めたのが昼過ぎだったので、人はまばらだったが、午前中と言うのもあって、多くの人、獣人族の人達が歩いていた。
あっ、昨日も見た熊族の人…。
あれは犬族かな…耳が三角なのは、狼族?猫族?
昨日、会った長い耳は兎族だから、長い耳の彼女達は昨日のお店に行くのかな…。
…羽根、生えてるのは…鳥族?
物珍しく、思わずキョロキョロしながら道を上っていく…。
本当にいろんな種族の獣人がいるんだ…。
あまりジロジロ見るのは、申し訳ないので、足早にヒナキさんの店へと向かって行った…。
ヒナキさんの店にたどり着き、扉を開けて一歩中に入ると、暗かった室内に明かりが灯り、思わず足を止めた。
「…今、勝手に…明るくなった…」
室内に入っただけなのに…。
室内を見回すが誰もいないので、ヒナキさんが明かりを灯したわけでは無いようだ。
オルガは首を傾げ、思い立った。
「もしかして、これが魔道具…?」
そう呟いたが、答えてくれる人はいない。
オルガは大き深呼吸して扉を閉めた。
持ってきたお弁当を、奥のテーブルとソファーの有る場所に持っていき、テーブルに置いた。
そしてソファーに座ったが、室内はシーンと静まり返ったまま…。
ヒナキさんが来る気配が無い…。
オルガはしばらくジッとしていたが、落ち着きがななくなってきて、辺りをキョロキョロと見回した。
そして昨日、文字が読めるかと聞かれた『初級魔法』の本が、僕が座った反対側のソファーに置いてあるのに気が付いた。
読めるかな…。
オルガは本を手に取り表紙をめくる。
…なんとなく、文字は読める…。
読めても意味が分からないけれど…。
オルガは文字を読む練習に、ゆっくりと文字をたどった。
集中していて、いつの間にか時間がたっていて、お腹の虫が鳴いた。
お腹空いた…。
ヒナキさんは、まだ、姿を見せない。
僕は持ってきたお弁当のひとつを取り出し、箱の蓋を開け、昼食を食べ始めた。
美味しい…。
そしてお弁当を食べ終わる頃、店の扉が開き、オルガが顔を上げると、リーンさんがいた。
「あれ?ヒナキは?」
「まだ来てない」
僕がそう答えると、リーンさんは頭を押さえた。
「一般常識を教えるって言ってたのに…」
リーンさんはそう言って、二つ目の部屋の扉の方に向かって歩いて行って、扉を開けた。
えっ…?!
二つ目の部屋に近付かないように、言っていたのに…。
「ヒナキ!」
リーンさんが声をかけると、部屋の奥からボソボソと何を言っているのか分からないが、声がした。
リーンさんは大きなため息を付いて扉を閉める。
そして僕の方に来て、苦笑いする。
「ごめんね。お弁当を食べ終わったら、『白の館』に向かうから…」
僕はコクりと頷く。
「本が読めるようだから、ヒナキがいなくても、基礎知識が分かる本を用意しておくよ」
もしかして、お店にいないことの方が多いのかな…。
でも、二つ目の部屋に向かって、しゃべっていたよね…。
奥の部屋にはいるんだよね…?
考えても仕方ないので、この後の事を考えて、リーンさんに聞いてみた。
「…この本、借りても良い?」
僕は読んでいた『初級魔法』の本を視線を落とす。
文字を読んでいるだけだけど、何となく意味が分かるものも有るので、退屈はしない。
今日みたいに、ただ待っているのは、落ち着かないので、本を読んでいれば気が紛れる…。
「良いよ。読んでおくだけでも、基礎知識にはなるからね」
そう言ってリーンさんは微笑んだ。
そうだね。
本を読んで、基礎知識を得る…。
知らないより、知っていた方が良いもんね…。
昨日、宿屋で目覚めたのが昼過ぎだったので、人はまばらだったが、午前中と言うのもあって、多くの人、獣人族の人達が歩いていた。
あっ、昨日も見た熊族の人…。
あれは犬族かな…耳が三角なのは、狼族?猫族?
昨日、会った長い耳は兎族だから、長い耳の彼女達は昨日のお店に行くのかな…。
…羽根、生えてるのは…鳥族?
物珍しく、思わずキョロキョロしながら道を上っていく…。
本当にいろんな種族の獣人がいるんだ…。
あまりジロジロ見るのは、申し訳ないので、足早にヒナキさんの店へと向かって行った…。
ヒナキさんの店にたどり着き、扉を開けて一歩中に入ると、暗かった室内に明かりが灯り、思わず足を止めた。
「…今、勝手に…明るくなった…」
室内に入っただけなのに…。
室内を見回すが誰もいないので、ヒナキさんが明かりを灯したわけでは無いようだ。
オルガは首を傾げ、思い立った。
「もしかして、これが魔道具…?」
そう呟いたが、答えてくれる人はいない。
オルガは大き深呼吸して扉を閉めた。
持ってきたお弁当を、奥のテーブルとソファーの有る場所に持っていき、テーブルに置いた。
そしてソファーに座ったが、室内はシーンと静まり返ったまま…。
ヒナキさんが来る気配が無い…。
オルガはしばらくジッとしていたが、落ち着きがななくなってきて、辺りをキョロキョロと見回した。
そして昨日、文字が読めるかと聞かれた『初級魔法』の本が、僕が座った反対側のソファーに置いてあるのに気が付いた。
読めるかな…。
オルガは本を手に取り表紙をめくる。
…なんとなく、文字は読める…。
読めても意味が分からないけれど…。
オルガは文字を読む練習に、ゆっくりと文字をたどった。
集中していて、いつの間にか時間がたっていて、お腹の虫が鳴いた。
お腹空いた…。
ヒナキさんは、まだ、姿を見せない。
僕は持ってきたお弁当のひとつを取り出し、箱の蓋を開け、昼食を食べ始めた。
美味しい…。
そしてお弁当を食べ終わる頃、店の扉が開き、オルガが顔を上げると、リーンさんがいた。
「あれ?ヒナキは?」
「まだ来てない」
僕がそう答えると、リーンさんは頭を押さえた。
「一般常識を教えるって言ってたのに…」
リーンさんはそう言って、二つ目の部屋の扉の方に向かって歩いて行って、扉を開けた。
えっ…?!
二つ目の部屋に近付かないように、言っていたのに…。
「ヒナキ!」
リーンさんが声をかけると、部屋の奥からボソボソと何を言っているのか分からないが、声がした。
リーンさんは大きなため息を付いて扉を閉める。
そして僕の方に来て、苦笑いする。
「ごめんね。お弁当を食べ終わったら、『白の館』に向かうから…」
僕はコクりと頷く。
「本が読めるようだから、ヒナキがいなくても、基礎知識が分かる本を用意しておくよ」
もしかして、お店にいないことの方が多いのかな…。
でも、二つ目の部屋に向かって、しゃべっていたよね…。
奥の部屋にはいるんだよね…?
考えても仕方ないので、この後の事を考えて、リーンさんに聞いてみた。
「…この本、借りても良い?」
僕は読んでいた『初級魔法』の本を視線を落とす。
文字を読んでいるだけだけど、何となく意味が分かるものも有るので、退屈はしない。
今日みたいに、ただ待っているのは、落ち着かないので、本を読んでいれば気が紛れる…。
「良いよ。読んでおくだけでも、基礎知識にはなるからね」
そう言ってリーンさんは微笑んだ。
そうだね。
本を読んで、基礎知識を得る…。
知らないより、知っていた方が良いもんね…。
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