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流れ行く時間の中で…。
幸せの中で…。
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しばらく会っていなかった子供達が、顔を見せにやって来てくれた。
リーンが呼んだみたいだ。
同じ屋敷に住んでいたのに、ずっと顔を会わせていなかったニーナとキースは、学校から帰ってきて、一番に部屋へ飛び込んできた。
寂しいだろうからと、一緒の屋敷に住んでいたのに、心配をかけたくなくて、会わずにいたのが、二人を余計、心配させていたみたいだ。
二人の頭を撫でてあげると、嬉しそうに笑う。
寂しい想いをさせて悪かったな…ニーナ、キース。
次にやって来たのは、子連れのジーンとロキ。
産まれたばかりのシロエは無邪気に笑い、俺たちに笑みを浮かばせてくれる…。
触れる温もりと、愛しさに、新しい命を感じる。
大きく成長していく過程を見れないのが少し寂しいな…。
少し遅れて来たのが、グオルクにいたお腹の大きいユーリとキリト。
ユーリは嬉しそうにキリトに寄り添い、キリトも照れ臭そうに笑い、幸せそうだ。
いずれと思っていたが、ユーリがお母さんになる…。
産まれてくる子供の顔を見れないのが残念だ…。
ルークの部屋はいつになく賑やかになった。
今、魔女王ソフィアのもとにもいるミーナには、会うことは出来ないだろう…。
ミーナとの約束『みんなでお出かけ』が、守れそうにないな…。
すでにルークの側近や、兄達、父親には、王城とこの屋敷を繋ぐ魔法陣を使って来て、秘密裏に会って話をし、今後の事について伝えてある。
俺の仕事の後を、兄の息子ロバートにまかせ、補佐にアオがつき進めていくことを…。
もともと若いロバートには荷が重い仕事が多く、ルークの補佐としてロバートがつき、徐々に慣れてきたところで仕事をロバートに移行していたのもある。
いずれロバートが、この国を幸せにしていかなくてはいけない…。
なのでアオが補佐につけば、滞りなく進行していくだろう…。
そして兄王のように、時に厳しく、そして優しい王になって欲しい。
ルークにとって親しい者達と、家族と楽しく話をして、疲れたルークは目を閉じ、身体を横たえた。
もっと起きて、子供達と話がしたいのに、身体が眠りを誘う…。
起きていることが、苦痛になってくる…。
ふと、身体が抱き起こされ、優しく包まれた。
…これはリーンの匂いだ…。
俺を包む暖かい温もり…。
「『フィールド展開』」
リーンがそう言った声が微かに聞こえる。
「しばらく遊びに行けない」
誰かが…泣いている…。
鳴き声が…鼻をすする音が聞こえる…。
「どこにいても、お前達の幸せを願っている」
ああ。俺も幸せを願ってる…。
俺の大切な子供達…。
声を出せないルークは心の中でそう呟いた。
「「「…リーン…」」」
「『森の聖域』『転移』」
リーンがそう言うと同時にルークは意識を無くし、深い眠りについた。
リーンが呼んだみたいだ。
同じ屋敷に住んでいたのに、ずっと顔を会わせていなかったニーナとキースは、学校から帰ってきて、一番に部屋へ飛び込んできた。
寂しいだろうからと、一緒の屋敷に住んでいたのに、心配をかけたくなくて、会わずにいたのが、二人を余計、心配させていたみたいだ。
二人の頭を撫でてあげると、嬉しそうに笑う。
寂しい想いをさせて悪かったな…ニーナ、キース。
次にやって来たのは、子連れのジーンとロキ。
産まれたばかりのシロエは無邪気に笑い、俺たちに笑みを浮かばせてくれる…。
触れる温もりと、愛しさに、新しい命を感じる。
大きく成長していく過程を見れないのが少し寂しいな…。
少し遅れて来たのが、グオルクにいたお腹の大きいユーリとキリト。
ユーリは嬉しそうにキリトに寄り添い、キリトも照れ臭そうに笑い、幸せそうだ。
いずれと思っていたが、ユーリがお母さんになる…。
産まれてくる子供の顔を見れないのが残念だ…。
ルークの部屋はいつになく賑やかになった。
今、魔女王ソフィアのもとにもいるミーナには、会うことは出来ないだろう…。
ミーナとの約束『みんなでお出かけ』が、守れそうにないな…。
すでにルークの側近や、兄達、父親には、王城とこの屋敷を繋ぐ魔法陣を使って来て、秘密裏に会って話をし、今後の事について伝えてある。
俺の仕事の後を、兄の息子ロバートにまかせ、補佐にアオがつき進めていくことを…。
もともと若いロバートには荷が重い仕事が多く、ルークの補佐としてロバートがつき、徐々に慣れてきたところで仕事をロバートに移行していたのもある。
いずれロバートが、この国を幸せにしていかなくてはいけない…。
なのでアオが補佐につけば、滞りなく進行していくだろう…。
そして兄王のように、時に厳しく、そして優しい王になって欲しい。
ルークにとって親しい者達と、家族と楽しく話をして、疲れたルークは目を閉じ、身体を横たえた。
もっと起きて、子供達と話がしたいのに、身体が眠りを誘う…。
起きていることが、苦痛になってくる…。
ふと、身体が抱き起こされ、優しく包まれた。
…これはリーンの匂いだ…。
俺を包む暖かい温もり…。
「『フィールド展開』」
リーンがそう言った声が微かに聞こえる。
「しばらく遊びに行けない」
誰かが…泣いている…。
鳴き声が…鼻をすする音が聞こえる…。
「どこにいても、お前達の幸せを願っている」
ああ。俺も幸せを願ってる…。
俺の大切な子供達…。
声を出せないルークは心の中でそう呟いた。
「「「…リーン…」」」
「『森の聖域』『転移』」
リーンがそう言うと同時にルークは意識を無くし、深い眠りについた。
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