458 / 462
二人の旅の始まり
再会 2
しおりを挟む
ソファーに座るルークの両サイドに、キースとニーナが座り、二人に挟まれて嬉しそうなルークは、テーブルに大きな地図を広げて楽しそうに話をしている。
今いる、カザンナ王国のヤマツカ町はココにあって、ジーンのいるタミネキ村はココで…この道を通って…と、二人に説明していた。
すると部屋の扉が開き、キリトと、ユリトを抱っこしたユーリと、キリトの足にしがみついたリシトが姿を表した。
そしてリシトが辺りをキョロキョロ見回し、ルークを見つけるとキリトの足元から離れ、フラフラと歩きだした。
「じーじ」
ルークはその姿を見て目尻をさげ、嬉しそうに微笑む。
「リシト」
ルークは両手を広げ、リシトが歩いて来るのを楽しげに待つ。
ニーナはその様子を見て微笑む。
「リシトの歩き方、可愛い」
「…てか、ユーリ姉様、もう一人連れてる…」
キースはユーリの腕の中で眠る赤子に目を奪われている。
キリトはチラリとリーンの方を見ると、部屋に入らず廊下を戻って行った。
きっと荷物を部屋に運びに行ったのだろう。
子供達の着替えや遊び道具など、必要な物がとても多いことは分かっている。
昔のキリトを知っているだけに、なんだか不思議な感じだ。
リシトがルークの元にたどり着くと、ルークはギュッと抱き締めて、膝の上にリシトを座らせた。
「へへっ…」
リシトは嬉しそうにルークの膝の上で、足をバタバタさせる。
ニーナはその様子を横から見て、「可愛い!可愛い!」と連呼しているし、ルークも嬉しそうにリシトの体を支え、ほっぺをプニプニと摘まんでいる。
ユーリがユリトを抱いたままリーンの隣に座ると、キースが近付いてきて、ユーリの腕の中で眠る赤子を覗きこんだ。
「…お耳、可愛い…」
ユリトは目を閉じたまま、声に反応してか耳をピクピク動かし、口元をムニムニと動かしている。
「ユリトよ。抱っこしてみる?」
ユーリがそう言うと、キースは何度も頷き両手を差し出した。
ユーリは微笑みながら、キースをソファーに座らせ、太ももの上に乗せるようにして、キースの両腕に抱えさせた。
「うわっ…柔らかい…」
リーンとユーリは微笑む。
そう言えば、キース達は産まれて間もない子供を抱っこしたり、触ったりしたことは無いかも…。
ジーンの子供、シロエが産まれた時は、ルークの体調が悪くなっていた頃だから…あまり記憶がない…。
ジーンが直ぐに神殿に戻っていると、接する機会は無かったのかも…。
キースはニコニコしながらユリトを抱えている。
それを見たニーナも近付いて来て、「私も…」と、羨ましそうにキースを見ている。
ユーリは「順番に」と、次にニーナに抱っこさせていた。
その間、リシトはルークを独占して、満足そうにニコニコしていた。
家族が増えるって、なんか良いよな…。
ルークと出会うまでは考えたこともなかったが、楽しみが増えるというのは、とても楽しい事なのだと、子供達を見て、孫が楽しそうなのを見て、リーンはつくづくそう思った。
今いる、カザンナ王国のヤマツカ町はココにあって、ジーンのいるタミネキ村はココで…この道を通って…と、二人に説明していた。
すると部屋の扉が開き、キリトと、ユリトを抱っこしたユーリと、キリトの足にしがみついたリシトが姿を表した。
そしてリシトが辺りをキョロキョロ見回し、ルークを見つけるとキリトの足元から離れ、フラフラと歩きだした。
「じーじ」
ルークはその姿を見て目尻をさげ、嬉しそうに微笑む。
「リシト」
ルークは両手を広げ、リシトが歩いて来るのを楽しげに待つ。
ニーナはその様子を見て微笑む。
「リシトの歩き方、可愛い」
「…てか、ユーリ姉様、もう一人連れてる…」
キースはユーリの腕の中で眠る赤子に目を奪われている。
キリトはチラリとリーンの方を見ると、部屋に入らず廊下を戻って行った。
きっと荷物を部屋に運びに行ったのだろう。
子供達の着替えや遊び道具など、必要な物がとても多いことは分かっている。
昔のキリトを知っているだけに、なんだか不思議な感じだ。
リシトがルークの元にたどり着くと、ルークはギュッと抱き締めて、膝の上にリシトを座らせた。
「へへっ…」
リシトは嬉しそうにルークの膝の上で、足をバタバタさせる。
ニーナはその様子を横から見て、「可愛い!可愛い!」と連呼しているし、ルークも嬉しそうにリシトの体を支え、ほっぺをプニプニと摘まんでいる。
ユーリがユリトを抱いたままリーンの隣に座ると、キースが近付いてきて、ユーリの腕の中で眠る赤子を覗きこんだ。
「…お耳、可愛い…」
ユリトは目を閉じたまま、声に反応してか耳をピクピク動かし、口元をムニムニと動かしている。
「ユリトよ。抱っこしてみる?」
ユーリがそう言うと、キースは何度も頷き両手を差し出した。
ユーリは微笑みながら、キースをソファーに座らせ、太ももの上に乗せるようにして、キースの両腕に抱えさせた。
「うわっ…柔らかい…」
リーンとユーリは微笑む。
そう言えば、キース達は産まれて間もない子供を抱っこしたり、触ったりしたことは無いかも…。
ジーンの子供、シロエが産まれた時は、ルークの体調が悪くなっていた頃だから…あまり記憶がない…。
ジーンが直ぐに神殿に戻っていると、接する機会は無かったのかも…。
キースはニコニコしながらユリトを抱えている。
それを見たニーナも近付いて来て、「私も…」と、羨ましそうにキースを見ている。
ユーリは「順番に」と、次にニーナに抱っこさせていた。
その間、リシトはルークを独占して、満足そうにニコニコしていた。
家族が増えるって、なんか良いよな…。
ルークと出会うまでは考えたこともなかったが、楽しみが増えるというのは、とても楽しい事なのだと、子供達を見て、孫が楽しそうなのを見て、リーンはつくづくそう思った。
0
お気に入りに追加
107
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる