438 / 462
流れ行く時間の中で…。
ジュジュ
しおりを挟む
リーンはルークを連れて、『森の聖域』へと移動してきた。
転移魔法でここまで飛ぶのは、かなり魔力を使うが、そんなことを言っている場合ではない…。
ルークに負担をかけず、『森の聖域』に連れてくるには、これしか方法がなかった。
リーンは意識を失ったルークを家のベッドに寝かせた。
魔素の強いこの地の、ルークへの負担が不安だったが、今のところ変化はない…。
もしかしてルークの体調の異変は、魔力が関係しているのか?
魔力が弱っているのなら、頭痛や吐き気をもよおし、呼吸が乱れるはず…。
それが無いと言うことは、保有魔力は維持したままだと言うこと…。
やはり魔力の異常現象なのか…?
リーンにはそれが分からないので、直ぐに隣にある『クルーラ』へと向かい、村長のヒナキの元に向かった。
ヒナキは突然訪れたリーンに驚き、事の次第を聞いて、別の家へと駆け込んで行き、そして白髪の有翼族の青年を連れてきた。
彼、ジュジュもヒナキと同じ様に、『クルーラ』に住む年長者だ。
『クルーラ』にたどり着くまで、各地を飛び歩き、色々な種族的にと交流をし、治癒魔法を極めた人だ。
ここでは珍しい薬草を育てたり、魔力を身体に流して、体内の状況を見る事が出き、原因を突き止めるという、変わった治療の仕方をする人だ。
『森の聖域』に来てもらい、ベッドで眠るルークを見てもらうと、やはり魔力の異常現象のようだった。
通常、幼い頃から魔力が蓄積され、大きな魔力を使えるようになる。
そして、その土地から溢れ出ている魔力を自分のものにして、循環できるようになり、常時魔法が使えるようになるのだ。
しかしルークは幼い頃から魔力が封じられていて、私と出会い、魔力を急激に使えるようになって、魔力を極限まで放出したり、魔力の強い『森の聖域』に滞在したりと、振り幅があまりにも大きくなり、身体がついていかなくなったのが、原因の一つだろうと言われた。
心当たりが有りすぎて、何も言えなかった。
そしてジュジュはリーンをチラリと見て言う。
「…リーン様と番になって、身体の魔力の流れが変わったのだと思います。人族である彼には、リーン様の魔力を受け入れるだけの器があっても、身体が出来上がっていない…。それも原因の一つかと…」
「だったらどうすれば良い?」
ルークの身体を改善するためには、どうすれば良い…。
「…リーン様の魔力を受け止める身体になれば、大丈夫ですよ。…えっと…リーン様と同じような体質を持つ身体になれば…」
「…。」
それは人族ではなく、私と同じ長寿の身体を手に入れ、時間を止めると言うこと…。
「…リーン。ルークは『長寿の実』を食べたのか?」
それまで黙って聞いていたヒナキが、思い出したかのように言う。
リーンは物質保管庫を開け、引き出しの中を確認する。
ルークが『森の聖域』で私が眠っている間に、木霊達からもらった世界樹の『長寿の実』の事だ。
「…まだ、有る…」
「だったら決まりだ。ルークの身体をリーンと同じ体質に作り替えて、『長寿の実』を食べる。それが一番の解決になる」
ヒナキはそう宣言する。
「…私と同じ体質には…『世界樹』ユグか!?」
「そうだよ。ユグなら時間を戻せる。魔力の変質が起こる前にまで戻って、『長寿の実』を食べれば、ルークはリーンと同じ体質になるはず…」
確定ではない。
だが、可能性は有る。
「…わかった。ルークが目覚めたら話してみる」
「そうだね。その方が良い…」
ヒナキとジュジュはクルーラへと戻っていった。
自分の身体がどういう状況で、『世界樹』の中に入るのか。
その中で、記憶を失くさないように願い、身体だけの時間を戻さないと、成長した子供達の事を忘れてしまう…。
ジュジユと相談して、どの時点まで戻った方が良いのかを話し合わなくてはいけない…。
そしてユグとも話し合って、『世界樹』に受け入れてもらわなくてはいけない…。
それでも、少し活路が見えたのでリーンはホッとした。
どれだけの時間がかかるか分からないけど、私は待つよ…。
もう一度、ルークと一緒に旅に出るために…。
転移魔法でここまで飛ぶのは、かなり魔力を使うが、そんなことを言っている場合ではない…。
ルークに負担をかけず、『森の聖域』に連れてくるには、これしか方法がなかった。
リーンは意識を失ったルークを家のベッドに寝かせた。
魔素の強いこの地の、ルークへの負担が不安だったが、今のところ変化はない…。
もしかしてルークの体調の異変は、魔力が関係しているのか?
魔力が弱っているのなら、頭痛や吐き気をもよおし、呼吸が乱れるはず…。
それが無いと言うことは、保有魔力は維持したままだと言うこと…。
やはり魔力の異常現象なのか…?
リーンにはそれが分からないので、直ぐに隣にある『クルーラ』へと向かい、村長のヒナキの元に向かった。
ヒナキは突然訪れたリーンに驚き、事の次第を聞いて、別の家へと駆け込んで行き、そして白髪の有翼族の青年を連れてきた。
彼、ジュジュもヒナキと同じ様に、『クルーラ』に住む年長者だ。
『クルーラ』にたどり着くまで、各地を飛び歩き、色々な種族的にと交流をし、治癒魔法を極めた人だ。
ここでは珍しい薬草を育てたり、魔力を身体に流して、体内の状況を見る事が出き、原因を突き止めるという、変わった治療の仕方をする人だ。
『森の聖域』に来てもらい、ベッドで眠るルークを見てもらうと、やはり魔力の異常現象のようだった。
通常、幼い頃から魔力が蓄積され、大きな魔力を使えるようになる。
そして、その土地から溢れ出ている魔力を自分のものにして、循環できるようになり、常時魔法が使えるようになるのだ。
しかしルークは幼い頃から魔力が封じられていて、私と出会い、魔力を急激に使えるようになって、魔力を極限まで放出したり、魔力の強い『森の聖域』に滞在したりと、振り幅があまりにも大きくなり、身体がついていかなくなったのが、原因の一つだろうと言われた。
心当たりが有りすぎて、何も言えなかった。
そしてジュジュはリーンをチラリと見て言う。
「…リーン様と番になって、身体の魔力の流れが変わったのだと思います。人族である彼には、リーン様の魔力を受け入れるだけの器があっても、身体が出来上がっていない…。それも原因の一つかと…」
「だったらどうすれば良い?」
ルークの身体を改善するためには、どうすれば良い…。
「…リーン様の魔力を受け止める身体になれば、大丈夫ですよ。…えっと…リーン様と同じような体質を持つ身体になれば…」
「…。」
それは人族ではなく、私と同じ長寿の身体を手に入れ、時間を止めると言うこと…。
「…リーン。ルークは『長寿の実』を食べたのか?」
それまで黙って聞いていたヒナキが、思い出したかのように言う。
リーンは物質保管庫を開け、引き出しの中を確認する。
ルークが『森の聖域』で私が眠っている間に、木霊達からもらった世界樹の『長寿の実』の事だ。
「…まだ、有る…」
「だったら決まりだ。ルークの身体をリーンと同じ体質に作り替えて、『長寿の実』を食べる。それが一番の解決になる」
ヒナキはそう宣言する。
「…私と同じ体質には…『世界樹』ユグか!?」
「そうだよ。ユグなら時間を戻せる。魔力の変質が起こる前にまで戻って、『長寿の実』を食べれば、ルークはリーンと同じ体質になるはず…」
確定ではない。
だが、可能性は有る。
「…わかった。ルークが目覚めたら話してみる」
「そうだね。その方が良い…」
ヒナキとジュジュはクルーラへと戻っていった。
自分の身体がどういう状況で、『世界樹』の中に入るのか。
その中で、記憶を失くさないように願い、身体だけの時間を戻さないと、成長した子供達の事を忘れてしまう…。
ジュジユと相談して、どの時点まで戻った方が良いのかを話し合わなくてはいけない…。
そしてユグとも話し合って、『世界樹』に受け入れてもらわなくてはいけない…。
それでも、少し活路が見えたのでリーンはホッとした。
どれだけの時間がかかるか分からないけど、私は待つよ…。
もう一度、ルークと一緒に旅に出るために…。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
105
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる