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森の聖域クルーラ
魔力紙(マリョクシ)2
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オルガがテーブルの上にその『魔力紙』を置くと、無意識に手が動いた。
角と角を合わせ三角に…。
今度は左右の角と角を合わせて三角に…。
重なった角を広げて四角に…。
反対側も四角に…。
急に『魔力紙』を折始めたオルガの側に、ヒナキが近付いて、黙ってその作業を見ている。
四角の中心の折筋にそって三角に左右折って…広げて…。
何を折っているのか分からないが、手が勝手に『魔力紙』を折っていく…。
ハッとオルガが気が付くと、『魔力紙』で折られたものが出来上がっていた。
「へえ、面白いね」
いつの間にか来てきたリーンさんが声をかけてきた。
そして、黙ったままのヒナキさんの方を見ると、驚いた様子で折られた『魔力紙』を凝視している…。
どうしたんだろう…。
ヒナキさんは目を細め、苦笑いして微笑んだ。
「懐かしいな…」
「「えっ?!」」
僕とリーンさんは驚いて、ヒナキさんの方を見た。
するとヒナキさんは、僕が折ったモノを手に取り、左右の羽根の様なものを広げ下からフッと吹いて中心を膨らませた。
「「…。」」
膨らませたソレは、淡い光を放ち、空中に浮いた。
折ったソレはふわふわと風の魔法をまとって浮いている…。
「「…。」」
僕とリーンさんは、茫然とソレを見ていた。
「これは確か、折り紙…鶴と言う鳥を折ったものだよ…」
ヒナキさんは、空中でふわふわと浮くソレを眺めて言った。
「…折り紙…ツル…」
僕は自然とそう呟いていた。
僕の中で、分からない何かが僕の記憶を刺激する…。
「…記憶では、こんな風に浮かなかったと思うけど…」
ヒナキさんは懐かしそうにそう言った。
「…あのさ、これに光魔法を入れると光るのか?」
リーンさんが、ふと聞いてきた。
ヒナキさんはハッとして僕を見る。
えっ?何?
「オルガ、さっきと同じように『魔力紙』を取ってきてもらえるか?同じ大きさを、今度は両手を入れて、両手いっぱいに」
僕は頷いてさっきの箱に向かった。
その背中に二人の視線が刺さる。
僕はドキドキしながら箱を開け、両手を差し入れると大量の『魔力紙』が手の中に現れ、僕は落とさないようにそっと持ち上げ、抱き抱えた。
そして二人の元に戻ってきて、テーブルの上に置いた。
テーブルの上に無造作に散らばった『魔力紙』は、多分、百枚くらいは有るだろう…。
「もう一度折ってくれるか」
ヒナキさんにそう言われて、僕は再び『ツル』を折始めた。
出来上がった『ツル』の羽根を広げるようにして、今度はリーンさんが、下から光の魔力を吹き入れる。
するとピカッと光って、淡い光を放った。
「光るよね…」
リーンさんは手のひらに、光る『ツル』を乗せて、今度は風の魔法を軽くかけると、ふわふわと浮き始め、光を放ちながら空中に浮いていた。
「「「…。」」」
僕達三人は茫然と光る『ツル』を眺め、しばらくして我に返った。
「…『魔力紙』だから、魔法が浸透しやすいよね…」
「普通の紙では、持続性が無い…」
リーンさんとヒナキさんは顔を見合せ、僕を見た。
「他に何か折れる?」
僕はう~んと考えた。
魔法が浸透しやすい…何か使えそうな形…。
今のが風と光だから他は…。
この間教えてもらった属性…。
火と水と…。
ふと、その形が頭に浮かんだ。
僕は『魔力紙』を一枚手にして、再び折始めた。
角と角を合わせて三角に…。
折った場所と角が平行になるよう両脇を斜めに折って…。
最初に合わせた三角の角を外側に倒して…。
中心が入れ物のようになる『コップ』…。
今度はその言葉も一緒に出てきた。
ソレをどちらに渡すか戸惑うと、ヒナキさんがリーンさんの方を指差したので、リーンさんに渡し、リーンさんが魔力を込めると、今度は青く光って『コップ』の中に水が溜まった。
水の魔法を使ったのだろう…。
「「「…。」」」
これって、やっぱり『魔力紙』だからだよね…。
「…リーン」
神妙な声のヒナキさんの呼び掛けに、リーンさんが反応する。
「アレクを呼んでくる」
そう言って、リーンさんは『コップ』を持ったまま部屋を飛び出して行った。
アレクさん…は、確か『魔力紙』を作っている製作所の熊の獣人…だったよね…。
『クルーラ』に来た二日目の夜に、主だった『クルーラ』の住人が『白の館』に集まり、『迷い人』を保護したからよろしく。と、紹介されたので、その時に顔を見ていた。
何が起こったのか、よく分からなくて、僕は首をかしげた。
「もう何枚か『ツル』を折ってくれるか」
ヒナキさんに言われて、僕は『魔力紙』を手に取り、再び折始めた。
角と角を合わせ三角に…。
今度は左右の角と角を合わせて三角に…。
重なった角を広げて四角に…。
反対側も四角に…。
急に『魔力紙』を折始めたオルガの側に、ヒナキが近付いて、黙ってその作業を見ている。
四角の中心の折筋にそって三角に左右折って…広げて…。
何を折っているのか分からないが、手が勝手に『魔力紙』を折っていく…。
ハッとオルガが気が付くと、『魔力紙』で折られたものが出来上がっていた。
「へえ、面白いね」
いつの間にか来てきたリーンさんが声をかけてきた。
そして、黙ったままのヒナキさんの方を見ると、驚いた様子で折られた『魔力紙』を凝視している…。
どうしたんだろう…。
ヒナキさんは目を細め、苦笑いして微笑んだ。
「懐かしいな…」
「「えっ?!」」
僕とリーンさんは驚いて、ヒナキさんの方を見た。
するとヒナキさんは、僕が折ったモノを手に取り、左右の羽根の様なものを広げ下からフッと吹いて中心を膨らませた。
「「…。」」
膨らませたソレは、淡い光を放ち、空中に浮いた。
折ったソレはふわふわと風の魔法をまとって浮いている…。
「「…。」」
僕とリーンさんは、茫然とソレを見ていた。
「これは確か、折り紙…鶴と言う鳥を折ったものだよ…」
ヒナキさんは、空中でふわふわと浮くソレを眺めて言った。
「…折り紙…ツル…」
僕は自然とそう呟いていた。
僕の中で、分からない何かが僕の記憶を刺激する…。
「…記憶では、こんな風に浮かなかったと思うけど…」
ヒナキさんは懐かしそうにそう言った。
「…あのさ、これに光魔法を入れると光るのか?」
リーンさんが、ふと聞いてきた。
ヒナキさんはハッとして僕を見る。
えっ?何?
「オルガ、さっきと同じように『魔力紙』を取ってきてもらえるか?同じ大きさを、今度は両手を入れて、両手いっぱいに」
僕は頷いてさっきの箱に向かった。
その背中に二人の視線が刺さる。
僕はドキドキしながら箱を開け、両手を差し入れると大量の『魔力紙』が手の中に現れ、僕は落とさないようにそっと持ち上げ、抱き抱えた。
そして二人の元に戻ってきて、テーブルの上に置いた。
テーブルの上に無造作に散らばった『魔力紙』は、多分、百枚くらいは有るだろう…。
「もう一度折ってくれるか」
ヒナキさんにそう言われて、僕は再び『ツル』を折始めた。
出来上がった『ツル』の羽根を広げるようにして、今度はリーンさんが、下から光の魔力を吹き入れる。
するとピカッと光って、淡い光を放った。
「光るよね…」
リーンさんは手のひらに、光る『ツル』を乗せて、今度は風の魔法を軽くかけると、ふわふわと浮き始め、光を放ちながら空中に浮いていた。
「「「…。」」」
僕達三人は茫然と光る『ツル』を眺め、しばらくして我に返った。
「…『魔力紙』だから、魔法が浸透しやすいよね…」
「普通の紙では、持続性が無い…」
リーンさんとヒナキさんは顔を見合せ、僕を見た。
「他に何か折れる?」
僕はう~んと考えた。
魔法が浸透しやすい…何か使えそうな形…。
今のが風と光だから他は…。
この間教えてもらった属性…。
火と水と…。
ふと、その形が頭に浮かんだ。
僕は『魔力紙』を一枚手にして、再び折始めた。
角と角を合わせて三角に…。
折った場所と角が平行になるよう両脇を斜めに折って…。
最初に合わせた三角の角を外側に倒して…。
中心が入れ物のようになる『コップ』…。
今度はその言葉も一緒に出てきた。
ソレをどちらに渡すか戸惑うと、ヒナキさんがリーンさんの方を指差したので、リーンさんに渡し、リーンさんが魔力を込めると、今度は青く光って『コップ』の中に水が溜まった。
水の魔法を使ったのだろう…。
「「「…。」」」
これって、やっぱり『魔力紙』だからだよね…。
「…リーン」
神妙な声のヒナキさんの呼び掛けに、リーンさんが反応する。
「アレクを呼んでくる」
そう言って、リーンさんは『コップ』を持ったまま部屋を飛び出して行った。
アレクさん…は、確か『魔力紙』を作っている製作所の熊の獣人…だったよね…。
『クルーラ』に来た二日目の夜に、主だった『クルーラ』の住人が『白の館』に集まり、『迷い人』を保護したからよろしく。と、紹介されたので、その時に顔を見ていた。
何が起こったのか、よく分からなくて、僕は首をかしげた。
「もう何枚か『ツル』を折ってくれるか」
ヒナキさんに言われて、僕は『魔力紙』を手に取り、再び折始めた。
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