448 / 462
流れ行く時間の中で…。
見守るリーン 6 魔女の森
しおりを挟む
カザナから山を一つ越え、獣道を登っていけば、『魔女の森』へ入る、裏側の入り口へとたどり着く。
ココはほとんど人が入らず、人族からは『魔の森』とも呼ばれているが、実際は魔女王の結界があるため、方向が分からず山をさ迷うため、『迷いの森』とも呼ばれている。と、言うことを、ルークと出会ってから知った。
『魔女の森』への入り口が、どこに有るかさえ知ってしまえば、普通の森と変わらない。
よっぽどの用事がないと行きたいとは思わないし、誰かを連れていこうとも思わない。
誰かを連れて入るのは、『魔女の森』の正面からになるし、満月の日でないと表からは入れない。
しかも満月は『魔女の宴』があるので、余計に行きたくはない。
けれど裏口は、魔女王の結界を抜けることが出来れば、簡単に入れるのだ。
リーンは見知った森の中を歩き、『魔女の森』へと入って行った。
『魔女の森』の裏口は、魔女王によって、幻覚の迷宮と化していて、知らずに入れば出ることが出来ないだろう。
リーンは魔女王が幻覚を作り出すより早く、先を見る。と、言うより先を読む。
リーンにとっては、魔女王ソフィアとのゲームのようなものだ。
ソフィアは侵入者を撃退するのが仕事だし、リーンもその例外にはならない。
外界と『魔女の森』の境目に有る、魔女王の結界を抜ければ、普通の森が広がり、いつも出てくる場所は、山の斜面に有る果樹園だ。
ソコから瞬脚移動で山を降り、魔女王のお城の側面に出ると、ソコには白獣のユキの墓標が立てられている。
リーンは墓標の前で足を止め、目を閉じ、祈りを捧げた。
ほんの一時だが一緒に行動を共にしていた、綺麗な白獣…私の血を舐めて、私の魔力が多すぎて、獣人化してしまった人が眠っている…。
懐かしく思いながら立たずんで居ると、ふと気配を感じ、振り向くと、少し身長が伸びたミーナが、お城の中から走って近付いて来た。
「ミーナ」
「リーン!」
ミーナはリーンの腕の中に飛び込んでくると、ギュッとリーンを抱き締めた。
知らない人達の中で暮らし始め、心細いだろうが、これはミーナの魔力を制御するためだと、自分に言い聞かせ、ソフィアの元に送り出したのは、いつだったか…。
リーンはミーナの頭を撫でてあげると、ミーナは嬉しそうにヘヘッと笑った。
そこへ金髪碧眼の魔女王ソフィアが、楽しそうに近付いてくる。
「ふふ。久しぶりの親子の再会って感じね」
「当たり前だろ」
リーンはそう言ってミーナを抱き締めると、ミーナは嬉しそうに笑い、ソフィアはクスクスと笑う。
「いろいろと、話が有るのよね。中で話しましょう」
ソフィアはそう言って、お城の中へと戻っていく。
リーンとミーナは顔を見合せ微笑むと、手をつないでソフィアの後を追った。
ココはほとんど人が入らず、人族からは『魔の森』とも呼ばれているが、実際は魔女王の結界があるため、方向が分からず山をさ迷うため、『迷いの森』とも呼ばれている。と、言うことを、ルークと出会ってから知った。
『魔女の森』への入り口が、どこに有るかさえ知ってしまえば、普通の森と変わらない。
よっぽどの用事がないと行きたいとは思わないし、誰かを連れていこうとも思わない。
誰かを連れて入るのは、『魔女の森』の正面からになるし、満月の日でないと表からは入れない。
しかも満月は『魔女の宴』があるので、余計に行きたくはない。
けれど裏口は、魔女王の結界を抜けることが出来れば、簡単に入れるのだ。
リーンは見知った森の中を歩き、『魔女の森』へと入って行った。
『魔女の森』の裏口は、魔女王によって、幻覚の迷宮と化していて、知らずに入れば出ることが出来ないだろう。
リーンは魔女王が幻覚を作り出すより早く、先を見る。と、言うより先を読む。
リーンにとっては、魔女王ソフィアとのゲームのようなものだ。
ソフィアは侵入者を撃退するのが仕事だし、リーンもその例外にはならない。
外界と『魔女の森』の境目に有る、魔女王の結界を抜ければ、普通の森が広がり、いつも出てくる場所は、山の斜面に有る果樹園だ。
ソコから瞬脚移動で山を降り、魔女王のお城の側面に出ると、ソコには白獣のユキの墓標が立てられている。
リーンは墓標の前で足を止め、目を閉じ、祈りを捧げた。
ほんの一時だが一緒に行動を共にしていた、綺麗な白獣…私の血を舐めて、私の魔力が多すぎて、獣人化してしまった人が眠っている…。
懐かしく思いながら立たずんで居ると、ふと気配を感じ、振り向くと、少し身長が伸びたミーナが、お城の中から走って近付いて来た。
「ミーナ」
「リーン!」
ミーナはリーンの腕の中に飛び込んでくると、ギュッとリーンを抱き締めた。
知らない人達の中で暮らし始め、心細いだろうが、これはミーナの魔力を制御するためだと、自分に言い聞かせ、ソフィアの元に送り出したのは、いつだったか…。
リーンはミーナの頭を撫でてあげると、ミーナは嬉しそうにヘヘッと笑った。
そこへ金髪碧眼の魔女王ソフィアが、楽しそうに近付いてくる。
「ふふ。久しぶりの親子の再会って感じね」
「当たり前だろ」
リーンはそう言ってミーナを抱き締めると、ミーナは嬉しそうに笑い、ソフィアはクスクスと笑う。
「いろいろと、話が有るのよね。中で話しましょう」
ソフィアはそう言って、お城の中へと戻っていく。
リーンとミーナは顔を見合せ微笑むと、手をつないでソフィアの後を追った。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる