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二人の旅の始まり

再会 2

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 ソファーに座るルークの両サイドに、キースとニーナが座り、二人に挟まれて嬉しそうなルークは、テーブルに大きな地図を広げて楽しそうに話をしている。
 今いる、カザンナ王国のヤマツカ町はココにあって、ジーンのいるタミネキ村はココで…この道を通って…と、二人に説明していた。

 すると部屋の扉が開き、キリトと、ユリトを抱っこしたユーリと、キリトの足にしがみついたリシトが姿を表した。
 そしてリシトが辺りをキョロキョロ見回し、ルークを見つけるとキリトの足元から離れ、フラフラと歩きだした。
「じーじ」
 ルークはその姿を見て目尻をさげ、嬉しそうに微笑む。
「リシト」
 ルークは両手を広げ、リシトが歩いて来るのを楽しげに待つ。
 ニーナはその様子を見て微笑む。
「リシトの歩き方、可愛い」
「…てか、ユーリ姉様、もう一人連れてる…」
 キースはユーリの腕の中で眠る赤子に目を奪われている。
 キリトはチラリとリーンの方を見ると、部屋に入らず廊下を戻って行った。
 きっと荷物を部屋に運びに行ったのだろう。
 子供達の着替えや遊び道具など、必要な物がとても多いことは分かっている。
 昔のキリトを知っているだけに、なんだか不思議な感じだ。
 リシトがルークの元にたどり着くと、ルークはギュッと抱き締めて、膝の上にリシトを座らせた。
「へへっ…」
 リシトは嬉しそうにルークの膝の上で、足をバタバタさせる。
 ニーナはその様子を横から見て、「可愛い!可愛い!」と連呼しているし、ルークも嬉しそうにリシトの体を支え、ほっぺをプニプニと摘まんでいる。
 ユーリがユリトを抱いたままリーンの隣に座ると、キースが近付いてきて、ユーリの腕の中で眠る赤子を覗きこんだ。
「…お耳、可愛い…」
 ユリトは目を閉じたまま、声に反応してか耳をピクピク動かし、口元をムニムニと動かしている。
「ユリトよ。抱っこしてみる?」
 ユーリがそう言うと、キースは何度も頷き両手を差し出した。
 ユーリは微笑みながら、キースをソファーに座らせ、太ももの上に乗せるようにして、キースの両腕に抱えさせた。
「うわっ…柔らかい…」
 リーンとユーリは微笑む。
 そう言えば、キース達は産まれて間もない子供を抱っこしたり、触ったりしたことは無いかも…。
 ジーンの子供、シロエが産まれた時は、ルークの体調が悪くなっていた頃だから…あまり記憶がない…。
 ジーンが直ぐに神殿に戻っていると、接する機会は無かったのかも…。
 キースはニコニコしながらユリトを抱えている。
 それを見たニーナも近付いて来て、「私も…」と、羨ましそうにキースを見ている。
 ユーリは「順番に」と、次にニーナに抱っこさせていた。
 その間、リシトはルークを独占して、満足そうにニコニコしていた。
 家族が増えるって、なんか良いよな…。
 ルークと出会うまでは考えたこともなかったが、楽しみが増えるというのは、とても楽しい事なのだと、子供達を見て、孫が楽しそうなのを見て、リーンはつくづくそう思った。
 
 

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