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二人の旅の始まり
桜 2
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『桜』の側で昼食後、シロエとリシトは眠くなってしまい、『桜』の木の下の敷物の上で並んで昼寝をし始めた。
ユリトもその隣に寝かせ、三人が並んでお昼寝。
それをしばらく皆で眺めて本題に入った。
これからの事を皆に話さなくては、いけないからだ。
食事をしたテーブルの回りに全員が座ると、マークとカムイがお茶を持って来てくれ、マークとカムイも一緒に話を聞くように言った。
二人には、この屋敷を管理してもらっているのだから、重要な事だ。
まずは、ルークが若返って生きている事を隠す事。
すでにバレてしまったリマ商会の事も話し、マークには変に隠さなくて良いと伝える。
次に、転移魔法の魔法陣の事。
今はグシャグシャに配置してあるから、これを分かりやすく書き換える事。
拠点はカザンナ王国のカザナの屋敷。
グオルクのリーンの部屋に繋がる魔法陣はそのまま残しておく事。
カザナから、獣人と人族の町リオナスの元ルークの執務室。カザナから、王都の今、キースとニーナのいる屋敷。は、そのまま残しておいて、カザナから、ヤマツカ町のこの屋敷に一つ。カザナから、ユーリのいるグオルクの施設の家に一つ。
取りあえず、カザナの屋敷を中心に、転移魔法陣を張り巡らせると言うこと。
そうすれば、簡単に行き来することが出来る。
マークに残ってもらったのは、転移魔法陣を張り付ける部屋を一つ準備して欲しいからだ。
マークは頷き、どの部屋にするか思考中…。
いずれまた、変更するかも知れないが、人目に触れずにルークが移動するには、どうしても必要になってくる。
あっ。王都のルークの部屋から王城のルークの部屋に繋がっていた魔法陣は、今後カザナのルークの執務室へと繋げる予定だ。
兄王のローレンスの手助けを、ルークがこっそりと、するつもりだからだ。
そこまでの話をすると、子供達は大きなため息をついた。
「分かってはいたけど、予想外…」
「…転移魔法陣は分かるけど、お父様…直ぐにバレるよ…」
「…仕事し過ぎ…」
「会えるのは嬉しいけれど…秘密なんでしょ?」
それぞれに思うことを口にする。
ルークは苦笑いして言う。
「…取りあえず、俺の側近だったジェスとカズキとアオと、リオナスにいるガーディは、今の現状を知っている。何かあったら、連絡すると良い」
「…リーンはどうするの?」
ユーリが聞いてくる。
「基本、今まで通り森の中にいるよ。たまに顔を見に行くから」
リーンはそう言って微笑む。
私の役目は森に住むものたちを守る事…。
そして、子供達を見守ること…。
「それで俺はなるべく、リーンに一緒に付いていく」
ルークはそう言って微笑み、
「だから、森から降りてくることは少なくなる…はず…」
と、言いながら、兄王の陰ながら手助けをすると言っているのだから、一緒にいる時間は、そう長くはないだろう…。
リーンは苦笑いしながら言う。
「若返っても無理したら、体調を崩したまま長い年月を過ごすことを忘れないでね」
それが一番心配だ。
そして子供達にも、ルークが『長寿の実』を食べて、姿が若いまま長生きすることを教え、再び大きなため息を付かれた。
「…リーンと一緒にいるため…ね…」
「今さらだろ…」
子供達は好き放題に言い、ルークとリーンは苦笑いした。
「今後の事だけど、毎年ココで『桜』の花見をしようよ」
リーンはそう言って、全員の顔を見回した。
「私達も、絶対に来れるとは限らないけれど、皆で集まれる理由があった方が、集まりやすいかなぁって、思ったんだけど…」
「「賛成!」」
キースとニーナは同時に手を上げて返事する。
二人の場合は特に、魔法陣を使って、自由に往き来出来ないから、皆と会える理由が欲しいだろう。
「そうだね。子供達を会わせて、遊ばせるのにはちょうど良いかも…」
ジーンは昼寝をするシロエの方を見る。
一人っ子だから、気兼ねなく遊べる従兄弟がいた方が、シロエも楽しいだろう…。
「そうね。良い機会なのかも…」
「…ミーナは…」
ニーナが、ココにはいない姉妹の事を不安げに言う。
「ミーナはまだ無理かな…『魔女の抜け道』を、一人で扱えるようになったら来れるよ。…もう少し大人にならないと…」
ニーナはしょんぼりとして、うつ向いた。
『魔女の抜け道』は空間魔法。
ソフィアとリーンの子供だから、その能力は受け継いでいるだろう。
ただ、集中力と精神力、何もない空間を渡り繋げるのは、簡単な事ではない。
「もう少し大人になったら、お花見をするために会えるよ」
リーンはそう言って微笑んだ。
ユリトもその隣に寝かせ、三人が並んでお昼寝。
それをしばらく皆で眺めて本題に入った。
これからの事を皆に話さなくては、いけないからだ。
食事をしたテーブルの回りに全員が座ると、マークとカムイがお茶を持って来てくれ、マークとカムイも一緒に話を聞くように言った。
二人には、この屋敷を管理してもらっているのだから、重要な事だ。
まずは、ルークが若返って生きている事を隠す事。
すでにバレてしまったリマ商会の事も話し、マークには変に隠さなくて良いと伝える。
次に、転移魔法の魔法陣の事。
今はグシャグシャに配置してあるから、これを分かりやすく書き換える事。
拠点はカザンナ王国のカザナの屋敷。
グオルクのリーンの部屋に繋がる魔法陣はそのまま残しておく事。
カザナから、獣人と人族の町リオナスの元ルークの執務室。カザナから、王都の今、キースとニーナのいる屋敷。は、そのまま残しておいて、カザナから、ヤマツカ町のこの屋敷に一つ。カザナから、ユーリのいるグオルクの施設の家に一つ。
取りあえず、カザナの屋敷を中心に、転移魔法陣を張り巡らせると言うこと。
そうすれば、簡単に行き来することが出来る。
マークに残ってもらったのは、転移魔法陣を張り付ける部屋を一つ準備して欲しいからだ。
マークは頷き、どの部屋にするか思考中…。
いずれまた、変更するかも知れないが、人目に触れずにルークが移動するには、どうしても必要になってくる。
あっ。王都のルークの部屋から王城のルークの部屋に繋がっていた魔法陣は、今後カザナのルークの執務室へと繋げる予定だ。
兄王のローレンスの手助けを、ルークがこっそりと、するつもりだからだ。
そこまでの話をすると、子供達は大きなため息をついた。
「分かってはいたけど、予想外…」
「…転移魔法陣は分かるけど、お父様…直ぐにバレるよ…」
「…仕事し過ぎ…」
「会えるのは嬉しいけれど…秘密なんでしょ?」
それぞれに思うことを口にする。
ルークは苦笑いして言う。
「…取りあえず、俺の側近だったジェスとカズキとアオと、リオナスにいるガーディは、今の現状を知っている。何かあったら、連絡すると良い」
「…リーンはどうするの?」
ユーリが聞いてくる。
「基本、今まで通り森の中にいるよ。たまに顔を見に行くから」
リーンはそう言って微笑む。
私の役目は森に住むものたちを守る事…。
そして、子供達を見守ること…。
「それで俺はなるべく、リーンに一緒に付いていく」
ルークはそう言って微笑み、
「だから、森から降りてくることは少なくなる…はず…」
と、言いながら、兄王の陰ながら手助けをすると言っているのだから、一緒にいる時間は、そう長くはないだろう…。
リーンは苦笑いしながら言う。
「若返っても無理したら、体調を崩したまま長い年月を過ごすことを忘れないでね」
それが一番心配だ。
そして子供達にも、ルークが『長寿の実』を食べて、姿が若いまま長生きすることを教え、再び大きなため息を付かれた。
「…リーンと一緒にいるため…ね…」
「今さらだろ…」
子供達は好き放題に言い、ルークとリーンは苦笑いした。
「今後の事だけど、毎年ココで『桜』の花見をしようよ」
リーンはそう言って、全員の顔を見回した。
「私達も、絶対に来れるとは限らないけれど、皆で集まれる理由があった方が、集まりやすいかなぁって、思ったんだけど…」
「「賛成!」」
キースとニーナは同時に手を上げて返事する。
二人の場合は特に、魔法陣を使って、自由に往き来出来ないから、皆と会える理由が欲しいだろう。
「そうだね。子供達を会わせて、遊ばせるのにはちょうど良いかも…」
ジーンは昼寝をするシロエの方を見る。
一人っ子だから、気兼ねなく遊べる従兄弟がいた方が、シロエも楽しいだろう…。
「そうね。良い機会なのかも…」
「…ミーナは…」
ニーナが、ココにはいない姉妹の事を不安げに言う。
「ミーナはまだ無理かな…『魔女の抜け道』を、一人で扱えるようになったら来れるよ。…もう少し大人にならないと…」
ニーナはしょんぼりとして、うつ向いた。
『魔女の抜け道』は空間魔法。
ソフィアとリーンの子供だから、その能力は受け継いでいるだろう。
ただ、集中力と精神力、何もない空間を渡り繋げるのは、簡単な事ではない。
「もう少し大人になったら、お花見をするために会えるよ」
リーンはそう言って微笑んだ。
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